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オバマ政権、航空機テロで失態 Our system did not work

2009-12-29 | 米国・EU動向
2009年12月29日(火)

クリスマスを狙った米国航空機爆破の企てに対して、アルカイダは、「イエメンにおける米軍の攻撃に対する報復であった」とし、「厳しい警備体制をくぐって爆弾を機内に持ち込めたのは勝利」との挑戦的な声明を発したことを、The New York Timesが伝えている。

いかにして犯人が検査をすり抜けることができたのかという疑問が生じるが、週末の段階で、Janet Napolitano国土安全省長官を含む政府高官は「警備体制は機能していた(“the system worked”)」と言明していた。

一方、先週木曜日から10日間の休暇をハワイで過ごしていたオバマ大統領は、事件後3日にわたり公の席に出てこの事件について語ることはなく、休暇に随行した係官を通して、「政府部内で協議中」とのみ発表してきた。

しかし、大統領がハワイの日光を浴び、サーフィンに興じる映像は、空港で長蛇の列を作って検査を待つ乗客の映像とは相容れないイメージを国民の前に晒した。次第に事態が明らかになった日曜日にいたって、Janet Napolitano国土安全省長官は前言を訂正し、「警備体制は機能しなかった。大変不満な事態である。広範な調査を行っている」と述べた。

そして、オバマ大統領は、この長官のコメントの数時間後にいたって初めて今回の事件に対する政府の対応に対する非難を沈静化させるため、「事件に関与したものをすべて探し出し、責任を追及するまで、政府は休むことはない(“We will not rest”)」と述べた。

犯人として拘束されているのは、23歳のナイジェリア人で、「直前にイエメンで爆弾をアルカイダから渡され訓練を受けた」と尋問に答えている。そしてナイジェリア政府の元高官で、銀行の幹部として知名人でもあるその父親は、「息子が過激な宗教観に染まり、行方不明になっている」と今年の11月19日にアメリカ大使館を訪問し告げていたのだ。

しかし、当人の来年6月まで有効なビザは、取り消されることはなかった。大使館の担当は「次のビザ更改の際は、全面的に調査要あり」と記入した報告をワシントンに送っていたが、彼の名前は、55万人のテロ組織とのつながりが疑われる人物リストの中に入れられただけで、「飛行禁止the no-fly list」措置は取られなかった。

14,000人の要厳重注意リストにも、4,000人の飛行禁止措置人物リストにも加えられなかったことについて、「一度くらい親族が通報したぐらいではこのリストに入れることはない」との政府関係者のコメントが伝えられている。

このため彼が、米国行きの切符をキャッシュで購入した際にも、チェックにはかからなかった。テロ関連情報は、関係機関にはすべて送られているが、それを総合的に分析し、対応する能力は米国政府でさえ持っていないことを証明した事件であった。