2010年1月28日(金)
民間債権格付会社のS&Pが日本の国債を、一段階引き下げてAA-とし、その信用度を中国と同一レベルにおいた。
だが誰も驚かない。そしてFinancial Timesは、菅政権にとっては、この格下げこそ、空を覆う借金漬け地獄の日本国の「黒雲」にも、裏側に太陽に照らしだされた「銀色の裏地」(silver lining)が必ずあるがごとく、「力強い後押しだ」と論評している。
理由は、国内の政争が続き、5年間に5人の首相が入れ替わる日本で、GNPの2倍の借金を抱える財政問題が、結局は二の次にされ財政再建が進捗しない現況を打開するための「格好の外圧」だというわけだ。
外貨準備も世界第2位、国債を保有するのはほとんどが貸し手を失い国債を買うしかない国内金融機関という日本が、ギリシャ型の財政破たんから金融危機に進むシナリオはすぐには想定されていない。S&Pは、「そこまで行くにはあと5年」あると担当者に語らせている。
ねじれ国会で予算案を通過させることが極めて微妙なときに、日本の財政問題を海外の格付け会社にその意味を教えてもらって、それをてこに政策運営を行うのはいつものデジャヴューである。
その政争の渦中にいる与謝野財務大臣が、FTのインタビューに答えて「このような財政改革の実現にはリーダーの強い意志が不可欠だ」("To realise such a reform, the strong will of the leader is indispensable,")と語っている。そうだ。日本にないのは金ではなく意志の力(will power)だ。
民間債権格付会社のS&Pが日本の国債を、一段階引き下げてAA-とし、その信用度を中国と同一レベルにおいた。
だが誰も驚かない。そしてFinancial Timesは、菅政権にとっては、この格下げこそ、空を覆う借金漬け地獄の日本国の「黒雲」にも、裏側に太陽に照らしだされた「銀色の裏地」(silver lining)が必ずあるがごとく、「力強い後押しだ」と論評している。
理由は、国内の政争が続き、5年間に5人の首相が入れ替わる日本で、GNPの2倍の借金を抱える財政問題が、結局は二の次にされ財政再建が進捗しない現況を打開するための「格好の外圧」だというわけだ。
外貨準備も世界第2位、国債を保有するのはほとんどが貸し手を失い国債を買うしかない国内金融機関という日本が、ギリシャ型の財政破たんから金融危機に進むシナリオはすぐには想定されていない。S&Pは、「そこまで行くにはあと5年」あると担当者に語らせている。
ねじれ国会で予算案を通過させることが極めて微妙なときに、日本の財政問題を海外の格付け会社にその意味を教えてもらって、それをてこに政策運営を行うのはいつものデジャヴューである。
その政争の渦中にいる与謝野財務大臣が、FTのインタビューに答えて「このような財政改革の実現にはリーダーの強い意志が不可欠だ」("To realise such a reform, the strong will of the leader is indispensable,")と語っている。そうだ。日本にないのは金ではなく意志の力(will power)だ。