徳丸無明のブログ

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正栄デリシィ サク山チョコ次郎

2024-04-26 23:41:46 | 
今日はサク山さん家のチョコ次郎君です。




知らないうちに誕生し、いつの間にかメジャーなお菓子になっていたサク山チョコ次郎。ミルククリームをチョコレートとビスケットでサンド。間違いのない組み合わせ。ビスケットがサク山ですね。
僕は以前、イベント運営のアルバイトをしていました。野球とかサッカーとかコンサートなどのイベントが開催されたとき、接客を行う仕事です。
ある年の冬、福岡ドームでポケモンのイベントが開催されました。野球のシーズンオフの期間には、よくこの手のイベントが開かれるのです。
ポケモンの遊具があったり、グッズが販売されてたり、ゲームのレアキャラクターを入手できたりするイベントでした。期間中は、ピカチュウがやってくることになっていました。言うたら、着ぐるみですね。
しかし、前の会場で着ぐるみが破損してしまっており、修復が間に合っていませんでした。そのため、「着ぐるみ修復中につき、ピカチュウ来場できず」という状況になっていたのです。
仕事前に、社員からそのことについて注意がありました。
もし大人からピカチュウ不在について尋ねられたら、「着ぐるみが破損して、修復が間に合っていない」と、事実をそのまま伝えていい。でも子供に訊かれたら、「ピカチュウがドームに来る途中で敵に襲われた」と答えるように、と。
大人と子供で説明を変えろという注意でした。なるほどと思いましたね。
でもひとつ疑問に思ったのが、「ピカチュウが敵に襲われた」と聞かされた子供は不安にならないのか、ということです。ピカチュウは大丈夫なのかと動揺しないか。心配するあまり、泣き出してしまわないか。「道に迷ったらしい」くらいの説明のほうがよかったのではないか。そんなことを思いました。
しかしまあ、ものは言いようですね。

言い方、といって思い出すのが、引き算です。小学一年で引き算を習ったとき、すんなりと理解できませんでした。
たとえば、38-15とかならすぐにできたんですけど、42-27みたいなのをどうやって解けばいいのか、なかなか呑み込めませんでした。
ネックになったのが、「借りてくる」というやつです。一の位、2だけだと7引くことができないから、十の位から借りてくる。そして12-7にする。
その理屈を理解するのに手間取ったのです。先生の説明を何度か聞いて、ようやく吞み込めました。
今にして思うのですが、この「借りてくる」という説明、正確とは言えないのではないでしょうか。
だって、「借りる」のであれば、常識的・礼儀的には返さなければなりませんが、借りられた十の位は、返ってくることはないのですから。
借りられたら、借りられたまんま。借りっぱなしです。けっして返されることはない。借りパクです。
だから、「借りてくる」じゃなくて、「もらう」って言うべきじゃないかと思うんですよ。そのほうが正確でしょ?
子供に引き算教えるのにも、そのほうが理解されやすいんじゃないでしょうか。返さないのに「借りる」なんて、おかしいじゃないですか。そこのおかしさに引っかかってしまう子供もいるかもしれません。そこに気を取られることで、引き算の理解が遅れてしまう。そんなこともあるかもしれないのです。
だから、より正確に引き算を理解するために、「借りる」じゃなくて「もらう」にすべきではないかと思うのですよ。
なんか、この「借りる」って言葉、日本的なおためごかしが潜んでいるような気もするんですよね。
お金のやり取りでも言うじゃないですか、「借りる」って。でも、多くの場合、貸したお金は戻ってきませんよね。だから実質、それは「もらっている」のです。借りているわけではない。
借り手はほとんどの場合、返すつもりなく「貸して」と言っている。貸し手も、うすうすお金は返ってこないと気づいている。その暗黙の了解の上で貸し借りは行われるのです。
借り手は、「ちょうだい」と言うより、「貸して」と言ったほうがお金が手に入りやすいことを見越して、「貸して」と言う。貸し手は、借り手に返す気がないことを察しつつも、お金がないとコイツは困るだろうと、相手を思いやって貸す。そんなふうにして「貸し借り」は成立するのです。
表向きは「貸し借り」、実情は「譲渡」です。
この、「返す気がないのに貸してと言う」ような、事実の湾曲というか、遠回しな表現というか、そんな言い方って、いかにも日本的ですよね。ハッキリとものを言わない。できるだけボヤかす。
そのほうが角が立たないということなのか。人間関係を円滑にするための工夫なのか。大人の分別なのか。
そして、この日本的遠回し表現が、引き算の説明にも入り込んできているのではないでしょうか。
まあ一概に否定するつもりはないですけどね。でも日本以外の国では引き算どのように説明してるのかが気になりますね。日本と同じように「借りてくる」と言っているのか、正確に「もらう」と言っているのか。
よく外国(おもに欧米)の方から、「日本人は言ってることとやってることが違う」みたいな批判を受けますけど、それってこの湾曲表現が原因ですよね。それを踏まえて考えると、日本以外では「もらう」と言っているのではないかと思います。
そのへんをご存じの方、いらっしゃいましたらご一報ください。


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2 コメント

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Unknown (☆〇)
2024-04-27 12:35:11
実はですね。
引き算の時の「借りる」ってのは
英語の borrow の直訳なんですね。
これを「もらう」っていうべきだっていうのは昔から言われてはいるんですが, 全然直りませんね。
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☆〇さん江 (徳丸無明)
2024-04-28 01:18:25
おおー、そうなんですね!
たしかにborrowの直訳は「借りる」ですが、だとすると、英語圏でも引き算は遠回し表現ということなのでしょうか。
それとも、borrowのニュアンスは日本語の「借りる」とは少し違うのでしょうか。
rentのほうが「借りる」に近いとか。
英語圏にも日本的遠回し表現があるのかとか、なぜ引き算の説明が「もらう」にならないのかとか、いろいろ気になる話ですね。
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