恥ずかしい歴史教科書を作らせない会

改憲で「戦争する国」、教基法改定で「戦争する人」づくりが進められる今の政治が
将来「恥ずかしい歴史」にならぬように…

日本に「死の灰」を降らせるミサイル防衛

2006年10月14日 | 外交・国際
■ ミサイル防衛の前倒し

 北朝鮮が地下核実験を行ったと発表したことを受けて、安倍首相は10月12日の参議院予算委員会
で、「ミサイル防衛網整備を促進すべく努力したい」と語りました。
 また、久間防衛庁長官も「国民の不安を取り除く必要があるので前倒しを」と述べ、早急にミサイル防衛システムの導入を図る考えを示しました。
 特に政府は、日本海での「海上配備型」の整備を急ぐとしています。

■ 残骸が日本に降ってくる

 ミサイル防衛システムとは、発射されたミサイルを上空で撃ち落とすというものです。
 北朝鮮と日本の間には日本海がありますが、もし北朝鮮が発射したミサイルを日本海上空で撃ち落したとき、その残骸はどうなるでしょうか。
 当然、偏西風に流されながら、日本に降ってくることを考えなければなりません。
 そのミサイルに、もし核弾頭が搭載されていたとすれば、どうでしょうか。上空で大爆発した後、高濃度の放射能に汚染された残骸は、私たちの頭上に降り注ぐことになります。
 爆発でつくられた雲が降らせる「黒い雨」の影響も考えなければなりません。恐らく日本は数千万人という「被爆者」を新たに生み出すことになるでしょう。

■ 火中の栗

 それでも、撃ち落さなければもっと恐ろしい被害をもたらすことが明らかであり、数千万人という犠牲もやむを得ないというのであれば、少しは納得する人もいるのかもしれません。
 しかし、北朝鮮が7月に発射に失敗した長距離弾道ミサイル「テポドン2」が、米国を狙ったものであったということは米国の国防総省をはじめ、多くの人々が知るところです。
 衛星からの情報などによって計算された軌道は、ロシア沿海州沖を通り千島列島上空を通り、アラスカ沖の太平洋上をたどって米国東海岸へというものでした。
 それをわざわざ日本の近海で撃ち落とし、日本にその灰を降らせようというのですから、「正気の沙汰」とも思えません。正に「火中の栗」を拾って大やけどを負うようなものです。 

■ リスクを金で買う

 一方、米国にとってみれば、これほど嬉しいことはありません。
 自国の近海で撃ち落とせば米国本土に深刻な被害をもたらすところですが、そのリスクを日本が一身に受け止めてくれるのです。
 しかも、ミサイル防衛システムを売りつけることによって、少なく見積もっても十数兆円もの金が米国に流れるのです。
 正に米国にとっては「一石二鳥」ですが、日本にとっては全く正反対です。
 数千万人の「被爆者」を出すほどのリスクを肩代わりし、さらに、そのために十数兆円もの代金を税金を投じて支払うわけです。

■ 迷惑な、安倍内閣とミサイル防衛

 米国のために、税という国民の財産を拠出し、さらに国民の命まで差し出そうとする安倍首相。
 彼は「国家のために死ぬこと」を賛美してきましたが、その「国家」とは本当に日本なのでしょうか。
 それとも、かつて彼の祖父である岸信介氏や、その弟の佐藤栄作氏が秘密資金援助を受け取ってきた米国という「国家」なのでしょうか。
 国民の命を全くかえりみない安倍首相の姿勢を見れば、その答えは、おのずと明らかです。
 私たち国民にとっては、このような安倍内閣も「ミサイル防衛」も、「無用の長物」どころか、迷惑以外の何者でもありません。


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