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コペンハーゲン幻滅夜話 ‘Hopenhagen’ to 'Brokenhagen'

2009-12-21 | 環境・エネルギー・食糧
2009年12月21日(月)

土曜日早朝までかかった気候温暖化ガス排出削減交渉は、強い疲労感を各国代表団に残して散会した。

この事態に、The New York Timesは、「欧州首脳の間に漂う欲求不満」(An Air of Frustration)を大見出しとし、「会場のEuropean Union pavilionは葬儀場と化した」と報じている。

またFinancial Timesは、「欧州企業トップは、確たる削減目標数字が示されなかったために排出削減に要する莫大な投資金額への対処方針が定まらないことに苛立ちを隠さない」と報じている。

一方、CNNの電子版は、「ホーペンハーゲン」(希望の港)に集まった人々は「ブローケンハーゲン」(夢破れた港)で終わるのをみて「コペンハーゲン」(商人の港)を去っていったと言葉遊びで会議の混乱振りを揶揄している。その記事を要約すると:

「2年間の準備と2週間の審議を経て、代表団は手ぶらで(practically empty handed)で帰国したのであるが、オバマ大統領が自画自賛したように、「意味ある(meaningful)成果」であったかどうかは、今後の議論しだいだ。

特にオバマ大統領の演説後の会場からの拍手がまばらであった(a slow hand clap)ことにすべてが象徴されている。各国代表は、握手をして集合写真を撮ったが、決めるべきことを将来合意しようとだけ合意したのだ(agreed to agree)。中国が反対した削減行動に対する国際査察がどうなったかもよくわからないままである。

今回の合意は、米国・中国・インド・ブラジル・南ア・EUの間で行われた必死のポーカーゲームの結果まとまったものだ。これらのメンバーは、混乱のまま終わろうとしている会議を救うために議長国オランダが選んだものである。(日本が入っていない)

グリーンピースの事務局長は、『今回の合意にしかけられた抜け穴は、オバマ大統領の専用機が通り抜けられるほど大きい。今夜のコペンハーゲンは、犯罪都市だ。罪を犯した男女が競って空港から逃げていく』と憤ってもいるしあきれてもいる」

The New York Times、Financial Times、CNNの三つに共通して出てくる言葉を集めると,disorder(混乱)、disorganization(無秩序化)、disarray(混乱)、disappointment(失望)とみごとに、接頭辞dis-がつく語彙集になった。