極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ケインズとニンニクの十字架

2013年04月03日 | WE商品開発

 


 

 
国産ニンニクは1990年代に中国からの輸入の急増によって生産量が半減するが、その後は輸入品と
の差別化が進み、一定の生産量を維持している。
ニンニクの収穫は年1回で短期間に限定されるた
め、収穫物を貯蔵し、これを計画的に出荷することにより、周年供給が可能となるといわれている。
収穫したニンニクをそのまま貯蔵すると腐敗するため、貯蔵前には乾燥が行われるため、ニンニク
の周年供給には、貯蔵性を高める乾燥技術と品質を1年近く保存できる貯蔵技術が必要だし、栽培
や取り扱いが難しい。そこで、なんとか、ニンニクを郷土の名産品にできないかと準備をはじめた。
それが、「ニンニクの科学」であり、「ニンニク工場」であり「ニンニク栽培の知財」という3つ
のテーマ。近い将来、「彦根」といえば「彦にゃん」「彦根城」じゃなく「ニンニク工場」として
世界から観光客が大勢訪れているだろう?!^^;。

 

神戸製鋼所は有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)製品の性能劣化を防ぐ成膜装置を商品化し、
た。ソーラーパ
ネルや電子ぺーパー用の装置に比べて百倍超の高い封止性を持ち、ロール上で連続
処理することで生産
性も高く、有機EL向けで同様構造の商品は世界でも初という。照明やテレビ
など有機EL製品の実用化が2015年ごろに控えており、装置・部材メーカーなどに採用を働きかけ

る。商品化した成膜装置「W60Cシリーズ」は、国内成膜メーカー数社から先行受注したという。価
格は5
億~6億円程度。15年度に年商20億円、20年度に同50億円を目指すと公表したので、早速、
技術背景をネット検索する。ひとことでいえば、減圧成ロール・コータ式連続成膜装置(蒸着)と
耐久性構造の半導体・表示素子ということになる。調査研究での経験を踏まえていうと、やっとこ
こまで来たかという思いとともにこの知財情報は参考になった。



 


 
【新たな飛躍に向けて-新自由主義からデジタル・ケイジアンへの道】

1.タブーと経路依存性
2.複雑系と経路依存性
3.複雑系と計量経済学
4.ケインズ経済学の現在化
5.新自由主義からデジタル・ケイジアン

 

 【ケインズ経済学の現在化】

  

 
【経済回復のあとに改革を】

デヴィッドソンは、2001年9月11日の世界貿易センターと国防総省へのテロリストによる攻撃後の
数日の間に起きたときの連邦準備制度の果たした役割を説明する。


 このことの興味ある実例は、2001年9月11日の世界貿易センターと国防総省へのテロリストに
 よる攻撃後の数日の間に起こった。世界貿易センターが崩壊したとき、ニューヨークの金融市
 場や米国政府に対する公衆の信頼もまた崩壊するのではないかとの懸念が強まった.連邦準備
 制度は、攻撃後の2日間における国債市場への信頼を維持するために、450億ドルもの資金を
 銀行業界に供給した。それと同時に、ニューヨークのプライマリー・ディーラーが国債の「植
 付けをする」役割を受け持っているので、「
連邦準備制度は、木曜日[2001年9月13日]に連
 邦準備制度から直接借入れのできない投資銀行を含む、プライマリー・ディーラーの資金繰り
 面の懸念を和らげるため、ディーラーから売りの申し出のあった 702億ドル相当の政府証券を
 すべて即刻購入した。また金曜日には、記録的な 812.5億ドルもの政府証券を購入して、銀行
  業界にさらに資金を注ぎ込んだ」と、9月11日から程なくして『ウオールストリート・ジャー
 ナル』は報じている。

 実際には、連邦準備制度は貨幣と引き換えに財務省証券を買い取ったわけであり、それは、公
 衆の中で国債を買いに駆け込んでくる人がほとんどいない一方で、テロリストの攻撃後の将来
 を心配して自己のポートフォリオから国債を除きたいと思う公衆の中の多くの人だちから、容
 易に換金できない手持ちの国債を取り除いたということを意味する。連邦準備制度は、9月11
 日後の数日間で、国債市場のマーケットメーカーである金融仲介機関がいつでも流動性を入手
 できる状態にした。また公衆のだれであっても、望みさえすれば、秩序ある国債市場で速やか
 な出口戦略を取ることができるようになったのである。

 『ウォールストリート・ジャーナル』はまた、ニューヨーク証券取引所がテロリストの攻撃以
 来はじめて再開される9月17日の直前に、連邦準備制度の買い行動のおかげで潤沢な流動性を
 得ていた投資銀行のゴールドマン・サックスが、ある大手オープン・エンド型投信グループの
 投資担当役員に電話し、投資運用担当者が売りたいと思うどのような株式も購入する用意があ
 ると伝えたと、報じている。『ウォールストリート・ジャーナル』は、同時に企業も「規制当
 局により新たに緩和された株式買戻し規則に進んで便乗しようとした」と書いている。これら
 の企業は,公衆の保有していた有価証券を買い戻し、かれらの有価証券の価格を支えることに
 よって値付けに寄与したのである。

 より最近のケースでは,2008年3月13日、連邦準備制度は、ベアー・スターンズが所有する基
 本的に非流動的な住宅ローン担保証券を担保として、JPモルガン・チェースを経由してベアー・
 スターンズに融資を実行する契約を締結した。これにより、ベアー・スターンズは,3月14日
 満期の「レポ(repo)」(買い戻し条件)付き借入債務を返済するのに十分な流動性を得よう
 として,すでに機能不全に陥っている市場で有価証券を投げ売りしないで済むことになった。
 したがって、ベアー・スターンズは、一息つく間を得たことになり、金融市場への売り圧力は、
 少なくとも一時的に緩和された。JPモルガンは、ベアー・スターンズヘの融資を引き出すいわ
 ばパイプであった。なぜなら、モルガンは連邦準備制度の割引窓口を利用できる立場にあり連
 邦準備制度の管理・監督下にあるからである。にもかかわらず、3月13日の時点で明らかであ
 ったことは、もしベアー・スターンズが破綻し、その担保が融資額を償うのに十分でないなら
 ば、損をするのは連邦準備制度であってJPモルガンではないということである。

 3月16日(日)の夕刻に、連邦準備制度とモルガンは、モルガンがベアー・スターンズを1株当
 たり2ドルの投げ売り価格で買収すると発表した。(ベアー・スターンズの株式の3月14日(金)
 の終値は、1株当たり30ドルであった。)さらに連邦準備制度は、モルガンに対しベアー・スタ
 ーンズの買収にあって引き継いだ非流動的資産をまかなう資金として300億ドルを限度として融
 資することに同意した。本質的に連邦準備制度は、1989年の貯蓄貸付組合の支払い不能危機の
 とき、破綻した貯蓄貸付銀行の非流動的資産を処理した整理信託公社とほとんど同じ行動を取
 ったことになる。連邦準備制度の行動は、JPモルガンが、ベアー・スターンズから引き継いだ
 債務を償還するためにその資産を市場で投げ売りしなければならないのを防ぐ結果となった

 2001年9月11日以降の連邦準備制度の活動がはっきりと示していることは、中央銀行が一般大
 衆向けに売りに出される可能性のある有価証券の供給量を削減することによって、直接的ある
 いは間接的に証券価格の値付けを行なうことができるということである。そこで公衆は、金融
 資産の市場価格を無秩序な仕方で下落させることなく、自らの強まった弱気傾向を貨幣保有の
 増加によって満足させることができるのである。公衆の弱気の高まりが収まるまで、中央銀行
 とマーケットメーカーは、流動的資産の現在高のうち公衆が所有することを望まない部分を保
 有し続けることができるのである。

 要するに、マーケットメーカーの存在は、他のすべての条件が同じならば、取引される資産に
 対しより高い流動性を与える。しかしながらこの保証は、中央銀行が進んでマーケットメーカ
 ーに資金を提供するための直接的行動を取るか、あるいは間接的に資金を供給することがなけ
 れば、厳しい大量売りの状況では意味をなさなくなる可能性がある。もしマーケットメーカー
 が自己資金を使い果たしてしまい、また中央銀行による間接的な支援も得られないとすれば、
 資産は一時的に非流動的になる。それにもかかわらず、マーケットメーカーが買い手側を支え、
 それによって市場に流動性を回復させるために考えられる最善の努力を行なってくれているこ
 とを、資産保有者は「知っている」のである。

 マーケットメーカーのいない市場においては、ある資産の明白な流動性がほとんど瞬時になく
 なってしまう可能性も-ト分考えられ,さらに,だれかが市場に流動性を回復させるために努力
 してくれていると確信できる何の根拠もないのである。効率的市場の唱道者たちは,必要とさ
 れるのがただコンピューターを基礎とした市場組織であると想定しており、そこでは大多数の
 資産保有者が売りたいと思っているときはいつでも、コンピューターがつねにその有価証券を
 購入するのに十分な人数の市場参加者を探し見つけ出すであろうと考えられている。結局のと
 ころ、効率的市場において均衡価格以外の価格での買い手と売り手のホワイトノイズは、基礎
 的諸要因によって決定される価格を中心とした正規分布を示すと想定されている。したがって、
 金融市場の売りと買いのいずれのサイドにも市場参加者が不足するという事態は起こり得ない
 と、初めから仮定されているのである。

 2008年2月の初めの週に、多くの住宅ローン担保証券市場やARS市場が機能不全に陥ったこ
 とからすると、コンピューターがこれらの市場における秩序を維持するのに十分な買い手を見
 つけ出すことができなかったことは明らかである。さらにコンピューターは、ほとんどすべて
 の人が直近の市場価格ないしそれに近い価格で売却したいと思っているときに、機能不全に陥
 った市場に自動的に入り込み購入を始めるようにはプログラムされていないのである。ARS
 市場(やその他多くの証券化資産市場)を組織し支援している投資銀行家たちは、マーケット
 メーカーとして振る舞おうとはしないであろう。かれらは,市場が開かれる前に「価格協議
 (price talk)」)を行ない、今日の市場清算価格の予想される範囲を顧客たちにそれとなく知
 らせている。
 しかしながら、これらの価格協議を行なう金融機関は、自分の言ったことを行動で裏打
 ちするわけではない。というのも、たとえ市場清算価格がかれらの価格協議での推定値を大幅
 に下回ったとしても、かれらはマーケットメーカーとして振る舞うよう義務づけられているわ
 けではないからである。

 にもかかわらず、これらの投資銀行の代表者たちが顧客に対し、これらの証券化された資産は
 「『現金に相当するもの』である」と語ったという多くの報道がある。多くの保有者は、自分
 たちの保有資産には非常に高い流動性があると信じた。なぜなら、そもそもゴールドマン・サ
 ックス、リーマン・ブラザーズおよびメリル・リンチのような大手金融機関が市場を組織し、
 平常では価格協議も行なっていたからである。2008年2月15日付『ニューヨーク・タイムズ』
 のある記事は、次のように報じている。「いく人かの富裕な投資家は今週、
 ゴールドマン・サックスから大きなショックを受けた。というのも、ウォール街で最も著名な
 銀行であるゴールドマンは、投資家たちが現金と同じくらい安全だと聞かされていた投資から
 資金を引き上げようとするのを差し止めたからである。・・・ゴールドマン、リーマン・ブラザ
 ーズ、メリル・リンチなどが、投資家たちに、これらの証券の市場が凍結され、したがって、
 投資家の資金も凍結されると伝えつつあったのである」。

                     ポール・デヴィッドソン著 小山庄三・渡辺良夫訳
                   『ケインズ・ソリューション-グローバル経済繁栄の途』

それでは、信頼できるマーケットメーカーのいないとどうなるのか?この疑問に対して、これらの
資産が容易に非流動的なものになる可能
性があることを示しているとデヴィッドソンは言う。


 もしこれらの投資家が古典派の効率的市場理論というセイレン〔ギリシア神話にある半女半島
 の海の精〕に惑わされることなく、ケインズの流動性分析が説く厳しい現実を学んでいたなら
 ば、かれらはけっしてこれらの市場に参加しなかったであろう。米国の証券法制と規制は、投
 資家たちが情報に基づく正しい意思決定をすることができるように、十分な情報提供に配慮す
 べきではなかったのだろうか。

 最後に、わたくしは、信用危機という大混乱を加速させたもうひとつの金融的術策の存在につ
 いて書き留めなければならない。それは、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)、すな
 わち、債務不履行に対する保険を提供するはずの手段として知られる革新的な金融商品のこと
 である。この金融商品は米国の金融サーヴィス会社によって開発されたものであり、将来が統
 計的に予測でき、したがって予測可能な生命保険や火災保険と同じように保険を掛けることが
 できるという効率的市場の考えの下に運営されている。それゆえ、債務不履行は過去のデータ
 に基づいて予測できるとされたのである。

 しかしながら、もし将来の出来事が過去および現在のデータに基づいて的確には予測され得な
 いならば、市場が金融債権の保有者に起こりうる借り手の債務不履行に備える保険手段を提供
 するための保険数理的な基礎など存在しないであろう。

 ところが近年、これらのCDSを保険商品として売り出すことが巨大なビジネスになった。2000
 年
商品取引現代化法(Commodity Trading Modernization Act of 2000)が、この金融商品の展開を
 促
進したといえる。この法律は、1999年のクリスマス直前に急いで議会を通過し、2000年1月
 に
クリントン大統領によって署名された。この法案の発起人である、テキサス州選出のグラム
 上
院議員は、この法律により、証券取引委員会と商品先物取引委員会という2つの政府規制機
 関
のどちらもが、新たに開発される新種の金融商品、とくにこれらのCDSを確実に規制できな
 くなるであろうと断言したといわれている。グラムは、この法案の通過が金融機関を過剰な規
 制から解放し、米国の金融サーヴィス会社に革新的な金融市場商品を育て上げる点での世界的
 リーダーの地位を占めさせることになるであろうと主張している。

 CDSは、それがあたかも保険証券でもあるかのように販売された。したがって、もしある債務
 不履行が起これば買い手は付保された全額の支払いを受けるという保証と引き換えに、金融債
 権の現在価値の一定パーセントに等しい年間保険料を支払った。これらのCDSは規制を受けて
 いないので、どの政府機関も、この保険の売り手が、債務不履行の起きたときに保険金を支払
 うのに十分な準備金を保持しているかどうかを、確認していない。

 
さらに、規制がないために,この保険の購入者〔契約者〕は、「被保険利益」を持っている。
 すなわち、債務不履行に備えて保険がかけられるような特定の債権の保有者である必要はない
 とされている。付保されるべき金融債権を保有していなくても、明らかに債務不履行が起こり
 そうだという賭けをしたい人はだれでも、CDSを購入することができるのである。言い換えれ
 ば、購入者は保険金額のx%の年間保険料を払いさえすれば賭けをすることができたことにな
 る。もし保険期間内に債務不履行が起きれば、賭けをした人は年間保険料という掛け金の数倍
 の金額を受け取ることになるであろう。多くの人は、この抜け穴を利用して、起こりうる
債務
 不履行に関して賭けを行なったのである。

 2007年には、これらのクレジット・スワップ派生資産の市場は、45兆ドル-全米株式市場のほ
 とんど4倍の大きさを超えた。明らかに、どの保険会社グループも、そのように膨大な保険契
 約市場の保険を引き受けるのに十分な準備金を特つことはできなかった。さらにより重要なこ
 とだが、これらの金融市場が非エルゴード的な過程によって支配されており、したがって、債
 務不履行の発生が不確実で,だれも債務不履行の確率的リスクを推計できないときに、だれが
 どのようにして、この45兆ドルの保険のために必要な準備金額を算出することができるであろ
 うか。世界第16位の巨大な株式公開会社であり、世界最大の保険会社であるアメリカン・イン
 ターナショナル・グループ(AIG)は、起こりうる債務不履行から守るためのCDS保険を販売
  することで、大規模な事業を展開した。

 債務不履行がとくに多くの証券化市場で起こったとき、AIGは流動性の危機に陥った。2008
 年9月には、AIGは同社が見積もっていた損失総額を数十億ドルも上回る損失をこうむってい
 たと報じられた。AIGは連邦準備や財務省が救済のために数十億ドルを提供することがなかっ
 たならば、履行されない債権の保有者たちに対し契約上の義務を履行することができなかった
 であろう。2009年2月に政府は、AIGを救済するために1500億ドルを提供していたのである。

                    ポール・デヴィッドソン著 小山庄三・渡辺良夫訳
                  『ケインズ・ソリューション-グローバル経済繁栄の途』

 


そう解説し、ケインズが主張しているように、もし将来の成り行きについての確かな予測が過去の
市場データによっては可能でないのならばCDSに基づく保険金の支払額を保険数理的に推計する
ことはできない。もし商品取引現代化法がCDS市場の規制を撤廃していなかったら、州の保険業規
制当局は、発生しうる損失についての信頼できる保険数理的な推計を得ることが不可能能であるに
もかかわらず債務不履行という事象を付保対象とする、このようなCDSを販売するのを、停止させ
ることができていたかもしれないとデヴィッドソンは振り返り、機能不全に陥りつつある証券化市
場に対する政府の政策対応は、次の2つの部分に分けられ、機能不全が将来再び起こることを防止
することであり、これらの証券化市場における最近の信用梗塞が不景気をもたらす効果を最小にす
ることであるとし、再発防止は、2つの政策対応の中では比較的論じやすいものであると主張する。

                                    この項つづく   



季節変動やバイオリズムの所為で体調が優れず免疫力が低下しているということで、ここ二日、昼
食替わ
りに、ニンニクチップス数片と刻み青ネギを具にして鶏卵2個を割り卵焼きをつくり、塩、
胡椒、醤油、酢、
オリーブ油で食べている。なんとか効いているのか少し上向きだした。なぜか、
ニンニクの十字架というイメージが浮かんだ

 

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