極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

現代建築と環境リスク本位制

2011年03月09日 | 環境学・環境思想



雪積もり 雪をかき分け 修二会の 開けを待ちあぐ クリスマスローズ



【現代建築の行方】

「建築」とは人類が雨露をしのぎながら活動していくための
身近で大きな「いれもの」で、安全性、機能性・快適性、美
しさ、経済性、低環境負荷、など様々な要求項目に対して応
えるようにデザインされて作られる
。従って、その設計の過
程はさまざまな因子の影響を受ける。建築の構造とはさまざ
まな「ちから」に対して建築を支える骨組みのこと。建物を
安全に設計するには重力や地震力といったさまざまな「ちか
ら」の側面を配慮し設計する(川口健一/東大自主自主講座
)という伝統的な考えに対し安藤忠雄は「周辺の環境も整え
植樹を行い、つくったものを育てる発想であるべき」と持論
を下記のように展開しいる。


 私は、建築とは建物を建てるだけでなく周辺の環境も整
 え植樹を行い、つくったものを育てる発想であるべきと
 思っている。東京湾のゴミの埋立地を、緑豊かな森 に変
 える「海の森」プロジェクトや瀬戸内海一帯にオリーブ
 を植樹する「瀬戸内オリーブ基金」はその一環だ。こう
 やって子供達に感性を教えていかなければ次の時代はな
 い。おもしろいことができないと長続きしないからだ。
 そして建物を作った人と毎年同窓会をし、人間関係を広
 げることで仕事も生まれていく。世界から「日本人はい
 なくてもよい民族」といわれることがないよう、自分た
 ちができること、民族としてできること、国としての日
 本人をもう一度考え直すべき時期が来ているように思う。


                     安藤忠雄
         『人を豊かにする環境・まちづくり


これは「物質とは情報の塊である」とのわたし(たち)の持
論と共通するところがあると思っている。つまり、いかなる
成果物(もの・物・者)も付随する情報発信内容が付加価値
を決定するという考え方であり、単なる建物(唯物)ではな
く唯メディア論にもとづく考え方から<建築>
を再定義したい
と思っている。彼の‘つくったものを育てる発想’には付加
価値を創造するという点で一致する、新たな情報が付加する
という意味合いが含まれているとみる。例えてみれば路傍の
石も解析することで貴重な素材革新につながる構造を発見す
る、あるいは加工して装飾建材に使えるようにするといった
展開性を創造するといった能動的な側面をテーマに
している。





  
 
1979年に日本建築学会賞を受賞した「住吉の長屋」は、
 自分の工夫で暮らすことをコンセプトとして造ったもの
 だ。私はいつでも夢や哲学のあるおもしろいものを創り
 たい。そのためには施主の話さえ聞かないこともある。
 それくらい夢中になることや理想を追って走ってほしい
 のに、今の日本人はその気持ちを忘れている。サントリ
 ーの佐治さんなどはまさに青春を生きた人だ。今はこの
 ようなタイプの人を見ないし、子供の目が死んでいる。
 それがとても気になる。与えられたものを受け取るだけ
 で国や行政の責任にする。日本人は責任を持たない国民
 だ。今後は箱(ハードウエア)の時代は終わり、ソフトウ
 エアの時代だ。不況を乗り切りたいなら夢を持つことだ。

               
                  安藤忠雄『同上』


「環境リスク本位制」と持続可能な社会の行方を見定め、組
織と運動を展開するには「住まい」である現代建築の有り様
もまた見定める必要があり、「建築学」と「設計技術」の習
得が避けられないと思い固めている。勿論、この「環境リス
ク本位制」の前提に「先端技術本位制」があるが、安藤忠雄
が言う夢を予言、ビジョンと置き換えても良いだろう。




すこし体調が崩れた状態でブログしている。予定は嫌になる
程遅れこれ以上後退できないところまできていて、ふい~っ
と鴨居にロープを回し掛け首を吊ろうかという思いに冗談ま
じりながらも考えている。環境をテーマで雑学的にソーシア
ル・ネットワークの波に乗り出す準備には建築学は避けられ
と図書館で借りた川口健一や天井勝海、田中良寿、鈴木智恵
子、菊岡倶也の本を図書館で借りてきたものの放置したまま
で返却期限が過ぎていることに気がつき、午後11時すぎに超
乱を開始。




 

Tadao Ando 2004.jpg

1時間ほどで読み終えてみて、建築学のボリュームの大きさ
と建築士資格の広さになるほどと納得しつつ、借りてきた本
に外れがなかったに安堵したが、さて、スケジュール化する
には、一週間程度掛かりそうだ。いまやろうとしていること
の法体系を俯瞰できるものを、自力でつくるか、ネット上で
それらしきものがあれば参考にするかと考えていたら、なぜ
か36年前の中国プラント建設当時の社宅を改造した木造のプ
ロジェクト事業所でこんな風に夜更けに設計していた当時の
風景がフラッシュ・バック。懐かしい? そりゃ~いろんな失
敗やエピソードが思い出され、いまでは楽しい思い出となっ
ている。^^;




ひどいときには、酒・たばこを飲み、ラジオを聴きながら、
記憶では三波春夫の「世界の国からこんにちは」という曲が
記憶に残っているが、これは日中友好条約締結の記念として
流されていたのかちょっといまとなっては定かでない(蛇足)。



思えば、大工、工務店主、意匠設計、企画設計、請負建築業、
建築資材請負、電気工事業等々我が家系は建築士と非常に関
わりが多いというのに、わたしだけが外れてしまったことに
なっているが、血は争えないもので漠然とではあるが、資格
試験には実務をのぞいて(設計はOK)合格できそうな予感を
持っている(建築一級資格試験には‘感性’が問われるので
こればかりは難しい)。が、目標への絞り込み作業が大変で
すべてはこれから。



戻り雪がつもり、風邪模様。玄関先のクリスマスローズのつ
ぼみが顔をのぞかせている。これはなんの花と彼女がたずね
るので、多分~~~~、たぶんクリスマスローズだろうとあ
やふやな返事。ネットで調べてやはりクリスマスローズだっ
た。そんな小さな出来事をニューズにして歌う。




コメント
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