口から肛門への一本の消化管、毎日文句も言わずせっせと働きエネルギーを補給してくれているのに、今まで何の注意も払っていなかった。今回腸閉塞を患って感謝の気持を初めて持った。
6mほど有る小腸は口側2/5を空腸、肛門側3/5を回腸といい、大腸はその部位によって、虫垂、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸S状部、上部直腸、下部直腸、肛門管に分かれる。今回の腸閉塞は、口からの「ダブルバルーン式小腸内視鏡:DBE」検査の結果、空腸下部に出来ていた輪状浮腫が原因と判明。病変部の病名は「
NSAIDs起因性腸炎」。幸い狭窄は極短く10mmそこそこなので手術をせず温存法でよかろうと言う事になった。
なぜ浮腫が出来たのか?強く疑われるのは2年前に心臓カテーテル治療で冠動脈にステント入れて以後の常備薬として服用している血液サラサラ薬「バイアスピリン」である。治療とこれの服用停止で、浮腫が引き閉塞は解消したが、まだ本来の太さ(3~4cm)には戻っていないし、自然修復することは無いらしい。よってある程度狭いままの腸をかかえたままの生活となる。暴飲暴食、丸呑み、ストレスに注意しなければならない。又原因とされるバイアスピリンをどうするか?服用中止は基本出来ないだろうから、代替薬をさがすか、保護薬を追加するか?これらは循環器内科の医師と相談し決める。
少し前まで小腸は「暗黒の大陸」と言われるほど、わからないことだらけの臓器だったらしい。近年内視鏡の進歩や「カプセル内視鏡」の開発で徐々に解明されてきている。これらのお陰で無用の腹切を避ける事が出来るように成って来たようだ。ロキソニン、インドメタシン、アセトアミノフェン、アスピリン等の鎮痛消炎剤(NSAIDs)が腸炎を起こす事があるのを初めて知った。とにかく無用な薬は飲まないのが1番だ。