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「パキスタン支援」に「異議」あり

2009年04月18日 | 外交・国際
■ 10億ドルの経済支援

 17日に都内で「パキスタン・フレンズ(友好国)閣僚会合」が開かれ、約40の国々や国際機関が集まりました。
 会合には麻生首相も出席し、今後2年間で、最大約1千億円(10億ドル)の支援を行うことを表明しました。
 パキスタンに対する各国からの経済支援は総額にして40億ドルですが、日本と米国がその4分の1ずつで、全体の約半分を拠出することになりました。
 私は、今回の経済支援には強い違和感をおぼえます。

■ 「核」拡散を招いたパキスタン

 日本とパキスタンは古くから友好関係にありましたが、1998年、日本は新規円借款や無償資金協力を停止しました。
 これは、パキスタンがインドに対抗して核実験を行ったことへの措置でしたが、それ以来、日本はパキスタンに対し、核拡散防止条約(NPT)への加入や、包括的核実験禁止条約(CTBT)への参加を強く求めてきました。
 しかしパキスタンは、聞く耳を持ちませんでした。
 それどころか、パキスタンの核開発に当たったカーン博士によって、北朝鮮などの国々に技術は流出し、核の拡散という重大な結果を招いてきました。

■ 北朝鮮とパキスタン

 そのカーン氏の技術を受けた北朝鮮が06年、核実験に踏み切ったことは記憶に新しいところだと思いますが、日本では衆参両院ともこれに抗議する決議を、全会一致で採択しました。
 その中にはこういう一節があります。「我が国が広島・長崎への原爆投下を経験した唯一の被爆国であることにかんがみ、あらゆる国の核実験に反対する」。
 北朝鮮は先日、「飛翔体」発射を非難した国連安保理の議長声明に反発して核開発の再開を宣言しましたが、もし、その北朝鮮に対して首相が「経済支援を行う」と言ったとします。その経済支援を、一体誰が支持するでしょうか。
 核開発の点で見るならば、北朝鮮もパキスタンも同じです。
 それなのに、なぜ今パキスタンに多額の経済支援を行おうというのでしょうか。

■ 米国の戦争の後始末
 
 北朝鮮とパキスタンとの最大の違いは、「米国の戦争に協力しているか否か」ということです。
 かつてブッシュ大統領は「911テロ」の報復、そしてアルカイダの捜索と称してアフガン戦争を始めましたが、それまでは米国も、98年のパキスタンの核実験に怒り、経済制裁を行っていました。
 ところが、アフガニスタンに攻め込むにあたって、国境を接するパキスタンの協力を得る必要があるということになり、あわてて関係改善を図り、今やパキスタンは米国の「同盟国」というわけです。
 実に米国らしい「ダブル・スタンダード(二重基準)」です。
 この米国の戦争に協力するパキスタンは、国境警備隊など約15万人を、アフガニスタンとの国境に配備しています。
 何のことはありません。「米国の戦争のためにパキスタンが疲弊している。だから金を出してくれ。」というのが、今回の「パキスタン・フレンズ会合」の本当の中身なのです。
 つまりこの経済支援は「米国の戦争の後始末」という性格を持っているのです。

■ 「口止め料」と「香典の前払い」

 また、この経済支援は、米国にとって「もう一つの意味」を持っています。
 米国は、アフガン戦争を始めたブッシュ政権からオバマ政権に代わりましたが、そのオバマ大統領は「アフガニスタンへの増派」を公言しています。 
 戦争の相手であるタリバン勢力は、パキスタンとの国境にある山岳地帯を「根城」にしており、米軍はパキスタン領内に踏み込んで攻撃を行う、いわゆる「越境攻撃」を、繰り返してきました。
 その攻撃によってパキスタン国民にも、多くの犠牲者が出ています。これには、何度もパキスタン政府は抗議をしてきました。
 これから戦闘は激化します。主戦場は国境付近です。パキスタン領内での犠牲者が増え続けることは必然でしょう。
 今回の経済支援は、「そのときに文句を言うな」という「口止め料」、もっと言うならば「香典の前払い」という性格を持っているというわけです。

■ 「金で歓心を買う」麻生外交
 
 麻生首相は、「大金持ちのお坊ちゃま」という出自の通り、大変「気前の良い」人物です。
 ただ、内政はもちろん、外交の場に行けば尚更「金で歓心を買う」ということしか考えていないようです。
 確かに「外交でモノを言うのは金だ」というのは事実だろうと思いますが、それでも単に米国の戦争の後始末」や「香典の前払い」のために、国民から集めた税金を使い、「借金が増えたから後で増税します」というのでは、この1千億円は「ムダ金」です。
 例えば、2年間で1千億円というお金があれば、同じ2年間で年収500万円の雇用を1万人分、確保することができます。
 私は基本的に、このパキスタンへの経済支援に反対です。

■ 真の「外交」

 それでも、どうしても出さなければならないと言うのなら、日米両国はこの経済支援に、さらに「もう一つの意味」を持たせることが必要だと思います。
 前述の通り、日本は「唯一の被爆国」です。また、これまで15年連続で、国連総会に「核兵器廃絶決議」を提出してきた、言わば国際的な核廃絶の「リーダー」といえる役割を果たしてきた国です。
 また米国は、今月に入ってからも、「核のない世界」の実現に向けて新政策を提唱したオバマ大統領が、ロシアとの核兵器削減交渉を開始するなど、具体的に行動を起こすまでになっています。
 その日米が、新興の「核保有国」に対して経済支援を行うならば、せめてNPTやCTBTへの参加を「支援の条件」として突きつけるのが、真の「外交」というものでしょう。

■ 日米の「浅はかさ」

 アフガン戦争のことになると「豹変する」オバマ大統領。
 「金で歓心を買う」ことしか考えられない麻生首相。
 彼らが「外交」上の「切った張った」が理解できているのか、見当がつかないほどのレベルです。
 しかし、世界1位・2位の経済大国のトップです。
 彼らにその経済の力をどう生かせば良いのか、しっかり考えてもらうことは、国際社会における「核廃絶」を考え、また「世界の平和と安定」を目ざす上で、極めて重要です。
 今はまだ、日米トップの「浅はかさ」を、残念に思うばかりです。

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