読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

種を蒔く

2007-10-04 10:13:02 | Weblog

種は確かに適切なときに蒔かないと、例えば白菜などでも順調に成長しないなどと家内と話していた。「そう言えば、種を蒔くと言う漢字は草冠に時と書くな。」などと思っていたが、本当に「蒔く」と言う漢字はそう言う意味で成り立っているのかが気になって調べて見ると少し違っていた。白川静著の「字統」による。声符は時(じ)で「説文解字」では「更(あらた)めて別に穜(う)うるなり」とあり、植え替える事を言うと有る。わが国では蒔(ま)くと読み種蒔きの意に用いる。本来の意味とは異なる用法で使われているが「万葉集」に既にその用法で使われていると記されている。同氏の「字訓」では、「適当な間隔を置いて植える事が字の本義」と有る。