ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

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ゴルゴ13第133巻-2戦域ミサイル防衛 TMD幻影

2009-03-15 00:58:46 | 第131巻~第135巻

■戦域ミサイル防衛 TMD幻影(第440話) 発表1999年8月

評価   ★★★★

依頼人 台湾一のコンツェルン”新竹カンパニー”孫大儀会長

ターゲット 財界若手グループに潜む中国スパイのあぶり出しと抹殺

報酬   不明

今回弾丸発射数       2/ 通算弾丸発射数 2,380

今回殺害人数      2/ 通算殺害人数   4,665

今回まぐわい回数     1/  通算まぐわい回数   109

<ストーリー>
右手がしびれる持病が再発!一度は依頼を断るゴルゴだが・・・

<この一言>
病気が・・・再発した・・・

<もう一言>
”仕事は、引き受けられない”・・・今言えるのは、それだけだ・・・

<さらに一言>
俺は、ただ・・・依頼者が絶対的に求める、技量と価値観を身につけるよう心がけているだけだ・・・・

<解説>
右手がしびれるゴルゴの持病が再発!突発的に再発する『ギランバレー症候群』とおぼしき症状が発生したゴルゴは、台湾に向かう。ゴルゴは『漢方雲南堂』にて、”十五種類の薬草をブレンド”した漢方薬の処方を受ける。ゴルゴと店の主人の会話に「いつもの通り」というやりとりがあることから、この『漢方雲南堂』はゴルゴのいきつけの店であることが判明。

その台湾の経済界では、独立を堅持しようとする長老保守派と、台湾・香港・中国の経済開放を目論む若手急進派とが対立していた。台湾一の総合コンツェルン”新竹カンパニー”の孫大儀会長は、政界にもにらみをきかす経済界の重鎮。アメリカが開発する戦域ミサイル防衛システムTMDを導入し、中国を牽制しようとする孫大義であるが、あからさまな導入はいたずらに中国を刺激するだけと考え、政界を巻き込んだ工作を画策する。一方、孫大義の息子『孫明』は、新竹カンパニー内にコンピューター会社を立ち上げ、台湾の技術・香港の経済・中国の労働力の統合を目指す台中合同プロジェクトを、香港の経済界ニューリーダー『白文興』らとともに立ち上げる。

白文興は中国共産党の回し者で、言葉巧みに孫明に近づき、孫明の父・孫大義は、孫明の母と妹『明明』を中国本土に置き去りにして台湾に逃れたと吹き込む。孫明は父親である孫大義に反感を抱き、台湾の対中国政策に対しても強固に反発する。長老保守派グループがTMD導入を目論んでいることをつかんだ孫明は、TMDに台湾の資金が投入されれば、台中合同の経済プロジェクトが頓挫すると考え、長老達との全面対決に出る。

若手グループに中国のスパイが入り込んでいることを掴んだ孫大義は、ゴルゴと接触。ゴルゴにスパイのあぶり出しと抹殺を依頼するが、ゴルゴは右手が使えないため依頼を断る。しかし、土下座をして頼み込む孫大義の意志をくみ、ゴルゴは依頼を引き受ける。長老対若手の会議が幕を開けた直後、白文興の元にゴルゴが白文興を狙っているとの情報がもたらされる。会議を中座した白文興を、孫大義の側近『朴周銘』が追う。この朴周銘こそが、中国のスパイであった。二人の接触現場をおさえたゴルゴは、左手で拳銃を撃ち朴周銘を狙撃。しびれがなくなった右手に拳銃を持ち替え、白文興を殺害する。

突然右手がしびれる持病について、具体的に記されているのは第6巻-1『喪服の似合うとき』第13巻-3『キャサワリー』のみ。『キャサワリー』は72年4月発表の作品だから、27年ぶりの再発となる。もっとも、『漢方雲南堂』の主人が、ゴルゴの持病を熟知していて何度も漢方薬を処方している旨の発言があること、孫大義も『ゴルゴ13は、何年かに一度、目的不明だが台湾を訪れて、その間は、どんな人物からの接触も許していない』と発言していることから、我々が把握している以上の頻度でこの症状が発生していると推測される。
第131巻-1『西洋の狭間に』に登場した”台湾政界黒幕 王基明”が再登場しており、前回依頼の謝礼を報酬とは別に振り込んだと伝えたところ、『余計な事だ・・・増額分は返しておいた・・・』と一刀両断されてているのが可笑しい。
また、娼婦『明明』が抱かれた後ゴルゴに惚れてしまったところ、『娼婦は客を”男”と思わないことだ』と軽くいなしているのもいい。
さて、本作のテーマTMDだが日本にも配備されている。作中ではミサイルをゴルフに例え『どこかに隠れた相手がボールを打ち出した瞬間に気づき、自分もあわててティーショットを打ち、互いのボールを空中で衝突させる』ようなものと説明されている。折しも、北朝鮮がミサイル発射(北朝鮮は人工衛星打ち上げと説明)を予定しており、日本国内に落下してくる場合は、MDで打ち落とすという。ゴルフボールのたとえを読んで、MDの精度が不安な私としては、ミサイル発射直後あるいは発射直前にゴルゴにミサイル爆破をしてもらいたい。某国(亡国?)のゴルゴ好きな総理、当然ゴルゴへの依頼は済んでますよね?外務省機密費をゴルゴへの報酬に使うのであれば、金額の如何に関わらず賛成する。

ズキューン

ゴルゴ13 (133) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
賛美歌13番さんこんにちわ。 (ペロ)
2009-03-15 16:41:41
賛美歌13番さんこんにちわ。
持病に聞く漢方薬とは、いったい何が入っているのでしょうか?おなじみですが「まずお前が飲んでみろ」とは言わないのでしょうね。
>外務省機密費をゴルゴヘの報酬に~賛成する
私も賛成です!(笑)。ただ、現状では、某総理の方が狙われる確率が高い様に思います(大笑)
本日の一句「土下座まで、されてはゴルゴも、断れぬ」
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ペロさん、こんにちは。 (賛美歌13番)
2009-03-16 12:16:41
ペロさん、こんにちは。

おなじみですが「まずお前が飲んでみろ」とは言わないのでしょうね。
『漢方雲南堂』の親父も心得たモノで、自分から漢方をゴルゴの面前で飲んでますね(笑)
>現状では、某総理の方が狙われる確率が高い様に思います
爆笑!
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