北の旅人

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バカバカしい「中央教育審議会」の安全教育答申

2012-03-23 13:20:36 | Weblog
中央教育審議会(文部科学大臣の諮問機関)が、東日本大震災の教訓から、学校で安全教育を行う授業時間を確保するよう求める答申した。子どもが「どうすれば危険を回避できるか」を考え、行動する力を身につけられるようにするためだ。そして、将来は「教科化」も検討すべきだという。だが、教科の新設には、学習指導要領の改訂が必要で、しかも、指導要領の見直しは10年に一度で、今の指導要領は小学校で、本格実施されたばかりだそうだ。

まぁ、エライ人や頭のいい人たちが集まって考えたことだろうが、何てお粗末な議論をしていることか。結論を先に言ってしまえば、首都圏をはじめ全国で何か所も、数年以内に大地震の可能性があると、連日のように報道されているにもかかわらず、こんな悠長な話をしている場合ではないだろうに。東日本大震災の教訓から学んだというなら、生徒への安全教育の前に、先ず教員に対する安全教育の徹底を行うべきなのだ。教員には、子どもたちを守る責任があるのだから。

文部科学省も、こんな答申を受けるまでもなく、学校教育の「イロハのイ」である、子どもたちの命を守るために、すぐにでも教員への安全教育の徹底を図るべきだ。地震に関して言えば、「とにかく早く、どこへ逃げれば良いか」ということを決め、教員が如何に的確に誘導するかという、ごくごく当たり前のことをやるということに尽きるのだ。それを、何年もかかって、何を教えるか、どうやって指導するか慎重に検討するという。まったく、バカも休み休み言え、と言いたくなる。

あの宮城県石巻市立大川小学校では、児童の7割である74人もの子どもたちが死亡・行方不明という悲劇を招いてしまった。報道によると、40分間も、どこへ逃げるかで、ああだこうだとやっていた。呆れてものも言えない。児童の列の前で教諭らが円になって話し合っていたのを見ていた6年の児童が、教諭の一人に言った。「先生、山に逃げた方がいいと思います」というと、「私にもわからない」と教諭が言った。児童は「先生なのに、なんでわからない」と喰(く)ってかかったという。 緊急の事態に狼狽する教師を、児童がどやしつけたのである。何と情けないことか! こくなバカみたいな話を聞くにつけ、子どもを亡くした親たちの悲しみはどれほどのものか、察するに余りある。

思い出したことがある。
今から30年ほど前、息子が小学三年生の時、台風が来たら農家の人はどうすれば良いかという先生の問いに、「品種を改良する」と答えた。しかし、正解は「稲を見に行く」だったといい、見に行くことは危険だと思っていた息子が納得出来ずにいたので、妻が先生に問い合わせたところ、三年生レベルの答えとしては「見に行く」が正しいということだったので、呆れたものだった。こんな事に、学年によって答えが違うはずもないというのに。

文部科学省よ、大川小学校の悲劇を繰り返さないためにも、子どもたちの安全確保をどうするかなどは、最優先で考えておかなければならない事であり、何年もかかって検討するような時間はないのだから、「バカバカしい答申」など、待つまでもなく、明日にでも対策を講じるべきだ。

中央教育審議会の名簿は下記アドレス。http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/meibo/1311687.htm


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