ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第132巻-3少女サラ

2009-03-05 17:33:58 | 第131巻~第135巻

■少女サラ(第438話) 発表1999年7月

評価   ★★★★

依頼人 FLB(ブルターニュ解放戦線)エディス

ターゲット カルナック

報酬   不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,373

今回殺害人数      2/ 通算殺害人数   4,658

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   108

<ストーリー>
ボーイフレンドが地下鉄で掏った財布には細菌テロのキーとなる情報が記されていた。財布を預かった家出少女『サラ』は追われる身となるが・・・

<この一言>
彼女のことは心配しなくっていい・・・彼女もわかっている。これを乗り切らないと自分を救えないと・・・な。

<もう一言>
彼女を始末する気なら・・・まず、俺を始末するしかないぞ

<さらに一言>
俺には興味のない事だ・・・むだな演説だ、な・・・

<解説>
地下鉄で掏りをはたらく『パトリック』。パトリックは掏り盗った財布をガールフレンドである家出少女『サラ』に渡し、現行犯逮捕を免れていた。いつものように”仕事”をこなし、財布をサラに渡したパトリックであるが、偶然にもパトリックは細菌テロにまつわるメモを盗んでしまった。メモを取り返すべく『ナイフのアラン』は、サラを追い回す。アランがサラに迫ったその刹那、ゴルゴが現れサラを窮地から救う。今度はパトリックを脅してサラの居場所に迫るアランであるが、またもやゴルゴがサラに助けの手を差しのべる。サラを取り逃がしたアランが『カルナック』に電話を入れているところに、ゴルゴが現れサラの居場所をカルナックに伝える。

カルナックはFLB(ブルターニュ解放戦線)のメンバーであったが、もともと政治信条に興味はなく、大量虐殺テロを夢想する狂人であった。FLBの活動資金を盗んだカルナックは、FLBからも狙われる身となるが、FLBの追っ手を返り討ちにする。カルナックはコレラ菌を大量培養させパリにばらまくことを計画しており、サラが持っているメモにはコレラ毒を作る大腸菌遺伝子の塩基配列が記されていたのである。FLBはカルナックがなんらかの大規模テロを企てていることを察知し、ゴルゴにカルナックの殺害を依頼していたのであった。

サラとともにホテルの一室でカルナックを待ち受けるゴルゴ。カルナックが接近したのを知るや、サラをバスルームに隔離、ゴルゴはカルナックとの一騎打ちに出る。自らの身を盾にサラを守るゴルゴに、サラは心を打たれる。カルナックを倒し、ホテルを後にするゴルゴ。そして、改心して家に帰るサラ・・・。

ゴルゴが家出少女の更生に一肌脱ぐという感動ストーリー。”一肌脱ぐ”と言ってもそこはゴルゴ、ホテルで二人きりになるが、少女相手にまぐわったりはしない。教育者ばりに『これを乗り切らないと自分を救えない』と語り、サラの更正に手を貸すとはゴルゴにどのような心境の変化があったのだろう。そんな穿った見方をせず、静かな余韻に浸りたいハートウォーミングな作品。

ズキューン

ゴルゴ13 (132) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
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