ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第133巻-3 総統の揺りかご

2009-03-21 23:59:29 | 第131巻~第135巻

■総統の揺りかご(第441話) 発表1999年6月

評価   ★★

依頼人 サイジル製薬エヴァンジェリン・ヒンクル副所長

ターゲット 研究所内コールドルーム内液化窒素タンクのバルブ

報酬   不明

今回弾丸発射数       2/ 通算弾丸発射数 2,382

今回殺害人数     15/ 通算殺害人数   4,680

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   109

<ストーリー>
ヒトラーのDNAから、ヒトラーのクローンが誕生する?ナチスを信奉するマッドサイエンティストの野望をゴルゴは・・・

<この一言>
俺の質問にお前は、まだ答えていない。

<もう一言>
冷静になれ・・・静かに話すのだ・・・

<さらに一言>
俺の”仕事依頼”に必要なのは・・・”真実”だ・・・

<解説>
ベンチャー製薬会社『サイジル製薬』は独自のインポテンツ治療薬を開発し、シェアを伸ばしていた。サイジル製薬研究所の副所長『エヴァンジェリン・ヒンクル』は、ゴルゴに接触、自社の研究所の狙撃を依頼する。

ゴルゴに狙撃理由を問われたヒンクルは、弱いアメリカへの絶望と強さへのあこがれが、極右思想へと昇華しナチス信奉が研究所ではびこっていることを訴える。ナチスに傾倒しているサイジル製薬社長『ダニエル・ドッジ』は、ヒトラー愛用のブラシを入手、ブラシに付着した毛根細胞からヒトラーのDNAを抽出に成功した。ヒンクルの卵子とドッジの精子を人工授精させた受精卵にヒトラーのDNAを組み込み、ヒンクルを母胎としてヒトラーのクローン誕生を目指しているというのだ。

しかし、ヒンクルは母性に目覚めドッジとの結婚を望んだが、ドッジはこれを拒否。ヒンクルをクローン誕生の母胎としか考えないドッジに失望したヒンクルは、受精卵とともに研究所を爆破することをゴルゴに依頼したのであった。ゴルゴは研究所の外部から、液化窒素のタンクを狙う。液化窒素が漏れて液化酸素に置換された後、二発目の弾丸を撃ち込み、研究所もろともヒトラーのDNAを爆破する。

クローン人間をテーマにした作品。ナチスとは因縁深いゴルゴであるが、ヒトラーのクローン製造を拒むとは・・・。出来れば、クローン・ヒトラーとゴルゴの直接対決を見たかった、と言ったら不謹慎か・・・。
ゴルゴが回転する換気扇の羽根と羽根の間隙を狙撃する際、必要となる弾丸の速さを速算しているが、検証してみる。
『直径30センチの換気扇の羽根が、1秒に2回転・・・』
→1秒間に720度 ・・・①
『羽根の隙間は10度、外周部を狙った場合にブレット(弾頭)がしめる幅は2度』
→羽根に当てることなく、隙間の両端に2度ずつの余裕を持たせると、
  通過可能な隙間は6度 ・・・②
①②より、弾丸が通過する6度の隙間が動く時間をx秒とすると、
1秒:720度=x秒:6度
x秒=6/720=120分の1秒

『120分の1秒の間に、厚さ5センチの羽根を長径1.2センチのブレットが通過し終えればいい』
→必要なブレットの速さをy(センチ/秒)とすると
  y=(5+1.2)/(1/120)=744(センチ/秒)

『秒速7.5メートル以上の速度があれば狙撃が可能という事か・・・』
→744(センチ/秒)≒7.5(メートル/秒)
(Q.E.D)

ズキューン

ゴルゴ13 (133) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
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