
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦
国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編のこと)
と兜(かぶと)を合体させて生まれたキラクタ「ひこにゃん」。
【今日の短歌】
プーチンは間接殺人つづけをり直接よりも重きその罪
うち続く戦火に耐えて折節に悶える地球、それが地震か
四句目で言ひおほせたる歌に但て蛇足のごとき結句を生きる
温かき水湧くごとき心地せり。
データサイエンス学部創設ウェルビーインダ
短歌研究 四月号、2024
※1.2首目 『生活動線』 高野公彦
※3.4首目 『バンシーズ』 高島 裕
※高島 裕(たかしま ゆたか、1967年9月28日 - )歌人。歌誌「未来」
選者。富山県東礪波郡庄川町(現・砺波市)に生まれる。庄川
小学校、庄川中学校、富山県立福野高等学校を経て 立命館大学
文学部哲学科卒業。学生時代にはマルクス研究をしながら反代々木
派の学生運動に携わっていた。1995年、作歌を始める。1996年、歌
誌「未来」に入会し、岡井隆に師事。翌年、上京し清掃業などの肉
体労働に従事。現在、南砺市立福光美術館の学芸員。未来年間賞受
賞。1998年、作品「首都赤変」で第41回短歌研究新人賞候補。東京
にテロが起こる様子を幻視したヴァーチャル・リアリティ的な作品
で、塚本邦雄の激賞を得た。2000年、第一歌集『旧制度(アンシャ
ン・レジーム)』(ながらみ書房)で第8回ながらみ書房出版賞を
受賞。2001年、アンソロジー『現代短歌一〇〇人二〇首』(邑書林)
に参加。2002年「未来」を退会し、翌年には富山に帰郷。以後は
「文机」(2004年~2012年)、「黒日傘」(2013年~)といった個
人誌を発行し、活動拠点とした。同人誌[sai]同人。2013年『饕餮
の家』(TOY)で第18回寺山修司短歌賞を受賞。2016年「未来」に
再入会。

❏ 大電流パワー半導体用光プローブ電流センサー開発
シチズンファインデバイス(CFD)は,主に高周波,大電流のパワー
半導体用の正確な電流測定が可能な,世界初となる光プローブを用い
た電流波形測定用電流センサ「OpECS(オペックス)」を開発。4月
下旬から販売を開始する。

シチズンファインデバイス(CFD)は,主に高周波,大電流のパワー
半導体用の正確な電流測定が可能な,世界初となる光プローブを用い
た電流波形測定用電流センサ「OpECS(オペックス)」を開発。4月
下旬から販売を開始する。

パワー半導体は電気自動車(EV)や再生可能エネルギー,スマートグ
リッド,5Gなどの分野で需要が拡大する一方,パワー半導体の技術開
発には電流測定が必須だが,従来の電流測定器では,パワー半導体特
有の高周波,大電流を正確に測定することができない,基板に実装さ
れているものを直接測定できない,という課題があった。そこで同社
は,光プローブを用いた磁気光学式の電流センサー開発した。この製
品のセンサーヘッドは光学部品のみで構成され,電気部品を使用しな
いため,高い周波数において測定可能な電流が制限されるという課題(
周波数ディレーティング)が発生しないなどの利点があり,高周波・
大電流における正確な測定が可能だという。この製品は,光プローブ
のセンサー部とコントロールユニットで構成され,電流が流れる際に
発生する磁界を,磁気光学効果によるファラデー回転を利用して測定
し,電流に変換する。光プローブのセンサー部は,光ファイバーと磁
性材料のセンサーヘッドで構成され,電気部品を使用していないので,
電磁ノイズの影響を受けず,また誤って大電流を印加しても破損した
り感電したりしないという特長がある。

リッド,5Gなどの分野で需要が拡大する一方,パワー半導体の技術開
発には電流測定が必須だが,従来の電流測定器では,パワー半導体特
有の高周波,大電流を正確に測定することができない,基板に実装さ
れているものを直接測定できない,という課題があった。そこで同社
は,光プローブを用いた磁気光学式の電流センサー開発した。この製
品のセンサーヘッドは光学部品のみで構成され,電気部品を使用しな
いため,高い周波数において測定可能な電流が制限されるという課題(
周波数ディレーティング)が発生しないなどの利点があり,高周波・
大電流における正確な測定が可能だという。この製品は,光プローブ
のセンサー部とコントロールユニットで構成され,電流が流れる際に
発生する磁界を,磁気光学効果によるファラデー回転を利用して測定
し,電流に変換する。光プローブのセンサー部は,光ファイバーと磁
性材料のセンサーヘッドで構成され,電気部品を使用していないので,
電磁ノイズの影響を受けず,また誤って大電流を印加しても破損した
り感電したりしないという特長がある。

超低Lsの特性があり,測定回路への影響が極めて低くいためノイズ影
響が無く,幅広い用途に使用できる。これにより,パワー半導体だけ
でなく,発電所等の大規模かつ大電力を扱う産業分野での使用も可能
だという。但し、この製品の販売は,特約店契約を締結した岩崎通信
機の販売網を通じて行なうという。
響が無く,幅広い用途に使用できる。これにより,パワー半導体だけ
でなく,発電所等の大規模かつ大電力を扱う産業分野での使用も可能
だという。但し、この製品の販売は,特約店契約を締結した岩崎通信
機の販売網を通じて行なうという。
❏ 光 触媒 メタンの変換:現状 アート、課題、そして将来の展望⑥
【要約】
3. メタン光変換性能を向上させる戦略
3.1. 半導体の設計
3.1.2. ヘテロ原子ドーピング
3.1.3. ファセットエンジニアリング
変換効率に加えて、ファセットエンジニアリングは、・OH の濃度と
反応性に影響を与えることにより、生成物の選択性に影響を与えるこ
ともある。これは、•OH がメタンを活性化するだけでなく 99、CH3OH
をさらに酸化して COとCO2を形成する可能性があるため。38,54 最近、
Ma et al. WO3 のファセット比を制御することで、•OH の反応性を調
整できることを実証した (図 55c)。100 DFT 計算によれば、吸着さ
れた•OH は (100) および (001) ファセット上で空間的に近く、自発
的に形成された。 表面結合OとH2O。 その結果、これら 2 つのファ
セット上の •OH の反応性は弱められましたが、隣接する 2つの •OH
間の距離が広いため、(010) ファセット上では •OH の反応性が維持
された。 したがって、ファセットエンジニアリングは、メタンを理
想的な製品に変換する効果的な方法である可能性がある。 しかし、
上記の研究ではいずれも、中間体の吸着および脱着能力に対するファ
セットの影響を考慮していなかった。これは、最近の研究で選択性を
決定する際に重要な役割を果たすことが実証されている(図55d–e)。
具体的には、TiO2(101) 表面への CH3OOH の弱い吸着により、TiO2
(101)/C3N4 触媒よりも 100% の CH3OOH 選択性が可能になるが、過
酸化により HCOOH が TiO2(001)/C3N4 触媒よりも主生成物となる。
101 さらに、メタン変換の分野における高屈折率ファセットの性能に
ついても研究が必要である。
光触媒性能に対する結晶面の影響を調べるときは、単位の使用に注意
を払う必要がある。μmol g–1 h–1 と比較して、μmol m–2 h–1 はよ
り適切な活性単位。 μmol m–2 h–1 という単位は触媒の表面活性を
反映しており、同じタイプ/組成でも異なる形態/構造の触媒を比較
するのに適している。 逆に、μmol g–1 h–1 は触媒の固有の活性を
反映しており、触媒の形態、構造、分散には依存しない。 結果とし
て、μmol g–1 h–1 は、異なる種類や組成の触媒を比較より適してい
る。
3.2. 助触媒の修飾
半導体と適切な助触媒を組み合わせるのも、光触媒によるメタン変換
の性能を調整し最適化するための有望な戦略である。 担持された助
触媒は、次の2つの側面を通じて性能に影響を与える可能性がある:
(1) 助触媒は、光励起された電子/正孔のトラップ サイトを提供し
て、キャリア分離を促進し、太陽から化学への変換効率を促進できる。
102 (2) 助触媒は、加速することができる。メタン活性化のエネルギ
ー障壁を下げることができる、•OH、•OOH、•O2- などの活性酸素種の
生成。74,103,104 現在、助触媒の研究は主に貴金属 (Pt、Au、Pd、Ag)
に焦点を当てている。 光り触媒メタン変換分野Ruなどや金属酸化物(Cu
Ox、CoOxなど)が挙げられる。この節ではメタン変換に対する助触媒
の影響を説明する。
Au は、メタンの選択的変換を達成するための効果的な助触媒として
実証されています。105,106 Lang et al. は、光蒸着法によってさま
ざまな貴金属を TiO2 上に蒸着し、メタンの非酸化的カップリングの
性能を評価しました。42 裸の TiO2、Ru/TiO2、Pd/TiO2、Ir/TiO2、
および Pt/TiO2 と比較すると、Au/TiO2 は接触抵抗が最も低く、光
電子の移動が容易であるため、気体-固体反応系における C2H6 収率
と選択性が明らかに優れています。 TiO2とAuの間。DFT 計算により、
TiO2 表面での CH4 の解離には、Au 表面での解離よりも高いエネル
ギー障壁が必要であることが明らかになり、Au 助触媒が反応点であ
ることが明らかになった。
Au ナノ粒子上に蓄積された光生成電子は、吸着されたメタン分子を
活性化して CH3- アニオンと H 原子にすることができる。
次に、CH3- アニオンが正孔と反応して •CH3 ラジカルが生成され、
さらに互いに結合して C2H6 を形成する可能性がある。液体-固体反
応系における助触媒の役割は、Ye のグループによって研究された
(図 66a)。NaBH4 還元法により、市販の ZnO をさまざまな貴金属
(Pt、Pd、Au、Ag) で修飾。助触媒の導入により、・CH3 および
・OOH の量が顕著に増加した。これは、光励起キャリアの分離効率の
向上と酸素還元反応のエネルギー障壁の低下によるものと考えられる。
これらのラジカルの信号の増加により、光触媒活性が向上した。 O2
の関与により、Au と Ag は 2e- プロセスを通じて選択的にO2をH2O2
に還元し、続いて CH3OOH を形成できますが、Pt と Pd は4e- 酸素
還元反応でより効率的に H2O または CH3OH を生成する。したがって、
CH3OOH または CH3OH に対する選択性は、さまざまな種類の助触媒を
修飾することによって変更できるす。
【関連論文】
の性能を調整し最適化するための有望な戦略である。 担持された助
触媒は、次の2つの側面を通じて性能に影響を与える可能性がある:
(1) 助触媒は、光励起された電子/正孔のトラップ サイトを提供し
て、キャリア分離を促進し、太陽から化学への変換効率を促進できる。
102 (2) 助触媒は、加速することができる。メタン活性化のエネルギ
ー障壁を下げることができる、•OH、•OOH、•O2- などの活性酸素種の
生成。74,103,104 現在、助触媒の研究は主に貴金属 (Pt、Au、Pd、Ag)
に焦点を当てている。 光り触媒メタン変換分野Ruなどや金属酸化物(Cu
Ox、CoOxなど)が挙げられる。この節ではメタン変換に対する助触媒
の影響を説明する。
Au は、メタンの選択的変換を達成するための効果的な助触媒として
実証されています。105,106 Lang et al. は、光蒸着法によってさま
ざまな貴金属を TiO2 上に蒸着し、メタンの非酸化的カップリングの
性能を評価しました。42 裸の TiO2、Ru/TiO2、Pd/TiO2、Ir/TiO2、
および Pt/TiO2 と比較すると、Au/TiO2 は接触抵抗が最も低く、光
電子の移動が容易であるため、気体-固体反応系における C2H6 収率
と選択性が明らかに優れています。 TiO2とAuの間。DFT 計算により、
TiO2 表面での CH4 の解離には、Au 表面での解離よりも高いエネル
ギー障壁が必要であることが明らかになり、Au 助触媒が反応点であ
ることが明らかになった。
Au ナノ粒子上に蓄積された光生成電子は、吸着されたメタン分子を
活性化して CH3- アニオンと H 原子にすることができる。
次に、CH3- アニオンが正孔と反応して •CH3 ラジカルが生成され、
さらに互いに結合して C2H6 を形成する可能性がある。液体-固体反
応系における助触媒の役割は、Ye のグループによって研究された
(図 66a)。NaBH4 還元法により、市販の ZnO をさまざまな貴金属
(Pt、Pd、Au、Ag) で修飾。助触媒の導入により、・CH3 および
・OOH の量が顕著に増加した。これは、光励起キャリアの分離効率の
向上と酸素還元反応のエネルギー障壁の低下によるものと考えられる。
これらのラジカルの信号の増加により、光触媒活性が向上した。 O2
の関与により、Au と Ag は 2e- プロセスを通じて選択的にO2をH2O2
に還元し、続いて CH3OOH を形成できますが、Pt と Pd は4e- 酸素
還元反応でより効率的に H2O または CH3OH を生成する。したがって、
CH3OOH または CH3OH に対する選択性は、さまざまな種類の助触媒を
修飾することによって変更できるす。
【関連論文】
・Title:Photocatalytic Conversion of Methane: Current State of the Art,
Challenges, and Future Perspectives, in PMC
この項つづく
❏ 有機-無機ペロブスカイトに派生構造を発見 東京工業大学
【要点】
1.有機-無機ハイブリッドペロブスカイト化合物への分子イオン添
加で、欠陥が整列した新たな一連の派生構造の生成を発見。
2.分子イオンの添加量によって欠陥量を制御し、光学特性を制御可
能。
3.柱状欠陥の整列に基づく、これまでにない物質探索アプローチが
【概説】
東工大らの研究グループは、太陽電池材料として注目される有機-無
機ハイブリッドペロブスカイト[用語1]に分子イオンを添加すること
によって新規化合物を合成し、これまで知られていなかった一連の派
生構造が形成されることを明らかにした。FAPbI3(FA = CH(NH2)2)な
どの有機-無機ハイブリッドペロブスカイト化合物は、太陽電池、蛍
光体など さまざまな分野で応用が期待されている半導体材料である。
本研究では、ペロブスカイトFAPbI3のヨウ化物イオン(I−)の一部を
分子性のイオンであるチオシアン酸イオン(SCN−)に置き換えること
で、柱状欠陥が整列した新規化合物FA4Pb2I7.5(SCN)0.5の合成に成功。こ
<の化合物は、同グループが過去に報告した柱状欠陥を持つFA6Pb4I13.
5(SCN)0.5[用語3]と合わせて、欠陥量に対応する1/n(nは整数)を使
ってFAn+1Pbn−1I3n−1.5(SCN)0.5として系統的に記述できる。さらに、
nの値を変えることで光学特性が制御できる。有機-無機ハイブリッド
ペロブスカイトにおいて、欠陥の整列に基づく化合物系列が示された
例はこれまでなく、この法則に基づいたさらなる新規物質の発見が
期待されている。
図1 本研究で開拓した新しいペロブスカイト派生化合物系列の結晶
構造、単結晶の外観、光学バンドギャップ。結晶構造ではPbI6八面体
のつながりを模式的に表している。
【展望】
欠陥の整列に基づいた構造設計はこれまで、ペロブスカイト酸化物に
おいて盛んになされていたが、有機-無機ハイブリッドペロブスカイ
ト化合物で系統的に欠陥の整列を制御した例はなかった。今回報告し
た化合物系列では、1/nが柱状欠陥の存在量に対応するという法則が見
られ、実際にn = 3とn = 5の化合物が発見された。今後は他の整数で
も新規構造が見つかることが期待されるとともに、他の元素や分子の
組み合わせでもこの法則に基づいて次々に新規物質が見つかると期待
できる。本研究成果は、全く異なるものと考えられていた酸化物と有
機-無機ハイブリッド化合物の間に共通点を見出したという意味で、学
術的に意義深い。同時に、実用面ではまだまだ改良の余地の大きな有
機-無機ハイブリッドペロブスカイト化合物に対して、新しい物質探索
のアプローチを示した点で重要であるといえる。
【掲載論文】
掲 載 誌 :ACS Materials Letters
論文タイトル :FA4Pb2I7.5(SCN)0.5: n = 3 Member of Perovskite Homologous
Series FAn+1Pbn−1I3n−1.5(SCN)0.5 with Columnar Defects
【DOI】 10.1021/acsmaterialslett.3c01514
Challenges, and Future Perspectives, in PMC
この項つづく

❏ 有機-無機ペロブスカイトに派生構造を発見 東京工業大学
【要点】
1.有機-無機ハイブリッドペロブスカイト化合物への分子イオン添
加で、欠陥が整列した新たな一連の派生構造の生成を発見。
2.分子イオンの添加量によって欠陥量を制御し、光学特性を制御可
能。
3.柱状欠陥の整列に基づく、これまでにない物質探索アプローチが
【概説】
東工大らの研究グループは、太陽電池材料として注目される有機-無
機ハイブリッドペロブスカイト[用語1]に分子イオンを添加すること
によって新規化合物を合成し、これまで知られていなかった一連の派
生構造が形成されることを明らかにした。FAPbI3(FA = CH(NH2)2)な
どの有機-無機ハイブリッドペロブスカイト化合物は、太陽電池、蛍
光体など さまざまな分野で応用が期待されている半導体材料である。
本研究では、ペロブスカイトFAPbI3のヨウ化物イオン(I−)の一部を
分子性のイオンであるチオシアン酸イオン(SCN−)に置き換えること
で、柱状欠陥が整列した新規化合物FA4Pb2I7.5(SCN)0.5の合成に成功。こ
<の化合物は、同グループが過去に報告した柱状欠陥を持つFA6Pb4I13.
5(SCN)0.5[用語3]と合わせて、欠陥量に対応する1/n(nは整数)を使
ってFAn+1Pbn−1I3n−1.5(SCN)0.5として系統的に記述できる。さらに、
nの値を変えることで光学特性が制御できる。有機-無機ハイブリッド
ペロブスカイトにおいて、欠陥の整列に基づく化合物系列が示された
例はこれまでなく、この法則に基づいたさらなる新規物質の発見が
期待されている。

図1 本研究で開拓した新しいペロブスカイト派生化合物系列の結晶
構造、単結晶の外観、光学バンドギャップ。結晶構造ではPbI6八面体
のつながりを模式的に表している。
【展望】
欠陥の整列に基づいた構造設計はこれまで、ペロブスカイト酸化物に
おいて盛んになされていたが、有機-無機ハイブリッドペロブスカイ
ト化合物で系統的に欠陥の整列を制御した例はなかった。今回報告し
た化合物系列では、1/nが柱状欠陥の存在量に対応するという法則が見
られ、実際にn = 3とn = 5の化合物が発見された。今後は他の整数で
も新規構造が見つかることが期待されるとともに、他の元素や分子の
組み合わせでもこの法則に基づいて次々に新規物質が見つかると期待
できる。本研究成果は、全く異なるものと考えられていた酸化物と有
機-無機ハイブリッド化合物の間に共通点を見出したという意味で、学
術的に意義深い。同時に、実用面ではまだまだ改良の余地の大きな有
機-無機ハイブリッドペロブスカイト化合物に対して、新しい物質探索
のアプローチを示した点で重要であるといえる。
【掲載論文】
掲 載 誌 :ACS Materials Letters
論文タイトル :FA4Pb2I7.5(SCN)0.5: n = 3 Member of Perovskite Homologous
Series FAn+1Pbn−1I3n−1.5(SCN)0.5 with Columnar Defects
【DOI】 10.1021/acsmaterialslett.3c01514