徳丸無明のブログ

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聴かれることのない音楽のために・第一夜

2018-01-22 21:22:06 | 雑文
いつもの雑文のアイディアがない・・・ので、今回は趣向を変えて極私的愛好音楽紹介文をお届け。要するに、わたくし徳丸が好きな音楽(ミュージシャン)を披露するということです。
最初に題名の「聴かれることのない音楽」の意味について説明いたします。僕の好みの音楽はそのほとんどがマイナーに属しております。もちろんマイナーといえど、皆さん素晴らしいミュージシャンばかりで、多くのファンを獲得しておられます。なので、それらが「聴かれていない」とするのは失礼極まりない言い方に聞こえるかもしれません。
ただ、現代の日本において、いまだTVが巨大なメディアとして機能しており、そのメディアの中では、「露出するミュージシャン」と「露出しないミュージシャン」は截然と分かたれている、という事実があります。TVに出演するミュージシャンは繰り返し何度も出演するけど、出演しない(できない)ミュージシャンは全く出演することがない。その分け隔てによって、TV出演するミュージシャンとそうでないミュージシャンの間には知名度の大きな差ができてしまう。僕はわりとインストゥルメンタル(楽器の演奏のみの音楽)が好きなんですけど、インストは特にTVに出ることがありませんので、知名度が低い状況に甘んじねばならないのが実状です。その格差によって無名の存在とされがちな傾向をここでは「聴かれることのない」と称させてもらうことにしたのです。他意はありません。
また、念のため申し添えておきますと、僕はメジャーな音楽を軽薄だとか、大衆に迎合しているだとか、あるいは商業主義に堕しているなどと思っているわけではありません。そして、その裏返しとしてマイナーなほうが質が高いと思っているわけでもありません。メジャーとマイナーはあくまでセールスの量的な差異、及び知名度の高低の差異に過ぎません。
そして、音楽性の違いは質の優劣とも関係ないと思っています。よく「趣味がいい/悪い」といった言い方がありますが、それは自分の嗜好と近い人を趣味がよく、遠い人を趣味が悪いと言っているだけです。それは結局嗜好の違いでしかなく、質の優劣ではありません。
僕の音楽の趣味に興味のある方などいないでしょうが、今まで知らなかったものに触れたり、嗜好の幅を広げる喜びは誰にでもあるのではないでしょうか。この記事をきっかけに、皆さんの好きなミュージシャンが1つでも増えれば、と思います。
ちなみに僕の音楽鑑賞はほぼCDのみで、コンサートに行くことはありません。昔はちょこちょこ行ってたのですが、生来の出不精が年々強くなり、今では全く行かなくなってしまいました。「録音はあくまで音楽の代替で、生演奏こそが本物」という考えもあるのに、横着ですね。また、ファンと言いつつも、ミュージシャンの顔と名前を完全に把握できていなかったりもします。その程度の感覚で音楽紹介をしようとしていることをあらかじめご了承ください。
今日から5夜にわたってお届けいたします。どうぞくつろいでお楽しみください。


Acid Mothers Temple & The Melting Paraiso U.F.O.(アシッド・マザーズ・テンプル・アンド・ザ・メルティング・パライソ・ユーフォ―)・・・50音順にするとマイナー中のマイナーな、名前がやたらと長いこのアーティストが一番最初に来てしまう。略してAcid Mothers Temple。U.F.O.は未確認飛行物体のことではなく、Underground Freak Out。インスト中心の様々なジャンルの楽曲を送り出しているけど、基本はサイケデリック。30~60分の長い曲いくつもあり。リーダーの河端一さんをはじめとして、メンバーの大半は日本人だけど主に海外で活動してます。
国際的には割と知られてるみたいだけど、日本国内でAMTのことを知ってる人ってどれぐらいいるんでしょうか。そしてファンとなると、さらにその数は限られてくるわけで・・・。いや、でもほんとに素晴らしいアーティストなんですよ。
ところで皆さん、CDってかならずしもレコード屋で買えるわけではないって知ってました?廃盤になったヤツではないですよ、現役発売中のCDの話。レコード屋っていうのは、店頭にCDを並べるためには、それを取り扱っているレーベルと契約をする必要があるんですね。それでエイベックスとかビクターとか東芝EMIとか、メジャーなレーベルであれば間違いなくレコード屋と契約を交わしているんですけど、マイナーレーベルはそうではないわけです。今ではCDの製造は割と容易にできるので、ミュージシャンが自主レーベルでCD作ったりとか珍しくないですよね。で、そういったマイナーレーベルだと、あんまり売り上げ見込めないので契約していないケースが多いわけです。AMTは活動の場だけでなくCDの発表もイギリスとかアメリカとかドイツとか海外のレーベルからが多く、しかもそのレーベルがそろいもそろってマイナーなので、レコード屋で注文できないタイトルがいくつもあるのです。
それで僕がどうしたかというと、Amazonを利用したんですね。AmazonのマーケットプレイスにはマイナーレーベルのCDを取り扱っている会社(販売店というのか取次というのかわかりませんけど)も自由に登録できて、海外からの出品であっても日本語の説明ついてるし、しかも配送料の規定があるのか、国際便であるにもかかわらず送料が一律350円というお手頃さ。なのでマーケットプレイスを通してCD買い漁らせてもらいました。Amazonもいろいろ問題ある企業みたいですけど、この点は感謝しています。もしAmazonがなかったら、自分で海外のレーベルに直接国際電話かけて、英語なりドイツ語なりで注文依頼をしなければ入手できなかったでしょう。
ただですね、こうやって紹介しておきながら言うのもなんですけど、AMTに嵌まり込むと大変なんですね。なぜかというと、とにかくCDを量産される方々でして、1年にアルバムを5枚とか出したりされてまして、これまでに発表された作品かなりの数になるんですね。それに、別編成のユニットでAcid Mothers Temple & The Cosmic InfernoやAcid Mothers Temple SWRやAcid Mothers Guru Guruなどの複数の名前を使っており、また、ライブ盤や他ミュージシャンとのコラボ盤もかなりの数に上るのです(あふりらんぽと共演(狂演)した『WE ARE ACID MOTHERS AFRIRAMPO』は名盤中の名盤)。しかも河端一さんはMUSICA TRANSONIC(ムジカ・トランソニック)や聖家族やZOFFY(ゾフィー)や東方沙羅などの様々な他のユニットに参加しており、それらを把握するのがもう大仕事で。
AMT関連のCDは増殖に増殖を重ねてまして、うちのCDの5割以上に及ぶのではないかと思います。それでも未だ増え続けているので、いずれは10割に達することでしょう。
だから、嵌まり込むと泥沼なのです。嵌まるなら覚悟して嵌まれ!ってことですね。曲の数もとにかく多いんですけど、最初は代表曲の「Pink Lady Lemonade」あたりから入るのがいいのではないかと。
最後に、麻薬中毒者、及び薬物に興味のある人達に言いたい。ドラッグなんかいらない!AMTの音楽さえあれば充分トリップできるんだ!クスリに手を出すくらいならAMTを聴け!


今夜は一組だけで終わってしまいましたが、明日以降は何組かご紹介できますのでご安心を。