読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

「維新の群像」を読む

2007-10-11 10:29:48 | Weblog

「維新の群像」は司馬遼太郎他12人の作家の時代小説の短編集である。時代小説と歴史小説は違うと司馬遼太郎が誰かと対談中に言っていたが、どう違うのかはっきりとは記憶にない。この短編集は「時代小説の楽しみ」九、と副題が有るのでこのシリーズの一冊なのだろう。最初の司馬遼太郎の「桜田門外の変」と次の山田風太郎の「笊ノ目万平衛門外へ」と言う作品では井伊直弼への評価がまるで逆であった。前者は桜田門外の変と言うテロは明治維新への歴史の進行を早めたとし、後者はそのテロを行った水戸藩士らを暴漢として描いている。前者は歴史小説で後者が時代小説の感が有る。