極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

復旧段階とプルトニウム

2011年03月21日 | 緊急|東日本大震災







【悪夢の11日(金)14:21から】



東日本を襲った震災が第二ステージ入りつつある。その
なかで、世界中から注目されているのが福島第一原発3
号機のプルトニウムの被曝毒性だ。

京都大学原子炉実験所 小出裕章によれば、プルトニウム
は「人類が初めて作り出した放射性核種」であり「かつ
て人類が遭遇した物質のうちでも最高の毒性
」を持つと
される。その理由は

(1)プルトニウムがアルファ(α)線の放出
(2)比放射能が高い
(3)体内での代謝挙動

とされる。プルトニウムは人体には全く不必要な元素で
ある。毒性の強い元素の中には必須ミネラルで微量は人
体にとっても必要なものもあるが、プルトニウムは必須
ミネラルでさえない。

(1)はγ線・β線と比較してα線は20倍の危険である。
(2)は他の放射能物質と異なり質量が大きく、半減期
  が極端に長いため毒性が最も強くなる。
(3)はα線を放出する放射性核種を吸入する場合には、
  肺中での不均等被曝の問題が生じる※。


       A[ベクレル/g]=1.32×1016÷半減期[年]÷質量

核種名 質量数 半減期[年] 重量当たり放射能量
M T1/2 A
コバルト60 60 5 42,000,000,000,000
クリプトン85 85 11 15,000,000,000,000
トリチウム 3 12 360,000,000,000,000
ストロンチウム90 90 29 5,100,000,000,000
セシウム137 137 30 3,200,000,000,000
ラジウム226 226 1.600 37,000,000,000
プルトニウム239 239 24,100 2,300,000,000
ウラン235 235 703,800,000 80,000
ウラン238 238 4,468,000,000 12,000,000
トリウム232 232 14,100,000,000 4,000



 

 

 

 

 

 

 

 



※プルトニウムを嚥下し消化管に入った場合そのおよそ
0.05%程度が吸収され、残りは排泄される。吸収された
プルトニウムは骨と肝臓にほぼ半々の割合で蓄積される。
皮膚との接触については、傷が無い限り吸収されない。

最も重要な取り込み経路は、空気中に粒子状になったプ
ルトニウムの吸入である。気道から吸入された微粒子は、
大部分が気道の粘液によって食道へ送り出されるが、残
り(4分の1程度)が肺に沈着する。沈着した粒子は肺に
留まるか、胸のリンパ節に取り込まれるか、あるいは血
管を経由して骨と肝臓に沈着する。プルトニウムは一度
吸収されると体外へ排出されにくい特徴をもつ


生物学的半減期はウランやラジウムと比べても非常に長
く、骨と肝臓でそれぞれ20年と50年である。吸収線量あ
たりの有害さは核種や同位体によらずラジウム等と同程
度であるが、プルトニウムの扱いに特に注意が必要なの
は、まさに排出されにくいという
特徴によるものである
(ウィキメディア)。




全力で、プルトニウム汚染の実態を調査し、安全である
ことを確認した上で、福島原発での冷却水が命綱であっ
たように被災地の安全な飲料水の確保が第一だろう。ミ
ネラルウォータを大量に送り届ける必要がある。‘風評
被害’を恐れる前に、現地の安定した生活を政府が保障
すること
、そのことによってのみ‘風評被害’をなくせ
るのだという逆説を確信すること。そのために‘安全な
水’の確保は不可欠だ。

2010.9.18 14:15(産経新聞)
東電、プルサーマル臨界
東京電力は18日、福島第1原子力発電所(福島県大熊町
)3号機で使用済み核燃料を再利用するプルサーマル発
電のため原子炉を起動し、核分裂が連続して起こる臨界
に達した。前日深夜に起動する予定だったが、一部機器
が正常に作動しなかったため、ずれこんだ。当初予定し
ていた22日夜の発電開始も遅れる可能性がある。

東電にとっては初のプルサーマル発電で、国内では九州
電力玄海原発、四国電力伊方原発に次ぐ3基目となる。
運転開始から30年を超え、高経年化(老朽化)対策を施
している原子炉では初めてで、沸騰水型軽水炉(BWR)で
も初となる。17日午後11時の起動を予定していたものの、
直前になって緊急炉心冷却装置の配管で弁の状態を表示
するランプが正常に作動しなかったという。原因調査な
どに時間がかか
った。

3月21日 WST/JAPN
Radiation in Food Rises
 

ところで、放射能汚染された牛乳や農産物はどう処理さ
れているのか調べてみたが適切に明示されたものは見当
たたらなかった。放射能検査関係者に聞くのが一番早い
のかもしれないが、医療用の放射能廃棄物処理のガイド
ブックなどがありそれに準じ廃棄されているのではない
かと推測することに。尤も、放射性物質の廃棄は基準が
あり固形物は施設内保管されているが(米国などでは埋
設処理されている)、微量及び基準内の気体(フィルタ
除去処理)・液体状のものは垂れ流されている様だ(下
図クリック)。

70年代の頃は反原発運動に少しは関わってしたものにと
って、今回の事故は‘やはりそうなのか?!’という率
直な思いと歴代の政府自民党が推進してきた電力政策が
頓挫し、震災復旧が落ち着いたところで見直し必至とな
るという見通しが去来する(今春の地方統一選挙は、自
公の出方如何では激論騒然となる可能性もある)。いず
れにしても原子力発電の再点検をわたし(たち)に迫る
ものと受け止め、再学習を始めさるをえない。





   



3月18日、国連の安全保障理事会が、リビア上空に飛行
禁止区域を設定しリビア軍機が反政府勢力を空爆するこ
とを禁止した。19日にはフランスが戦闘機でリビア軍の
車両や施設を空爆。英米もリビア軍の地対空砲基地など
に向けて海上から巡航ミサイルを発射した。この戦争は
国連安保理の決議を経ているため、名目上は「国際社会」
とリビアとの戦争だが事実上、欧米とリビアとの戦争に
なっている。



問題はカダフィ政権が崩壊した後、
すでにブログでも指
摘した‘クラッシュ症候群’による部族間対立の激化で
国内が不安的化することだ。また、今回の国連安保理決
議に棄権した中国・ソ連の行動如何では混乱に拍車が掛
かるかもしれない。この大震災と原子力発電事故に加え、
中東の民主化運動の混乱で石油・食料などの物価高騰に
よる日本国民の「健康破壊・生活破壊」という最悪のシ
ナリオが想定される。ここは頑張りどころ。
                                                                                                          

※「Fukushima 50



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