■AZ4 CP72(第220話) 発表1984年5月
評価 ★★★
依頼人 イギリス化学戦防衛研究所所長 クリフォード・コベントリー卿
ターゲット オグルビー医師
報酬 不明
今回弾丸発射数 3/ 通算弾丸発射数 1,308
今回殺害人数 8/ 通算殺害人数 1,386
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 79
<ストーリー>
炭疽菌と出血熱を混合した細菌兵器が流出。感染者から依頼を受けたゴルゴにも感染の疑いが・・・
<この一言>
!!
<解説>
カナダを訪問中のイギリス人「オグルビー医師」がホテルで倒れた。症状は出血性熱病。同時に炭疽菌感染者も病院に運び込まれる。カナダ陸軍情報局「バトラー少佐」は細菌学の権威「ギルバート医師」を連れ、ロンドンへ飛ぶ。オグルビー医師はイギリス化学戦防衛研究所所長「クリフォード・コベントリー卿」と接触していたが、コベントリー卿は生物化学兵器の権威であり、コベントリー卿も細菌兵器に感染しているという。バトラー少佐とギルバート医師はコベントリー卿に面会、オグルビーがソ連に細菌兵器を売り渡そうとしていること、コベントリー卿はこれを阻止せんとゴルゴ13に接触、オグルビー殺害を依頼したことを聞きだす。
オグルビーとコベントリーが感染したのはイギリス国防省コード名「AZ4」と「CP72」の混合細菌。AZ4は出血熱を引き起こし、CP72は炭疽病を発症させ、感染者は5日後に死亡するという細菌兵器。カナダ陸軍とCIAは感染の疑いのあるゴルゴを捜索、細菌拡散を防ぐために収容・隔離しようとする。ゴルゴが隔離されるのを拒んだ場合、ゴルゴを焼却処理する腹づもりであった。
ゴルゴとカナダ陸軍のバトルが凄まじい。火炎放射の中を車で突破、地下水道を駆け抜け、アメリカ・カナダの国境まで逃れるゴルゴ。国境線まであと僅かというところで、カナダ陸軍に包囲されるゴルゴのセリフ(?)が「!!」。ゴルゴもここまでかと思った刹那、ギルバート医師が致死時間を過ぎていることに気付き、ゴルゴが感染していないことが判明する。ゴルゴは細菌兵器の権威との面会に備えワクチン・抗生物質を用意していたのだ。ゴルゴの用心深さ、恐るべし・・・。
よく考えてみると、本作のゴルゴは依頼を遂行していない。ターゲットのオグルビー医師を狙撃する前に、オグルビーが感染死している。依頼人であるコベントリー卿が生きていれば報酬を返上するところであるが、コベントリー卿も死亡している。ゴルゴにとっては、くたびれ損のミッションだったに違いない。
ズキューン
ゴルゴ13 (63) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
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細菌の拡散を防ぐため、カナダ陸軍はゴルゴに攻撃を加えています。ペロさんのおっしゃるようにカナダ側に”思惑”がなかったとはいえ、ゴルゴが攻撃を受けながら最終的に報復しない、という珍しい例ですね。
>報復しなかったのは、ゴルゴが「今回のカナダ陸軍の攻撃は、自分自身ではなく、(実際には感染していない)自分の中の“細菌”だと判断した」と考えると、筋が通りませんか?
→なるほど、なるほど。鋭い読みですね。ゴルゴは読めば読むほど味が出ますねぇ・・・
最後の一節で思い出しましたが、そういえば報酬をどうするのかという問題が残っていましたね。
依頼を遂行しなかったのですからゴルゴがそのまま自分の物にしてしまうとは思えないので、依頼人の遺族に郵送するというところでしょうか。
とことん、余計な手間ばかりの仕事でしたね。
>報酬問題
>余計な手間ばかりの仕事
やっかいな問題ですね(笑)
ダメ・リーマン的に言うと、手間だけかかって儲からない仕事って嫌気が差しますけど、プロフェッショナルなゴルゴはどのように感じるのでしょうか?