極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

理想のエレキケトル

2016年10月10日 | WE商品開発

 

 

 

                多くの人間はソーセージに似ている。何をつめこもうと、
                それをちゃんと入れているであろう。  

                                       アレクセイ・K・トルストイ

                          Many men are like unto sausages:  
                          whatever you stuff them with,that they
                          will bear in them.

      ※ ヘンなものをつめられても困る、(事前に)蓄えられているのだから。
        like unto ・・・ (古い体)「・・・に似た」stuff A with BABをつめこむ」

                                                 
                                                Sep. 5, 1817 - Oct. 10, 1875

 

 

 

スタイリッシュなバルミューダ製のエレキケトル「BALMUDA The Pot」が発表された。ティファール
のエレキケルトと吹くこぼれがあり、お湯の注ぎ口から漏れというが問題だと嘗てブログ掲載したが
これで理想がかなうことになり、この商品に限って、英仏国の戦いは英国側の勝利(って、勝手に書
いているが)。「BALMUDA The Toaster」や「GreenFan」シリーズなど、シンプルで美しいデザイン
の家電を世に送り出しているBALMUDA。今回はトースターに続くキッチン家電の第2弾、エレキケ
トルの「BALMUDA The Pot」を発表。小さな本体と、長い注ぎ口が可愛いケトル。

このケルト特徴は、その小さな本体。一般的なエレキケトルの容量は1.1リットル程度、少ないもの
で0.8リットルだが、このケトルの容量は0
.6リットル。一般的なケトルの半分。つまり、今までに
ケトルいっぱいに水を注いで沸かしたことは何回だろうか?また、お湯を沸
かしすぎて、無駄にして
しまうことが多かった経験を何度もしている。
今までの一般的な容量を見直し、ちょうどいい量のお湯
が沸かせるようにデ
ザイン。0.6リットルは、コーヒー3杯、カップヌードルを2食作ることがサイズ
で日常生
活にヒットする。


少し話はずれるけれど、トースターも扇風機もあるいはダイソンの掃除機も、「ガラカボス」と揶揄
されるけれど、日本の文化伝統精神は「縮む」つまり「比較マイナス思考」が特徴。従って、商品は
自然と洗練される。「(余計な)おまけ機能」を付加価値と錯覚するのは「精神の弛緩(バブル思考」
で家電販売戦略のミスリードにつながったが、これも通過儀礼と考えれば、「ガラカボス国・日本」
は世界のアンテナ・ショップと考えればわかりやすい。要するに「リバランス」が肝となる。これか
らも「オンリー・ワン」(一品)を追い求めていくことにしよう。



● 傷つけられても元に戻る透明で曇らない膜の形成

-水溶性ポリマーと粘土粒子からなるハイブリッド膜で表面処理-



Feb. 1, 2013 大和製罐株式会社との共同開発事例:粘土の吸湿による防曇

これから寒くなる季節がやってくるが、めがねとマスクを一緒にすると、環境により曇ってしまい作

業できなくなることがしばしば。このように、めがね、ゴーグル、車両・建物用ガラス等の表面に付
着した微小な水滴が引き起こす"光の散乱"や"曇り"による光透過性の低下を防ぐさまざまな親水性素
材を用いて材料表面への曇処理が行われているが、これまでの防曇処理技術では、処理された表面
の耐久性が低い、(1)一度物理的損傷を受けると、恒久的に防曇機能を失ってしまうという課題や、
(2)皮膜
の密着性が十分でないなどの問題がある。

今月7日、産総研の研究グループは、透明で耐久性に優れた防曇膜を開発したことを公表。これで簡
便な処理により、ガラス等の透明基材の防曇膜として利用可能となり、
めがね、ゴーグル、車両・建物
用ガラス、太陽光発電パネルや、その他の産業機器への活用できそうだという。今回、防曇機能の向上を目
的とし、水溶性ポリマーであるポリビニルピロリドンPVP)と、アミノプロピル基を表面に付けた
タルクに似たフィロケイ酸塩を基本組成とするナノメートルサイズの粘土粒子(AMP-ナノクレイ)か
らなるゲルを皮膜とし、コーティングする技術を開発。この皮膜は、高い光学特性や防曇性に加え、
自己修復性、密着性、水中での安定性、水中はつ油性(油が付着しない性質)にも優れ、様々な基材
表面にも容易にコーティングすることができる。

 Oct. 7, 2016

今回開発した防曇処理を施したスライドガラス(左上)、通常のスライドガラス(左中)、防曇膜の
構造(右上)と自己修復する様子の電子顕微鏡像(下)

※防曇処理の例には、(1)紫外線照射によって表面が超親水化する二酸化チタンを塗布する方法や、
 (2)親水性素材(二酸化ケイ素や酸化亜鉛)を微細構造化、層状構造化するといった手法がある
 が、これらは、塗布プロセスが複雑で、大面積処理には適さない。さらに、表面形状が複雑な場合
 は汚れやすく、表面に形成した膜の耐久性が低く、一度、物理的に損傷を受けると、恒久的に防曇
 機能を失ってしまう。そこで、表面の親水性を保ったまま、耐久性を向上させた防曇処理技術が求
 められている。↓
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● 新非有機フッ素化合物・シリカ系防曇剤の開発

 Dec. 11, 2016

・固体表面から液体をにじませて、粘性液体の付着抑制や氷の付着力を大幅に低減
・有機フッ素化合物を使わず、一般的な元素を使用するため低コスト低環境負荷
・材料やエネルギー損失の削減、太陽光発電の稼働率向上、交通機関の安全運行への貢献に期待
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→今回開発したPVP/AMP -ナノクレイハイブリッド膜の自己修復性を確認するため、膜をシリコン基
板上に成膜し、表面に外科用メスで傷をつけて基板のシリコン表面を露出させた。その後、試料を相
対湿度約80%、室温の環境下に置き、表面の様子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。図2に、
PVP/AMP-ナノクレイハイブリッド膜の表面形状の観察結果を示す。SEM像の白い部分は、露出した
基板のシリコン表面である。傷つけた直後はシリコン基板が露出している(図2(a))。しかし、2
4、48時間が経過すると、損傷が修復され始め、基板の露出箇所の大部分が埋まっていることが分
かる(図2(b))。さらに、48時間後には、傷幅が20~30 μmの広い領域で傷が完全に消失し、
この膜が自己修復性をもつことが分かった(図2(c))。

今回開発したPVP/AMP  -ナノクレイハイブリッド膜の想定される自己修復メカニズムを図3に示す。
膜が傷ついたときに、空気中の水分を吸収して、膜が膨潤、移動、接触して、傷を埋める。さらに、
PVP AMP -ナノクレイの間の水素結合が再形成されて膜が再生すると考えられる。現状では、20
~30μm 程度の傷は回復することを確認している(下図参照)。また、開発したPVP/AMP-ナノクレ
イハイブリッド膜の水中でのはつ油性を確認するため、水中で油滴を形成させ、PVP/ AMP-ナノクレ
イハイブリッド膜の表面に油滴を押し付けて引き離したところ、油は全く付着しなかった(図4)。
このことから、PVP/AMP -ナノクレイハイブリッド膜は、水中でのはつ油性機能にも優れていること
が明らかとなった。これは、皮膜の表面に安定な水の膜が形成され、油や汚れの付着を抑制したため
と考えられる。



自己修復(Self-repairing)とは、
生物工学の話かと驚く。3年かけて実用化といわずにすぐにでも欲
しい曇処理剤だ。


※ 関連特許:
特開2013-213181  有機-無機透明ハイブリッド皮膜とその製造方法 独立行政法人産業
  技術総合研究所 20131017

 

 

【我が家の焚書顛末記 Ⅶ:中国思想 管子】  

   大  匡    ――管仲の前半生――

 「忠臣は二君に仕えず」というのは、観念論もてあそぶ初学者の"たわごと"である。真の政治家
 は国のために生会を投げだすが、一君主のために死ぬことはしない。この篇は管子が
かつて敵対
 した鮑公のもとで宰相となるまでのいきさつである。

  ことば

 「子を知るは父にしくなく、臣を知るは君にしくなし」

 「社稷宗廟を持する考は、事を譲らず、閒を広しくせず」
 「人にたる者は、君に力を尽くさずば、親信せられず、親信せられずば、言聴かれず」
 「召忽の死や、その生くるに賢る(まさ)なり。管仲の生や、その死するに賢るなり」

   良臣は仕事を選ばぬ

  斉の憘公には、諸児、糾、小白という三人の公子がいた。憘公は末子・小白の教育係として、
 臣下
の鮑叔をえらんだ。だが鮑叔は、病気を口実に辞退し、家に引きこもってしまった。
  同僚の管仲と召忽は鮑叔を訪れ、そのわけをたずねた。鮑叔は、「昔から、子供のことなら親
 に聞け、臣下のことなら君主に聞け、というではないか。わたしのこと
は、だれよりもわが君が
 ご存知のはず。わが君は、わたしが無能だとお考えになったからこそ、小白
さまの教育係という
 閑職を申しつけられたのだ。これは、わたしなどいなくてもいい、ということで
はないか]
 召忽はすっかり同情した。

  「よし、わかった。そういうことならあくまで辞退すべきだ。このさい、わたしから、きみの病 状が思わしく
 ないと申し上げてねこう。きっとこの人事は撤回なさるにちがいない」
  「そうしてもらえればありがたい。ぜひ頼む」
  そばで聞いていた管仲が、口をはさんだ。
  「それはまずい。国の大事をあずかる以上、どんな仕事でも辞退すべきではないし、いかに閑職とはい
 え任務をおろそかにすべきではない。だいいち、だれがつきの国君になる決まったわけ ではないのだ。
 やはり、引き受けるべきだと思う」

  そこで、召忽と管仲の議論となった。召忽がいった。
 「いや、わたしはそうは思わん。斉の国にとって、われわれ三人は、いわば鼎の三本足のような
 もの
だ。一本欠けても鼎は倒れてしまう。ここは、慎重に考えねばならぬ。小白さまは、とうて
 い後結ぎに
なれる方ではないのだから」
 「いや、そうと決まったわけではない。紅さまは、母君が国中の人々から憎まれているため、ご
 自分
も不利を被っている。一方、小白さまは実の母君がいないので、世間の同情を買っている。
 諸児さま
は、なんといってもご長男で、いちばん有望だが、母君のご身分が低いという弱点かあ
 る。いずれも
一長一短、にわかに判断を下すことはできない。

  しかし、結局、将来の斉を背負って立つのは軋さまか小白さまだろう。わたしは小白さまを買
 っている
。あの方は、小智を弄せず、大所高所から物事をとらえるというタイプのお方だ。人物
 のスケー
ルが並みはずれて大きいので、なかなかひとに理解されない。あの方のことが、ほんと
 うにわかって
いるのは、わたしくらいのものだろう。
  順序からいけば糾さまが先だが、不幸にして将来、わが斉が天からわざわいを受けた場合、紘
 さま
ではとても乗り切れるとは思えない。そうなったとき、国家安泰のため、鮑叔の力がいるの
 だ」

      いずれも斉の憘公(「史記」では釐公)の公子。その関係を整理す
      れぼ、下図のごとくである。公孫無知は次々章に登場する。

  《鮑叔》管仲の親友。名は叔牙。管仲の才能を汲もよく和解した男で、管仲は、「われを生みし
  者は父母、われを知る者は鮎子」とWった。管仲を引き立てるために飽叔はいつでも損な役を引
  き受けた。管仲は自分の才能よりも、鮑叔の友情によって出世したというのが、もっぱらの評価
 だったという。
 《召忽》飽叔とともに管仲のよき理解費であり、心からの友でもあった。管仲といっしょに公子
 紅の叔育係になっていたが、後年、紅の後を追って殉死した。
 《母君が国中の人々から僧まれている》紅の生母は魯国の公女。魯は斉の隣国で、両国間には、
 いざこざが絶えなかった。したがって、魯国出身の女性は斉では人気がなかったのだろう。
 
  先物買い 支配体制がゆらぎつつある春秋時代、お家騒勁は常識であった。その間にあって、

 それぞれ異母公子の後見役に任命された重臣同士の議論は、"先物買い"をめぐって興味深い。
 すでに次男・糾つきの教育係を命ぜられていた管仲は、むしろ小白の将来性に期待し、親友鮑叔
 に教育係就任を説いているのだ。

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 齊僖公生公子諸兒,公子糾,公子小白。使鮑叔傅小白,鮑叔辭,稱疾不出。管仲與召忽往見之曰:
 「何故不出?」鮑叔曰:「先人有言曰:『知子莫若父,知臣莫若君』,今君知臣不肖也,是以使
 賤臣傅小白也賤臣知棄矣。」召忽曰:「子固辭無出,吾權任子以死亡,必免子。」鮑叔曰:「子
 如是,何不免之有乎?」管仲曰:「不可,持社稷宗廟者,不讓事,不廣閒。將有國者,未可知也。
 子其出乎。」召忽曰:「不可,吾三人者之於齊國也,譬之猶鼎之有足也,去一焉,則必不立矣,
 吾觀小白,必不為後矣。」管仲曰:「不然也,夫國人憎惡糾之母,以及糾之身,而憐小白之無母
 也;諸兒長而賤,事未可知也;夫所以定齊國者,非此二公子者,將無已也。小白之為人,無小智
 惕,而有大慮。非夷吾莫容小白,天不幸降禍加殃於齊,糾雖得立,事將不濟,非子定社稷,其將
 誰也?」
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                                     この項つづく

  

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