あきお不定期日記

日常の思いついたことを不定期で書いてみたい。

パチンコ店放火殺人に死刑判決

2011-10-31 23:33:23 | Weblog
11月 1日(火)
 時の経つのは早い。もう11月。晩秋である。暑かった時節もこのところやっと秋らしくなってきました。
10月31日大阪地裁で注目の裁判に死刑判決が出た。2年前大阪此花区で発生したパチンコ店放火、殺人、殺人未遂事件である。2ヶ月という長丁場の裁判員裁判である。午後3時からの裁判を傍聴すべく裁判所に足を運んだのであるが、傍聴席50席強で希望者180名。くじに弱い小生、矢張り外れてしまった。この判決を知ったのは帰宅してテレビを見てからである。
責任能力は完全で、死刑は合憲と主張する検察側の意向どおりの判決であった。妥当な判決であったと小生は思う。ずっとこの裁判を傍聴してきたので判決も傍聴席で確認したかった。死刑判決が出た直後の被告人の表情が見たかった。弁護人は控訴の方針であるらしい。弁護人が主張してきたものが悉く否定された。控訴は弁護人からして当然であろう。
 この裁判が傍聴できなく残念であったが、同時刻に行われていた裁判員裁判を傍聴した。窃盗事件である。こちらも此花区在住者で日雇い労働者が福島区のスーパーで万引きし、同店の保安係に捕まり警察へ突き出されたのである。盗んだものはカップめんと500mlの発泡酒どちらも一個ずつである。被告人は年老いた日雇い労務者であるが1ヶ月5日ぐらいしか仕事がなく、仕事がないときは空き缶集めをしていた。空き缶集めは1日1000円ほどの収入しかない。マンションを追い出され住所も不定で夜は公園のベンチなどで寝ていたらしい。犯行当日の所持金は100円だったとのことである。このお方、前にも何回かこのような事件を起して塀の中でご厄介になったとのことである。塀の中の生活が楽であったのだろうか。またまたこんな事件を起してしまった。
 パチンコ店放火事件の被告人といい、この窃盗事件の被告人といい、仕事をして糧を得ようとしてもなかなか職が見つからない。蓄えはなく途方にくれて事件に走ってしまったのも一理あると思う。
所持金が100円しかない。仕事はない。腹は減る。ハローワークに行っても職がない。そして挙句の果てはこのような犯行となる。
今の日本の世相を反映しているようで本当に不安である。本当に恐ろしい。日本の社会に何か大きく欠けているものがある。
裁判傍聴を始めて5年。日本の世相がよく見えてくる。

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注目のダブル首長選

2011-10-29 09:41:10 | Weblog
10月29日(土)
 大阪府知事選、大阪市長選の立候補予定者が続々名乗りを上げてきました。
本来ならば大阪市長選挙のみでありましたが、大阪府知事の辞任により、府・市の同日ダブル選挙となりそうです。
現職知事が大阪市長を目指して鞍替え立候補予定となり、全国から出馬に名乗りを上げて来ております。
こんなに立候補予定者が多くなることは最近にない出来事のようです。大阪市長選は昔から投票率が悪いので民意が反映されていないこともありましたが、今回は府知事選挙と同じであるため投票率は上がるのではないでしょうか。また、上がってほしいものです。40%以下の投票率では民意は反映されたとはいえません。
立候補予定者は口には大阪は第2の都市であり、東京に対抗する大阪にしたいとおっしゃいます。しかし、その具体的な内容は話されていません。立候補されるならばもっと大阪のことを勉強し、少なくとも立候補会見では具体的なビジョンを示して欲しいものです。大阪都構想にしても府議会と市議会の過半数の賛成によってすぐ実現できるのでしょうか。一部のマスコミはこれらさえクリアーすればすぐにでも実現できるような報道をされています。もっと高いハードルがあるのではないでしょうか。その一つに地方自治法の改正が必要ではないでしょうか。地方自治法の改正は国会で審議されます。いま認められている特別区は東京の各区のみです。このあたりの詳しい説明がもっとあってもよいのではないでしょうか。
 投稿者は大阪都構想又はそれに類似した自治体組織の出現に賛成です。大阪市の各区長の権限があまりにもなさ過ぎます。区役所に行き尋ねてもそれは区役所の権限ではどうしようもありません。本庁に行って下さいという始末。住民に身近な区役所を独立させもっと権限を与えるべきではないでしょうか。地域行政事務の執行者と監視役は我々住民の手で選ぶべきではないでしょうか。
 今回の府・市の首長を選ぶ選挙は大切な選挙です。選挙民はこぞって投票所に行ってほしいものです。
大阪の結果次第では全国にその波が広がっていくかも知れません。


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長い裁判員制度裁判結審

2011-10-20 04:32:16 | Weblog
10月20日(木)
 17日、大阪地裁の201号大法廷で、2年前の7月に起きた大阪市此花区のパチンコ店の放火殺人及び殺人未遂事件の論告求刑と最終弁論が行われた。裁判員裁判であり、裁判員は公判開始から判決まで2ヶ月間という長丁場でこの制度が導入されてから一番長い裁判であると報じられていた。その間、15回の公判と数回の評議に参加しなければならないご苦労な裁判であった。小生は地元で発生した事件であり、当初から関心を持っていたので、この裁判を中心にして行動を立て、8割がた傍聴した。
 論告では女性検事が証言台に立った。途中休憩を挟み、約1時間半にわたり論告を行った。検事の論告が亡くなられた5人の状況を述べるところでは、遺族の方々から嗚咽がもれ、傍聴席でもあちこちで嗚咽がもれていた。一方、被告は無表情でじっと前を向いている。この裁判は被告の犯行当時の責任能力があったかということと、死刑制度、特に今行われている絞首刑が憲法で禁止されている残虐な行為かが争点である。検察側は責任能力があったということと、死刑制度は違法ではないとの意見を展開した。そして最後に求刑で被告人を死刑にするのが妥当であると述べ論告は終わった。
 午後からは今度は弁護人が最終弁論を行った。弁護人は大阪では有名な刑事弁護人のG氏である。彼は被告人が当時心神耗弱の状態であり、また、絞首刑は憲法で禁止されている残虐な行為であり、絞首刑で被告人を葬るのは妥当でないと数多くのパネルを使い裁判官に諭すように弁論を行った。約2時間の最終弁論で減刑を嘆願した。
 最後に裁判官に促され被告人が証言台に立った。裁判官は今日であなたに対する裁判が終わった旨を告げ、最後に言っておきたいことがありますかと尋ねた。お詫びの言葉が出ると当然思っていたところ、被告からはその言葉は一切出なく、まだ何者かに取り付かれている様な言葉を約5分間にわたりトウトウと述べた。まだ、妄想に取り付かれているような言葉であった。これは真実なのか、演技なのだろうか。判決は10月31日に言い渡される。
 小生、いつもこの事件があったパチンコ店の前を通っているが、この裁判が始まる頃から閉まっている。この事件がいまだ尾を引いているのだろうか。

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大阪地検元特捜部主任検事の慟哭

2011-10-18 21:27:44 | Weblog
10月18日(火)
 大阪地検特捜部元特捜部長、同副部長による犯人隠避事件の公判が大阪地裁大法廷であった。
今日の公判はこの一連の事件を作った張本人である元主任検事(FD改竄、服役中)Mの証人尋問であった。
午前10時、裁判官の入廷の後、2分間の写真撮影があり、その後、施錠されたM受刑者が3人の刑務官に付き添われ入廷し解錠後、裁判長・検察官にお辞儀し、そして被告人である元上司2人に深々とお辞儀をしたが、顔は合わさず着席した。裁判官に促され証言台に立つ。宣誓のあと検事から質問が始まった。検事は最高検察庁の検事である。最高検の検事が尋問を行うのは珍しいとの事である。午前中2時間と午後1時間30分検事による尋問があり本日の公判は終了した。
絶対やってはいけない証拠改竄行為が何故行わねばならなかったかの核心は聴けなかったが、彼の答弁を総合すると、起訴絶対主義があったのだと思った。内偵捜査を進め、関係者を任意で呼び出し、ストーリーを構築し、ストーリーが出来上がった段階で強制捜査、そして被疑者を逮捕する。ところが調べていくうちにこのストーリーが崩れてくる。今更ストーリーを方向転換出来ない。任された主任検事は途方にくれたに違いない。起訴に持ち込まねば大阪地検特捜部の存在が問われ、主任検事自身の真価も地に堕ちてしまう。そして、やってはいけないことをやってしまった。
一昨年11月の弁護人による予定主張を手に入れ、それを読んだとき血の気が引いたとのことであった、その後昨年1月27日の公的証明書偽造事件の第1回公判で弁護側が偽造公的証明書に疑問を投げかけた。その前に被疑者であったMさんが、裁判資料を読んで何かおかしいと気づき弁護団に言ったらしい。
当時の公判検事たちは吃驚し、特捜内部は色めき立った。このとき東京へ応援に出ていた元主任検事は覚悟を決めたらしい。自殺も考えたとのことであった。
本日の法廷で彼は午前と午後一度づつ嗚咽した。
日本の最難関である司法試験に合格し、正義感に燃えて検事になり、実力ある検察官として将来を嘱望されていた者が何でこうなったのか。そこには検察内部の外には絶対出したくない何かがあるのではないだろうか。つまるところ検察という大組織に潰されたのかも知れない。
元主任検事の尋問はあと2回ある。
この事件は今年中に結審し、来春判決が出る予定である。

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2つの裁判傍聴

2011-10-15 17:34:02 | Weblog
10月16日(日)
 大阪地裁で審議されている2つの裁判の傍聴に連日通っております。
21年7月に起きた大阪市此花区のパチンコ店放火殺人、殺人未遂事件と大阪地検特捜部の犯人隠避事件です。
どちらも大阪地方裁判所では一番大きな201号法廷です。特に前者は裁判員制度裁判であり3人の裁判官に裁判員6名と補助裁判員3名が審理にあたっています。またどちらも重要裁判とのことで傍聴希望者も多く、毎回傍聴券の抽選が行われます。
パチンコ店放火事件は13回の公判があり17日には検察の論告と弁護人の最終弁論があり結審し今月末に判決が下されます。
この事件は5名の尊い命が奪われ、一生かかっても完治しない火傷を負った10名の被害者がいます。13日には命を奪われた遺族と負傷者の意見陳述がありました。証言台に立った全員が涙ながらに極刑を望みました。その陳述を聞いて涙を流さずにはいられませんでした。証言台の傍らに座っている被告人は無表情でありました。
 この裁判は、犯行当時の被告人の責任能力と絞首刑は残虐な刑罰を禁止した憲法に違反するので死刑は妥当でないとで争われています。弁護側としての主張はこれしかないのだと思います。特に後者は証人にオーストリア法医学学会の権威R博士や元最高検察庁検事で死刑執行に立ち会った現在弁護士をしているT氏を呼び2日間にわたって絞首刑の残虐性につき意見陳述された。
しかし、考えてみるとこの問題はこのようなところで行うべきだろうか。もっと他のところですべきだと感じた。実際、被害者遺族にもそのような意見陳述をされた方がおられた。
また、このような長期の裁判員裁判は初めてとの事らしい。長期審理と難しい量刑を言い渡す裁判員は大変である。

 次に、犯人隠避事件は9月中旬に始まり、7回目が14日修了した。18日には一連の事件の張本人である元大阪地検特捜部のM受刑者が証言台に立つ。厚生労働省公的証明書偽造事件で主任検事を務めていた。この事件は小生も昨年1月27日の初公判から傍聴してきた。傍聴していてこの主任検事の捜査の甘さが如実に現れていた。昨年1月27日の初公判で弁護側の反対弁論で
公的証明書の発行日付がおかしいことを指摘され、大阪地検特捜部は慌てに慌てた。厚労省事件は特捜内部で騒然となっているのに何もないかのように進んでいたのである。
 犯人隠避事件でK検事が4回にわたって証言台に立った。検察側の証人であり、検察側の尋問にはすらすらと答える。しかし、弁護側の激しい尋問には汗を拭きながらの答弁であった。この検事、M元主任検事のFD改竄を一昨年夏ごろから知っていたとのことであった。そのときに表に出ていたら公的証明書偽造事件もなかったかもしれないか、別の方向へ進んだかもしれない。その意味で検察の責任は重大である。
 元大阪地検特捜部長O被告、同副部長のS被告は既に懲戒解雇されている。今は無職で、退職金もないらしい。地下の食堂で昼食をとっている。山あり谷ありの人生の現実がここにある。O被告の弁護団は20人、S被告の弁護団は100名、計120名の大弁護団である。みな手弁当で参加しているとの事である。
今月末で結審し、判決は来年言い渡せられるとの事である。
 

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