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FTが伝える、ベトナム政治・経済情勢の重大な変調

2012-08-25 | グローバル経済
ベトナムの経済・政治情勢に大きな転機が訪れている。

Financial Timesは、同国の事情に関して、経済成長率が従来の7%から、今年の前半に4.4%に急減速していることをハイライトしている。そして、最近同国のAsia Commercial Bankの最高幹部が次々と逮捕・拘禁されたことと、同行に対する取り付け騒ぎが発生していることを伝え、これは同国を絶対支配する共産党の指導力の低下と、大型倒産の頻発にあせる同国首相の、政治の経済に対する介入として、ベトナムの混乱に警告を発している。

“There’s a political vacuum at the top in Vietnam and there is vast amounts of popular contempt for the leadership. It’s not easy to see how they will get out of this situation.”(政治の空白、そして指導層に対する幻滅が国民の間に広がっていて、その状況の修復は容易ではない)

90年代に始まった「ドイモイ」開放経済は、グローバル経済に直接さらされる規模に達したが、それに追いつく国内経済体制は整備されていない。共産党一党支配では、原始資本の蓄積不足を補えない。そして上から下まで、「腐敗構造」にどっぷり漬かった国情は、ほかの発展途上国以上とも伝えられる。すでにわが国の企業は、同国の腐敗のトラップにはまった事例が散発している。

ベトナム投資のリスクの見直しの時期である。