Kyoko AIHARA's Diary (Writer&Photographer) 相原恭子(作家&写真家)のブログ 

ヨーロッパ紀行、京都花街と着物、ビールとグルメなどをテーマに執筆、撮影、国内・海外での写真展や講演等。今日も良い日!

2010年11月22日(月) お着物・・・フフフ

2010-11-22 | 着物
着物、キモノ、きもの・・・とにかく着物が着たいの。
たくさん、沢山、美しい着物を見てみたい!
沢山沢山、着物が欲しい!そう思ったのは2002年の晩秋だった。

そして、亡くなった祖母の着物、叔母や母の箪笥(押入れ?)に数十年も眠っていた着物を引っ張り出し、まずは「着てみんと欲す」。
昔の人は、普通に(つまり、着付け教室にも通わずに)着物を着ていたわけだから、私もできるはず。

そうそう、屋形さんへ入った仕込ちゃんも、「毎日着る」という生活から、サッサと着られるようになったって、言うじゃない?

かくして翌年、2003年1月、お友達の祇園町の大きいおねえさんと某喫茶店で待ち合わせた。
(もちろん、私は着物姿よ!)
すでに奥の席にいらしたおねえさん、私の姿を見るや「???!!!・・・」あいた口がふさがらない様子。
今思えば、「何と言っていいのやら」とおねえさんは思ったに違いない。

振袖の草履、小紋の着物、留袖の帯、蛇皮のハンドバッグ・・・。つまり私は、家で見つけた帯や着物に合うだろうという小物で、単に「色を合わせた」わけ。だから、洋服的に考えれば、それほど変でもなかったと今も思うわ。
それに、着崩れはしなかったからねぇ。
家で朝から一人で、着物を着て、新幹線に乗ったのよ。

だけど、着物にはそれなりの格があって、それにある程度合わせる(今や、好みで自分らしく着る人も増えているけれど)ということは、当時の私には想像も付かなかったわけ。

で、おねえさんは、草履と帯締めでも変えればまだいいのかと無言のうちに思ったのか、喫茶店を出てた。おねえさんのお家へ一緒に行き、帯締めを下さり、白い草履を貸してくださった。ありがたや~。(今思えば、なるほど。それだけ変えるだけで、多少は真っ当になったと、当時の私も感じた)

そうか・・・着物の法則があるわけね。と悟った私は、突如、物凄い勢いで本を読みまくくった。すると疑問点が出てきて、知り合いのお茶屋のおかあさん、お友達の芸妓さんに電話で聞きまくり、もう、寝ても醒めても「着物」とさらに拍車が掛かった。十日町の呉服屋さんの奥様も、「着物を熱心に着ようとするのはエライ!」と、あれこれ教えてくださった。(よく、皆さんがお付き合いくださったものです。私は夢中だったので、人の迷惑顧みる余裕もなく・・・ホンマにすんまへん。)

その騒ぎの中、先斗町のおかあさんが若い頃の着物を出して、私に着せてくださり、それらの着物と一切の小物類をくださった!
最初あきれ果てた大きいおねえさんも、椿の帯や若い頃の鮫小紋や帯締めを下さった。祇園町のお茶屋さんのおかあさんは、私がブルーが好きと知り、美しいトルコブルーの源氏香と四君子が描かれた反物と西本願寺の天井画が織られている帯を下さった。私はそのブルーの着物で、茅ヶ崎の隠れ場へロケに来てくださった「美の壷」、[Begin Japanology]のインタビューに出た。

ああ、皆さんのご尽力のおかげで、今の私があるのだと思うと、感謝感激、身に余る光栄どす。おおきに!

そして、本日は、当時知り合った老舗の呉服屋さん「おか善」さんや田畑喜八先生のところで写真を撮らせてもらった。おか善さんは、今年9月に都ホテルで、盛大に「創業200周年記念」パーティーを開催なさり、私もお招きいただきまして、祇園町のおねえさん、おかあさん方とテーブルを囲ませてもろうたのどす。

日本の誇る工芸品「着物」。
“美しいものと美味しいもの”が好きな私は、着物を見れば、いつも感激どす。