ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第113巻-3砂上の帝国

2008-03-08 23:54:56 | 第111巻~第115巻

■砂上の帝国(第380話) 発表1995年6月

評価   ★★★

依頼人  ランベルト銀行ランベルト頭取

ターゲット 元KGB大佐グラチェフ/”フロンティア・ファンド”運用責任者スミルノフ

報酬    不明

今回弾丸発射数       2/ 通算弾丸発射数 2,076

今回殺害人数         2/ 通算殺害人数   4,231

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   102

<ストーリー>
ソ連崩壊後、急速に資本主義化が進むロシア。元KGB大佐が経済マフィアへ転身、さらにはヘッジファンドを設立しスイス銀行に侵蝕するが・・・

<この一言>
空手を少し・・・

<解説>
ソ連崩壊後、急速に資本主義化が進むロシア。元KGB大佐の「グラチョフ」は、マフィアの首領として君臨、国家に帰属しない多国籍経済マフィアへと成長すべく、元科学アカデミーの「スミルノフ」を運用責任者としてヘッジファンド”フロンティア・ファンド”を設立する。

グラチェフはファンドの運用資金調達のため、ランベルト銀行副頭取を強請り顧客の紹介を受け、自らの”黒いカネ”をロンダリングする。巨額の資金を世界最高峰の頭脳で運用するスミルノフは、瞬く間に世界マネーマーケットを席巻、グラチェフの野望達成は時間の問題と思われた。

しかし、歯車が狂い始める。良心の呵責に悩まされたランベルト副頭取は、グラチェフに楯突き、グラチェフ一派に殺されてしまう。副頭取の父親であるランベルト頭取は、ゴルゴに息子の仇としてグラチェフの殺害を依頼、更にはカネを弄ぶスミルノフの殺害を依頼する。一方、スミルノフは拝金主義を突き詰めた結果、終末思想に取り憑かれ、グラチェフの思いとは裏腹に自らのファンドと世界マーケットの崩壊を目論む。ゴルゴの銃弾により、グラチェフの野望は潰え、スミルノフも命を落とす。しかし、マーケットの下落傾向はとどまることを知らず、世界同時不況へと突き進んでいく・・・

ソ連崩壊によるロシアの先鋭的な資本主義化を描く作品。本作は1995年6月の発表であるが、2つの未来図を予見している。
ひとつは、今日のロシアの情勢である。ソビエト崩壊→社会主義から資本主義への転換→旧KGB・官僚の跋扈→経済マフィアの台頭→急進的な拝金主義、この一連の流れは今日のプーチンの権力掌握と見事にオーバーラップしている。恐ろしいまでの先見性である。
もう一つの予見は、旧大和(だいわ)銀行ニューヨーク支店巨額損失事件である。偶然だろうが、本作に登場する”やまと銀行”ニューヨーク支店と大和銀行が重なって見える。95年6月に本作が発表された翌7月に大和銀行の巨額損失が発覚する。デリバティブでの損失を取り戻すべく巨額の損失を発生させたのが大和銀行事件であるが、作中のやまと銀行との不思議な一致が興味深い。

ズキューン

ゴルゴ13 (113)巻掲載
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

<iframe marginwidth="0" marginheight="0" src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=golgoblogocnn-22&amp;o=9&amp;p=8&amp;l=as1&amp;asins=4845801132&amp;fc1=DB1111&amp;IS2=1&amp;lt1=_blank&amp;m=amazon&amp;lc1=0000FF&amp;bc1=000000&amp;bg1=000000&amp;f=ifr&amp;npa=1" frameborder="0" scrolling="no" style="WIDTH: 120px; HEIGHT: 240px"> </iframe> <script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>

ゴルゴ13第113巻-2 アムールの制裁

2008-03-02 22:37:39 | 第111巻~第115巻

■アムールの制裁(第379話) 発表1995年5月

評価   ★★

依頼人  ロシア政府

ターゲット 元ソ連国防軍特殊部隊員ユーリ・マルコフ/ウラニウム235の回収

報酬    不明

今回弾丸発射数       1/ 通算弾丸発射数 2,074

今回殺害人数         1/ 通算殺害人数   4,229

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   102

<ストーリー>
世界最大の猫科動物”アムール虎”をハンティングしようとする文豪「ホワイト・ガードナー」。ガイド役の元ソ連軍兵士が不穏な動きを見せ・・・

<この一言>
明日の昼までに追いつけるか・・・ぎりぎりだな・・・

<解説>
アメリカの文豪にして著名なハンター「ホワイト・ガードナー」は、テレビ局の企画でロシアのタイガに生息する世界最大の猫科動物”アムール虎”ハンティングに向かう。ガイド役は元ソ連軍兵士「ユーリ・マルコフ」。マルコフはテレビクルーの3倍の荷物を背負いながら、中国との国境に近いアムール虎の生息地へと一行を案内する。

中国との国境近くに到着するや、マルコフはガイド役の仮面を剥ぎ、ガードナーらを殺害しようとする。マルコフは旧ソ連のウラニウム235を「核兵器を欲しがっている東洋のごく小さな国」に密輸しようと、ガイド役を買ってでたのである。マルコフがガードナーを仕留めようとした刹那、一発の銃弾がマルコフを捕らえる。

マルコフの動きを察したロシア政府は、ゴルゴにマルコフ殺害とウラニウム235の回収を依頼していたのである。

カネにものを言わせ、いっぱしのハンターを気取っている”文豪”ガードナーの空回りが可笑しい。絶滅したはずのアムール虎の咆哮を聞いて怯える姿がラストシーンに描かれており、ゴルゴシリーズにおいて数少ない笑いを誘うエンディングとなっている。それ以外は全くと言っていいほど見所がない。「東洋のごく小国」が核兵器を欲しがっている、というのが北朝鮮の核武装を予見していたのだとすれば慧眼であるが・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (113)巻掲載
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

<iframe marginwidth="0" marginheight="0" src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=golgoblogocnn-22&amp;o=9&amp;p=8&amp;l=as1&amp;asins=4845801132&amp;fc1=DB1111&amp;IS2=1&amp;lt1=_blank&amp;m=amazon&amp;lc1=0000FF&amp;bc1=000000&amp;bg1=000000&amp;f=ifr&amp;npa=1" frameborder="0" scrolling="no" style="WIDTH: 120px; HEIGHT: 240px"> </iframe> <script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>