徳丸無明のブログ

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香水に関する俗説

2015-09-17 00:27:59 | 雑文
怪しい俗説、その2。
香水の瓶は、男性器の形を模しており、これは女性の潜在意識に訴えかけることにより、購買意欲を掻き立てる策略、というもの。
なぜこの説を胡散臭く思うか。
男の体の中で、腹筋が好きとか、腕のラインがいい、とかは聞くが、チンコの形が好き、という話は聞いたことがないからだ。
箇所が箇所だけに口にするのが憚られる、という面を差し引いたとしても、やはりそんなにチンコ好きがいるとは思えない。アレは結構グロテスクなものだし、快楽を与えてくれる媒体として好き、ということはあっても、形そのものが好き、ということはないのではなかろうか。
瓶の形に関して言えば、香水というのは、使いやすさを優先すると、特定の形をとらざるを得ず、それがたまたま男性器と形状が似ている、ということではないだろうか。
それに、この説が正しいとすれば、よりチンコに似ている香水の方が売上が伸びるはずだが、そんな話は聞かない。もっと言えば、香水に限らず、女性向けのありとあらゆる商品も――消耗品もそうだし、ネックレスとかイヤリングまで――男性器の形にしたほうが売れることになるだろうが、そうなってはいない。
それでは何故、このような俗説があるのか。
①フロイト以降、精神分析学の知識、精神分析的思考法は、広く人々に膾炙している(もちろん一般の人々が奉じているのは、実際の精神分析とはかけ離れた紛いものだろうが)②性的な話題はみんな大好き③で、そんな性的な話題に、精神分析という知的に見える装飾をまぶすと、もっともらしく聞こえる上に、受けがいい(そもそもフロイトはリビトーを精神分析の中心概念に据えて理論を展開したので、精神分析が性的な話になるのは、当たり前と言えば当たり前なのだが)
とまあ、こんな所ではないだろうか。
ツッコミが甘い気がするが、これ以上は考えが及ばない。


オススメ関連本 ロルフ・デーゲン『フロイト先生のウソ』文春文庫


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