イワヒバ(岩檜葉)はイワヒバ科に属するシダ植物の1つである。
和名の由来はその枝葉が桧に似ており、岩の上に生じることからで、
別名をイワマツ(岩松)とも言う。
中学生の頃、夏休みの宿題で岩松を採集したことが有った。
イワヒバ科に属する他の植物と同様に、
細くて分枝した茎に鱗片状の小さな葉を密生させる。
イワヒバ以外は、茎の先端が伸び、細長く地上をはい回り、
コケ状になるが、イワヒバの茎は伸び続けず、
数回の分枝をするとそれで止まってしまい、新たな茎がその基部から出る。
新たな茎の出る中心部からは茎が放射状に出る。
またその部分からは細かいのが出て、次第にその先端が持ち上がる。
つまり根の塊が茎のように見え、その先からは葉状の茎が放射状、
水平に出るので全体の姿はソテツかヤシの木のようにも見える。
この葉状の茎は乾燥すると丸く縮まって集まる。
岩松は長期の乾燥や厳寒に強く、数か月は水が無くても
枯死しないことから「不老不死草」と呼ばれている。
この展示会の岩松は200年が最古参と聞いた時
一瞬わが耳を疑ったが、調べてみると
鷺宮家龍泉寺(東吉野村)には樹齢1500年の岩松があるという。
ここに展示された岩松は200年以下で、どれも若く先は非常に長い。
また会う機会があるだろう。