世界の動きを英語で追う

世界と日本の最新のできごとを、英語のキーワードを軸にして取り上げます。

米国のインフラ再建計画推進:Building Back Better Initiative

2021-11-07 | 環境・エネルギー・食糧


米国議会では、1兆ドルのインフラ予算法案と、1.75兆ドルの民生支援向け歳出・歳入法案は、民主党内部の意見の分裂で、その成立が危ぶまれていたが、ペロシ下院議長の采配で、インフラ予算法案のみを切り離してまず採決に持ち込むという作戦に転じ、米国時間金曜日夜に下院で可決された。

この法案は、すでに上院で可決しているので、バイデン大統領の署名で成立することになる。バイデン大統領の公共投資計画のうち、エネルギー・環境に直接関連するものを2つ抽出すると次の通りとなる:

1."Build a national network of electric vehicle (EV) chargers"
電気自動車の充電ステーションの全米ネットワーク構築:EVの普及のために何より重要な充電ステーションのネットワーク構築の75億ドルを投じ、ステーション数を全米で50万か所に拡大する計画。

2."Upgrade our power infrastructure to deliver clean, reliable energy across the country and deploy cutting-edge energy technology to achieve a zero-emissions future"
脱炭素のために必要な再生可能エネルギーの活用のためには、送電網の更新・増強が必須であり、このために650億ドルを投じる計画)

今後10年にわたり、老朽化した社会・産業インフラを110兆円という巨額の投資で、再建(Build back)しようとする壮大な計画となる。わが国も成長とインフラ再建を同時に果たし、脱炭素に向けて力強く舵を切る政策の推進が望まれる。

GE ハドソン河のPCB汚泥除去に本腰 New York Toxic River Clean-up

2010-12-25 | 環境・エネルギー・食糧
2010年12月25日(土)

NYに流れ込むハドソン河の川底に大量に堆積したPCBを含む汚泥は、米国の環境汚染問題の中でも最も大きくかつ長期に渉って論議の的になってきた。このほどその責任を問われてきたGEが、本格的に除染に取り組むことを発表し、このために第4四半期決算で5億ドルの引当金を積むこととしたとFinancial Timesが報じている。

GEはハドソン河上流にあったキャパシタ工場から、戦後から77年にその使用が禁止されるまで30年間にわたりPCBを川に垂れ流したことはGE自身も認めてきた。そのために、GEはすでに8.3億ドルを対策費用として支出してきたが、全面的な除染作業には乗り気ではなかった。

この結果、GEは米国環境庁(EPA)とは長年係争状態にあったが、第一次除染作業の結果、汚染汚泥の堆積が予想を上回る規模であることが判明し、このままでは、「エコマジネーション」(Ecomaginination=ecology+imagination)というキャッチフレーズまで造語して、環境保護に熱心な企業というイメージつくりに励む企業にはふさわしくないという局面に立たされていた。

こうした中で、環境庁の強い指導姿勢に従う形で、GEは今回の措置に踏み切ったものとFTは報じている。環境庁高官は、「両者ともに問題解決を急がねばならないということでは一致している。GEも本気になった(They are stepping up to the plate.)」 と言明している。イメルト会長は、「第3四半期の5億ドルの償却など、今後の決算予想から考えれば、問題にするほどのことはない(The fourth quarter charge would take the Hudson issue off the table when looking at the future financially.)」と余裕を見せている。

BPと米政府、対策で意見衝突 To be Driven by the Science

2010-07-19 | 環境・エネルギー・食糧
2010年7月19日(月)

BPは、先週木曜日に油井の開口部に対する封入キャップの取り付けが完了したことにより、メキシコ湾への油流出阻止に成功した。しかし今後の措置でBPと米国政府間で深刻な対立が生じている。

本日の各紙の見出しを見てみると、有力紙で封入成功を強調しているのは、次の2紙である。
Financial Times: Containment cap working, says BP(BP、封入キャップは有効と言明)

The New York Times: Optimistic BP Hopeful that Damaged Well Can Stay Closed (BP、損傷している油井の閉塞は持続可能と楽観視)

一方、日曜日になってにわかに今後の措置について両者の意見対立が明らかになってきたがそれを反映した見出しをつけているのは次の二つである:

Washington Post: BP, Allen voice dueling views on fate of oil cap(BPと米政府責任者、封入キャップの措置で意見対立)

ABC放送: BP, Feds Clash Over Reopening Capped Gulf Oil Well (BPと政府、キャップを開けるか否かで衝突)

BPは、「とりあえず油の流出が阻止できているので、キャップをそのままにしておき、現在掘削中で問題の油井管に今月末までには到達する「救出用パイプ」 (relief pipes)を油井管に接続し泥(mud)を注入して永久に油井を埋め殺したい」としている。

一方、米国政府は、「現在とりあえず止まっているが、封入圧力の値が予想値より低いのは、キャップで流出を阻止したため、原油が海底下の地層のどこかに漏れ出している懸念がある。また無理やり封入を続けると油井管が、内部圧力の上昇で破断し、制御不能の流出につながるのではないか」と心配している。

そのため、キャップを外して原油を再び流し、全量を海上の油回収船に吸い上げるべきだとするのが米政府の主張。一方、BPは「とりあえず止まっているのだからこのままにしたいという態度を取っているが、「だれも原油が油井から流出しているのをもう一度見たくないだろう」 と本心を語っている。米政府責任者は、「すべての決定は科学的な根拠が必要」(all decisions are driven by the science)との立場である。

失敗が許されぬ状況での双方の責任者の意見対立は深刻である。特にBPにとっては、会社存亡の危機における重大決定を迫られている。すでに3ヶ月間で流出した原油は最大184百万ガロン(約74万kl)と米国政府は算定している。


BP油汚染、ミシシッピ沿岸に到達 Still Looking at mid-August

2010-06-29 | 環境・エネルギー・食糧
2010年6月29日(火)

ABC放送が、BPの事故現場から流出した油汚染物が、ルイジアナ州とフロリダ州沿岸に加えて、ミシシッピ州沿岸を襲い始めたこと、そしてメキシコ湾内に、ハリケーンAlexが発生し、予想進路は現場海域を避けている模様であるが、海面が荒れると油除去作業に大きな影響が出ると報じている。

また同時に、Haley Barbourルイジアナ州知事(共和党)は、数週間前までは、「油汚染もうちの州くらいまで来たら、毒性も薄まるから大丈夫、歯を磨いたあとの口すすぎには向かないかもしれないが」などと軽口を叩いていたのが、油膜が初めて州沿岸に到達した事実を前に、「わが州は油汚染対策は全く準備不足だ。救援措置をお願いしたい」と態度を一変させたことを報じている。

知事が、今頃になって、「州民のみなさんに正直にならないといけないので申し上げるが、もし油膜がこのまま北に向かいわが州に続々と到達したら、その対策のための装備は全くできていないのです」と、連邦政府の救援措置を求めたのである。この知事の政治生命にも影響が出ることは必至であろう。

BPは、オバマ大統領との会談と議会公聴会で「2兆円に及ぶ災害補償金を第三者が管理する供託勘定(an escrow account)に置くことに加え、事故後メキシコ湾における掘削作業の停止命令によって失職した労働者への救済のために別途100億円を拠出する」ことをコミットしている。そして、BPが今日まで支出した事故対策費は、現時点で優に2000億円以上となっている。

オイルリグ、Deepwater Horizon号が4月20日に爆発炎上して11人の犠牲者を出してから70日が経過した。現在洋上では、オイルフェンスの展開によって油汚染の拡大を阻止しながら、油井から噴出する原油の回収とガスのフレア燃焼の努力が懸命に続けられている。

初期の油井からの流出阻止策がことごとく失敗するとともに、流出量の見積もりが過小評価であったことから、漏出の阻止は困難を極めているが、それでも新工法(the containment system)による現場での回収は日ごとに増加し改善が見えている。現時点での噴出原油は、日量約10,000klであるが、そのうち約4,000klが、油回収船に引き揚げられているという。

現在並行して、完全な漏出阻止のために現場近傍から事故井まで、救援井(a relief well)を掘削するため、深海で最新の注意を必要とする作業が続けられている。完成は8月とされている。

前代未聞の広範囲の環境汚染の影響、漁業・観光業に与えた打撃と失業問題、メキシコ湾における石油探査作業の全面的中止命令、と被害の巨大さは図り知れない。

それに加えて、従来からも心配されてきた、ハリケーンの襲来に対する対策が、関係者の焦眉の急となってきた。


オバマ、BPに2兆円補償基金設定させる The Small People

2010-06-17 | 環境・エネルギー・食糧
2010年6月17日(木)

オバマ大統領はBPの二人のトップ、Carl-Henric Svanberg 会長と、Tony Hayward CEOをホワイトハウスに招き、メキシコ湾における油井の爆発炎上後続く原油流出による環境汚染対策について協議した。

4時間に及ぶ会議の後、オバマ大統領は、「2兆円に及ぶ災害補償金を第三者が管理する供託勘定(an escrow account)に置くことに加え、事故後メキシコ湾における掘削作業の停止命令によって失職した労働者への救済のために別途100億円を拠出することにBPが合意した」と発表したとFinancial Timesが報じている。

この供託金は、油汚染除去作業費用と、事故によって被害を受けた湾岸4州の企業・住民の経済的損失に対する賠償に充当される。管理者に任命されたのは、リーマンショック以降破綻したGMやAIGの経営監視にあたったKenneth Feinberg氏である。

会談後、Svanberg会長は記者団に、「会談は建設的(constructive)であった。われわれは株主に対する配当を中止することでも合意した」と語ったあと、

「米国民にわれわれは真面目に取り組んでいることを示すための枠組みで合意した。事故の影響を受けた人々を救済し、環境破壊と経済的損失を修復していくつもりである。BPはこれまでも義務に忠実であったし、庶民(the “small people”)に手を差し伸べてきた会社である」と付け加えた。

一方、オバマ大統領は、「BPに対しては、(現在日量35,000ないし60,000バレルの割合で)噴出している原油を今月末までに90%回収するようにあらゆる手を打ち、今夏に予定されている新規油井管(a relief well)の完成によって恒久的対策を完了させるよう強くBPに求めた」ことを明らかにした。

The Wall Street Journalは、BPが財務体質の強さに対する自信を示す発言を続けていることを報じている。「BPのキャッシュフロー創出力は、年間3兆円。銀行からの当座貸越上限は1兆円に設定されている。借入金依存率は20%台の下である」

しかし、同紙は、1997年以来最低のレベルまで落ちた株価が、今回の損失額の上限が見えないことの投資家心理の反映であるとし、配当中止の与える年金ファンドを中心とする機関投資家への影響の大きさを指摘している。

格付け会社のFitch ratingsは、BPの格付けを一挙に6段階引き下げてジャンク債の真上のところまで落としたことがすべてを象徴している。これを受けて5年物の同社債券の破綻保険(CDS)の料率は、4.95%から6.23%に急上昇した。

現在BPが被るであろう損失上限については全く推定の域を超えず、それも2兆円から8兆円と大きくばらついている。そうした中で、上記のBPの収益力に加えて、資産価値としては180億バレルの確認埋蔵量を持っていることが改めて評価されている。1バレル70 ドルで計算すると約120兆円に相当する。

BP会長が、「The small peopleの面倒は見てきた」と豪語できる理由はここにある。


オバマ、演説で「BPに払わせる」と宣言 BP’s Recklessness

2010-06-16 | 環境・エネルギー・食糧
2010年6月16日(水)

オバマ大統領は、日本時間の本朝9時にホワイトハウスからメキシコ湾における油汚染に関してテレビ演説を行い、事故を起こしたBPを、危険をあえて冒した(reckless)行為の結果であったと強く非難し、メキシコ湾岸を汚染した損害をすべて支払わせると宣言した。

大統領の口調は、「我が国の海岸に襲い来る油汚染という敵を撃滅せよ」との宣戦布告を思い起こさせるものであり、このホワイトハウスの大統領執務室(Oval Office)から行う初めての大統領演説はまさに、油汚染除去、住民の救済、再発防止に向けた「戦争計画」の発表の場と化した観を与えたと、ABC放送が伝えている。

そして、BPに向けた挑戦的なメッセージは、「BPが起こした損害は必ず払わせる」(“We will make BP pay for the damage their company has caused,")に象徴的に表れている。

さらにBPに対しては、損害賠償の基金を創設し、それを第三者機関に管理させることを要求した。この件は、現地水曜日、ホワイトハウスを訪問予定の同社会長と、CEOに正式要求されることになるであろう。

BP側はこれに関して、「わが社も大統領と目的を同じくしている。明日の大統領との会談で建設的に話し合いたい」との中立的コメントを出しているのみである。

またオバマ大統領は、その演説の1/4の時間を、脱化石燃料と再生可能エネルギーの開発の必要性を訴えることに費やした。「一日1000億円の原油輸入代金が流出し、このように危険がある深海底からの採掘をしなければならない状況からの脱却」を、クリーンエネルギーへの転換によって図るべきであると繰り返し訴えたことは注目すべき点である。

BPをはじめ、オイルメジャー5社の幹部は、この日下院エネルギー・環境小委員会の公聴会に召喚されたが、BP以外の各社からは、「BPの操業方法が異例であり、各社では起こり得ない事故」であったとの趣旨での証言が相次いだことや、「安全よりもコストとスピードを優先せよ」とした社内メールが委員会から暴露されたことも同社の立場を苦しいものにしている。


オバマ、BP幹部とホワイトハウスで会談予定 Drill, Spill, Bill

2010-06-15 | 環境・エネルギー・食糧
2010年6月15日(火)

オバマ大統領は、月曜日夜の米国民へのTV演説の直前、原油汚染現場へ4度目の視察を行い、BPに対して原油流出の抑止と損害賠償への圧力を強めるとともに、「この環境汚染災害は、9/11が米国の安全保障の脆弱性への認識を根本から変えたように、今後の米国民の環境とエネルギー問題に関する考え方に大きな影響(a profound impact on American thinking)を与えるだろう」と述べた。

BPに対しては、万一同社が倒産しても損害賠償に支障が出ぬように、2兆円の特別基金(a ring-fenced fund)を設定させる動きが急となっている。同社株は、こうした動きを反映して、月曜日9.4%下落したとFinancial Timesが伝えている。

今週、BPは極めて厳しい査問の連続にさらされる。

火曜日には、幹部が米国議会の証言に他のオイルメジャーの幹部とともに召喚されている。ここでは他社は、「今回のような原油流出事故は防ぎえた(preventable)と証言し、BPとは一線を画す」方針であると同紙が伝えていて、BPは尚一層窮地に立たされる公算が高い。

水曜日には、BP会長Carl-Henric Svanberg氏と、傲岸不遜である(insensitive and self-serving)と非難されているCEOのTony Hayward氏が、オバマ大統領とホワイトハウスで会見予定となっている。ここでは、上記の特別勘定(an escrow account)の設定と、BP社の直近の配当金約1兆円の棚上げについて結論が出されるはずとThe New York Timesが伝えている。

木曜日には、Tony Hayward氏自身が、米国議会の証言に立つこととなっており、原油汚染に対する責任の所在確認、恒久対策による原油流出抑止策、損害賠償資金の確保、配当差し止めについて確約を求められるはずである。

一方、爆発炎上して今回の大環境汚染の原因を作った海上オイルリグは、BPが所有者であるスイス籍のTransocean社からリースを受けていたものである。Transocean社は、「その賠償責任は1851年制定の海事責任制限法(the Limitation of Liability Act of 1851)に基づいて、27億円以内である」との主張をしてきた。

それに対して、米国法務省はかねてより「Transoceanの主張は、不道徳極まりないもの("simply unconscionable.")である」として、連邦地裁に判断を求めていたが、それに対して、Houstonの連邦地裁は、Transocean社の主張を退ける判断を示し、本件は、空気と水汚染に関する環境関連法や石油汚染法(the Oil Pollution Act of 1990)の適用を受け、海事関連の責任制限法の救済は受けないことが明らかにされたと、The Wall Street Journalが報じている。

遅まきながらも責任を認めて行動を始めているBPと、責任回避に必死のTransoceanと好対照の企業防衛姿勢が明らかとなった。

The New York Timesは、上院民主党有力議員のHarry Reidは、BPに送るべき言葉はこれだけだと言ったと報道している。「掘削(drill)して、流出(spill)させたら、勘定(bill)を払え」 。


オバマ、キャメロン英首相とBP問題対話開始 Adult Leadership

2010-06-14 | 環境・エネルギー・食糧
2010年6月13日(日)

ホワイトハウスの土曜日の午後のブログは、オバマ大統領が土曜日朝に幹部クラスの大統領補佐官たちと事前打ち合わせをしてから、英国のDavid Cameron首相と電話会議を行ったことを伝えている。

今回の電話会議の最重要議題であったはずの、メキシコ湾原油流出汚染拡大に関するBPの責任追及問題に関しては、「両首脳は、悲劇ともいうべきこの原油流出問題に関して協議をし、BPは責任ある態度でこの状況に対処するべく全力を挙げねばならぬとの立場を再確認した」と、最後の部分でごくごく簡単に触れているのみである。

ブログはまず、「オバマ大統領は、キャメロン首相と、同首相が5月に就任した際、電話をかけて祝辞を述べて以来、初めてとなる実質的に内容のある討議を行った」と、大統領報道官による公式発表を引用しながら、「今月後半にカナダで会うこと、7月20日に同首相がワシントンを公式訪問する時に話し合うことを楽しみにしている。両国の特別な関係と歴史を重んじていきたい」とキャメロン首相への大統領の言葉を伝え、

「両首脳は、直前にキャメロン首相が現地を訪問したアフガニスタンの問題で、NATO同盟軍による作戦行動の継続を再確認した。イランに対する核問題に関する国連制裁決議については、EUの欧州理事会の場でのさらなる具体的行動についての協議への期待を話し合った。またカナダにおけるG8/G20に向けての経済関係の懸案についても話し合った」としている。

そして、上述のBP問題に触れたあと、「二人がお互いの立場を譲らなかった(agreed to disagree)のは、12日のワールドカップサッカーにおける両国チームの勝敗の帰趨である。大統領はビールを賭けることを提案した」との趣旨で発表を結んで、雰囲気が友好的であったことをことさら強調している。

米国では、オバマ大統領がBPに対する責任追及の急先鋒に立っていて、「徹底的に損害賠償をさせる」との決意をなんども繰り返している。その結果、「BPは、補償を優先するために投資家に対する配当を中止すべきである」、「メキシコ湾内での探査作業を中止させられたことに対する、休業補償やレイオフに伴う賃金補填をさせよ」などの世論が巻き起こっている。

さすがに共和党有力議員たちは、「BPを悪者扱い(demonizing)しても問題の解決にはならない」、「大統領は、悪者探しに汲汲としているのはいかがなものか(looking for “ass to kick”)」 「とくにこのところのオバマ大統領は、大人げない指導者 (the lack of adult leadership)だ」との批判を強めている。

さらには、「BPを破産に追い込むより、生かして補償させるほうが先決」との現実論も強まっている。BPも損失額が確定しない今、配当は一時的に中止して、供託勘定(escrow account)に入れておく案を検討中とつたえられている。

BPの損失推定額は、下は5000億円、上は4ないし8兆円と大きく異なっている。また事故直後の原油噴出量が日量1000バレルと推定されたものが、最新の推定では40,000バレルに達している一方、BPが先週金曜日に回収できたとしているのが、15,400バレル。油井の完全制御には早くても今夏いっぱいはかかるというのが現在の見通しである。

これまでの50日間でBPは対策費用にすでに1500億円を支出している。一方BPの手元現金は1500億円であり、今後5年間でのキャッシュフロー創出力は18.5兆円とされている。また、事故発生以来、約8.5兆円を失ったとはいえ現在の時価総額は10.5兆円を保持している。

BPは英国企業であるが、NY株式市場にも上場しており、その株式の40%は米国人が保有している。今回のオバマ大統領の、キャメロン首相へのソフト対応がその事実の重みを示している。そして両首脳にとってBP問題は、経済問題を通り越した重大な環境問題であり政治問題となり、二国間の外交問題ともなった。




BP格付け引き下げ、メキシコ湾油汚染続く BP's Downgrade

2010-06-04 | 環境・エネルギー・食糧
2010年6月4日(金)

BPがメキシコ湾内で開発していた1500mの深海海底油田において4月20日に発生した爆発事故で、オイルリグ上にいた11名の死亡が確認されているが、破壊された油井からの原油とガスの流出はその後も続いている。

BPは巨額の費用発生と損害賠償に備えて、約1兆円の株式配当支払いを凍結することを発表し、年金ファンドをはじめとする機関投資家に衝撃を与えている。株価は事故発生以来34%下げている。

そして昨日、格付け機関のMoody’s は、Aa1からAa2へ、FitchはAA+から2AAへとおのおの1ノッチ引き下げた。この発表以前から市場では、BPの社債への信用保険(CDS:クレディット・ディフォールト・スワップ)の料率は急上昇していて、取引には前金を要求される事態となっている。

BPの債務保証保険料は事故前に、10万ドル当たり40,000ドルであったものが現在230,000ドルに上昇、BPに次いで責任を追及されることが必至のオイルリグの所有会社Transocean社の料率は495,000ドルにも達している。

事故対策の経緯を振り返ると、BPはまずドーム型の重量構造物を海底に下ろして原油を封入する方法を試みたが、噴出するメタンガスが海底の水圧でシャーベット状に固化して原油を洋上に吸い上げるパイプ部分を閉塞させてしまい失敗。

次に泥状物質を油井に注入したうえで、開口部にゴミを大量に堆積させて噴出を抑止しようとしたが失敗。現在は、油井管をロボット切断機でカットし、キャップを嵌めようと試みている。第一回目は切削工具が破損して失敗し、現時点で第2回目を試みていると、BBC放送が数時間前のニュースとして伝えている。

すでに流出した原油量の見積もりは、日増しに上方修正されて、今や50万バーレルに達したとされ、いまなお日量12000-19000バーレルで続き、BPはすでに対策のために関係4州に対して約1000億円を支出した。

現在の試算では、早期に流出を止めることができても同社の直接支出と損害賠償金や罰金を合わせると損失は8兆円になるとの試算も出ている。

環境汚染とメキシコ湾内の漁業と観光産業への打撃は大きく、米国国内の大きな政治問題となっているが、連邦政府の初動対応や、普段の油田開発の監視と規制が手ぬるかったことを責める世論は日増しに強まっている。

このためオバマ大統領は金曜日に3度目の現地視察を行うこととしており、最大の関心事であるとの政治的ジェスチャーを示している。オバマ大統領は、油汚染対策と二次損害について、「最後の一銭(every dime)までBPに払わせる」と言明している。連邦政府として70億円の費用請求をその第一弾として行うと、木曜日にホワイトハウスが発表した。


一方、連邦検察当局は、このオイルリグ爆発事案に対して、BPの刑事・民事責任の両面から調査を開始すると発表している。


BPのCEO、Tony Hayward氏は、今回の対策の成果は、ここ24-48時間内に判明するとしているが、いずれにせよ、恒久対策は別の油井を掘削して現在の問題油井を完全に殺すこと以外にないとされている。その対策は8月以降になるので、大量の原油汚染は今夏まで続くことが確実であるとの見方が強い。

米政府は、昨日メキシコ湾内の石油探査事業許可を全面的に取り消した。BPは深海底での探査・掘削に関する技術的な知見が不足していたことを認めている。





BP油井封入失敗、大災害に “An Environmental Catastrophe”

2010-05-30 | 環境・エネルギー・食糧
2010年5月30日(日)

先週末から、BPが大きな期待をかけて実施してきた”top kill”と称する対策が、失敗に終わったことを、Financial Timesが報じている。

深海底から噴出する原油とガスを封入するために、比重の大きい泥状物質を油井管に流し込み、その上から、ゴルフボールやタイヤの切片を大量に投げ込む作戦は、数度に及ぶ試みと、楽観的なBP側のコメントもむなしく失敗した。
 
メキシコ湾岸のルイジアナ州沖合、1500mの深海からすでに流出した原油量の見積もりは、日増しに上方修正されて、今や流出開始から40日で45万バーレルに達したとされ、いまなお日量12000-19000バーレルで続いている。

BPはすでに対策のために約1000億円を支出した。同社CEOのTony Hayward氏は、「これは環境破壊の大災害」(an environmental catastrophe)であると認めたが、現在の試算では、早期に流出を止めることができても同社の損失は8兆円になるとされている。Top killが失敗した今となっては、BPにとってのみならず、関与した企業の存亡を脅かす問題に発展する可能性がある。

さらに言えば、この問題はメキシコ湾内のエコシステムの破壊という前代未聞の重大な環境問題となることは必定である。そしていまやオバマ大統領にとっては、政権を揺るがしかねかねない政治問題と化した。

大気汚染のような目に見えない問題ではなく、海面や海岸、潟地が原油にまみれ、鳥や魚が油まみれで死んでいく姿を毎日TVが映し出す。オバマ大統領はすでにルイジアナ州の現場に2度出かけていて、金曜日には現地で、「私は大統領だ。すべての責任は私にある」(“I am the president and the buck stops with me,”)と語っている。

オバマ大統領は、当初のやや甘い対処を急激に硬化させていて、メキシコ湾岸、バージニア沖、アラスカ沖の深海底を含む海底油田開発の中止を決めている。

月曜日は、メモリアルデーの休日である。火曜日から米国議会、関係4州政府、環境団体がこの問題を取り上げることになる。中間選挙を前に、米国はこの問題で国を揺るがす問題に直面する。

オバマ、メキシコ湾油汚染問題に怒り、責任者解任 ‘Top Kill’

2010-05-28 | 環境・エネルギー・食糧
2010年5月28日(金)

カリフォルニア州からルイジアナ州入りしたあと、オバマ大統領は、いまなお原油流出が続く事態に怒りもあらわにして、政権の対処を弁護し、BPを厳しく指弾の上、今後取るべき道について演説した。

この緊急演説の背景には、原油流出から5週間たって、非難の矛先が大統領自身や政府に向かってきたという事態がある。世論の60%は「政府の対策に不満」と答えている。流失している原油量はすでに日量12000バーレルに達していると、当初の見積もりが低すぎたことを公式に認めた。

このような政権の初動動作の不手際と事態掌握の甘さに対する厳しい世論に対抗するために、「石油業界と規制当局の間に長年にわたり存在してきた癒着構造と腐敗」(“cosy and sometimes corrupt” relationship between regulators and the oil industry)を非難し、それと同時に本件の直接担当者である鉱物資源局(MMS)局長Elizabeth Birnbaum氏を事実上解任した。

石油業界から強く反対の声が上がる中、それを押し切ってオバマ大統領はメキシコ湾内の試掘作業中の33本のリグの活動を禁止するとともに、深海探査作業も6カ月の停止措置を取った。またアラスカ・バージニア沖合の鉱区開発権の契約を無効とした。

怒る大統領は「今回の恐るべき災害(the "horrific disaster")のBPの責任をあくまで追求する」と演説し、「政府主導で対策をやっていく。BP任せにはしない」と宣言した上で、今回発生した損害は、最後の一銭(“every dime” )までBPに払わせる」とBPへの責任追及を苛烈におこなうと決意表明した。

これまでBPは油の噴出を封ずるためにいくつかの対策を試みて失敗してきたが、昨日から’top kill’と呼ぶ、泥状物質を油井に注入して噴出を封入しようとしている。この試みは、最初成功したかに見えたが、日本時間の本日早暁になって何らかの理由によって中断している。

BPは、作業過程に改善を加えて今にも再開の見込みであるが、「成功不成功の判断には一日以上はかかる」としている。NYの石油関連株は木曜日に軒並み急上昇したが、これはこの工事が中断されるまでの一時的な成功に対して市場が反応したもの。

米国のエネルギー政策を根本から揺るがした今回の事故は、エネルギー産業、特に原子力産業、石油産業、ガス産業に多大の影響が出てくるものと予測される。環境保護団体が今のところ静観しているが、今後の彼らの動向も大いに注目される。


オバマ、沖合油田開発の新規制導入発表 ‘Risky Fossil Fuels’

2010-05-27 | 環境・エネルギー・食糧
2010年5月27日(木)

BPは、メキシコ湾で発生した深海底油田事故後の対策として、「トップキル」(top kill)と呼ばれる、掘削時に使われる比重の重い泥状物質を油井に注入する手法を、日本時間の午前3時に開始した。BPは予定通りにいけば24時間以内に首尾が判明するとしている。成功の確率は60-70%という。

この4月20日に発生した事故によって、沖合油田掘削設備(offshore oil rigs)の建設許可・監督に手抜かりがあったことが明るみに出たうえ、事故後の対策が甘く、遅れたことに対して議会や世論は、BPをはじめとする開発業者のみならず、米国政府に対する非難が強まっている。

これに対応するためオバマ大統領は、新規の海底油田開発に対する全面的規制措置(sweeping new regulations for offshore drilling)をとる方針であることを発表した。

オバマ大統領は、木曜日にカリフォルニアの太陽電池パネル工場を視察した際に、「米国はこのままリスクの大きい化石燃料の使用を続けていくわけにはいかない。油の海上への流出は心が痛む」と発言した。

「事故対策を万全に行い油の流出を必ず止めると約束する。完全に油の流出が止まり、環境汚染が修復され、清掃が完了するまでは、心安らかになることはない。だが、これから先もまだ石油への依存は続く。脱石油は来年や10年後という時間軸では起こらない」と演説した。

この演説の最後の言葉は重要である。オバマ政権は、メキシコ湾内の新規油田試掘は禁止すると見られているが、アラスカでRoyal Dutch Shellがすでに3000億円を投じた油田開発は許可を続けるものと観測されている。

石油利権は政権の根本を揺るがしかねない大きな問題であるので、オバマ大統領は簡単には、「環境保護」だけを」政策にして、石油メジャーを的に回すわけにはいかない。

こんどの海底油田、特に深海底での油田開発は当面ストップがかかるので、陸上側で有望視されているシェール(頁岩)内に「無限に埋蔵されている」とされるシェールガスの開発業者は元気付けられている。しかし環境団体は採掘の際、頁岩に注入される大量の化学剤の地下水汚染を問題し始めている。

エネルギー開発と環境破壊、エネルギー消費と環境汚染という二律背反を、「経済的に可能」(economically feasible and sustainable)にするというのが21世紀型のパラダイムである。


オバマ、原油流出事故で関係者を非難 A Cozy Relationship

2010-05-15 | 環境・エネルギー・食糧
2010年5月15日(土)

金曜日、オバマ大統領は、Janet Napolitano国土安全省長官、Ken Salazar内務省長官およびSteven Chuエネルギー省長官を従えて記者会見を行い、ルイジアナ州沖メキシコ湾の深海油田での爆発事故に起因した原油流出を止めることができない事態に対して関係者を非難した。

まず、連邦政府の油田探査・開発の許認可権を持っている部署が、石油会社と長年馴れ合い(a cozy relationship)を続けてきたことを認め、今回の事故の責任の一半が政府にあることを公式に認めた。

オバマ大統領は、「二度とこんなことは会ってはならないし、起こさせない」(That cannot and will not happen anymore)と宣言した上で、レーガン大統領が旧ソ連との核兵器削減条約の際使った言葉である「信用はする。しかし検証する」(We will trust, but we will verify)を引用して、許認可プロセスの建て直しを誓った。

そして返す刀で、今週始め議会証言に召喚された関係企業のトップが責任回避のためにお互いに責任を擦り付け合ったことを「笑止千万の大芝居」( a ridiculous spectacle)と切って捨て、「これ以上責任の擦り付け合いをする無責任は許さない」(I will not tolerate more finger pointing or irresponsibility)と非難した。

事故の責任を問われるのは、油田開発事業を行うBP(英)、掘削作業を請け負うHalliburton(米)、そしてオイル・リグをリースし運営を請け負う Transocean(スイス)の3者である。

事故以来の経緯については、本欄で取り上げてきたが、本日現在原油とメタンの流出の阻止作業はことごとく失敗し、日量5,000バレルでの噴出は続いている。BPは一日10億円以上を出費しており、費用と賠償の総額が天文学的数字になる可能性が否定できない。

二酸化炭素排出権価格欧州で突然の反転上昇 A Small Fillip

2010-04-08 | 環境・エネルギー・食糧
2010年4月8日(木)

欧州の二酸化炭素排出権取引市場の現状をFinancial Timesが報じている。

EUの排出規制を達成するために、個々の企業は割り当てられた排出量を超えた場合、排出権市場から上限(cap)を超えた分を、余剰を持つところから購入する(trade)ことが義務付けられている。これが、’cap and trade’の考え方である。

2009年の産業界の炭素換算排出総量は、約18.8億トンと推定されているが、景気後退の影響で前年比11%減少した。一方排出許可枠として発行された量は20.4億トンに達してしまったので、排出権市場では、約8000万トン分が過剰となっている。

グリーンピースなどの環境団体は、排出許可の上限設定が高すぎるためにこうした事態に陥ったと、上限(cap)の引き下げを求めている。

こうした供給過剰状態のため「2006年の再来」で、市場は価格の下落による崩壊が懸念されたのであるが、イースター休暇に入る直前に排出権価格は、トン当たり13.50ユーロまで持ち直した。

悪いニュースばかりが続く欧州取引市場で、このように価格回復の兆しが出たのは、市場存続への「一縷の光」だとFinancial Timeは論評している。

それではなぜ供給過剰なのに価格が上昇したのか?排出権取引に関する悪材料はすでに価格に織り込まれてきたことや、来年以降景気回復後に排出量が増えることを予想した企業が、買い持ちに走ったことが原因であると推定されている。

この価格の持ち直しは、気息奄々の状態の欧州排出権取引市場には、多少のカンフル(a small fillip)でもある。欧州排出権市場は、昨年来その存続すら疑問視される問題が続発してきたのである。

まず昨年後半に排出権取引に関する消費税(VAT)の着服詐欺事件が発覚した。そして1月には、ハッカーが’phishing’という手口で、取引市場のデータベースに侵入を許して信用を失墜するという事件があった。またハンガリー政府が、国連のCDM制度を利用して排出権を入手して、これを市場に流し、サヤ抜きで利益を上げるという前代未聞のスキャンダルが発覚した。

欧州の排出権取引は、その第1フェーズが2005年に開始され、現在9.3兆円の規模に達している。しかし開設当初は、産業界への無償排出権枠割り当て(quota)があまりに多かったために、2006年には値崩れを起こし、価格はzeroまで落ちて世界から冷笑された。

現在2008年から始まった第2フェーズとなっている。企業は排出権割り当ての一定量を市場から購入することを義務付けられている。2013年の第3フェーズにはその購入義務量は引き上げられることになる。

最終的には、2020年に、20%の排出削減を「もっとも経済的に」実現することを目指すとするのが、この’cap and trade’の考え方に基づく排出権市場の基本構想である。

しかし昨年12月のコペンハーゲンにおける温暖化防止条約締約国会議(COP15)において、排出権取引の国際的な枠組み形成に失敗した。さらに、米国では共和党が産業界の反対を代表して、オバマ政権に排出権取引枠組みへの参加を事実上導入をあきらめさせていることなど逆風が続いている。また日本、カナダ、オーストラリアでも本格導入の政治的基盤は整っていない。

そして、排出権取引を、リーマンショックで崩壊した市場原理主義による金融資本主義支配の新たな「道具」にしようとする動きもないわけではない。



ゴーン、電気自動車市場争奪戦を予言 Electric Car Scramble

2010-03-04 | 環境・エネルギー・食糧
2010年3月4日(木)

3月2日より、第80回ジュネーブモーターショーのプレスデーがスタート、4日より一般公開が始まる。

Financial Timesは、ルノー・日産のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)氏は、電気自動車時代の到来を確信し、ルノー・日産のみが態勢を整えていると、ショーの会場で高らかに宣言したことを伝えている。

「ルノー・日産のみが2010年までに市場に電気自動車を供給できるので、利益を(独占的に)享受できる」

「賭けても良いが、電気自動車は供給不足に陥ることは確実だ。2011年と2012年には自動車本体と電池の製造工場建設に追われることになる」

「欧州15万台、日本20万台、米国20万台以上の製造能力の準備をすでに整えたが、これは誰にも追随を許さない」

「ショーには他社がプロトタイプを出品しているが、見せるのと作るのでは大違いだ。2011年に市場を押さえるのはわがグループ以外にはない。日産とルノーは、近く全面的に電気自動車化したモデル’Leaf’の発売を開始する」

「イスラエルから、電気自動車と社会インフラの統合したプロジェクト向けに、10万台のセダンを受注した。フランス政府は、公用車に10万台を使用することになっている。これらの数字の意味は重い。生産能力を増強しなければならないと考えているが、さらに投資するかは、市場の反応を見る必要もある」

電気自動車への充電インフラを大規模に敷設する動きは各国で緒に就いたばかりであるというのも事実である。自動車業界アナリストの中には、電気自動車は、ニッチ・プレーヤーにしかなれないとする意見も一部には強い。

また、電気自動車は、ルノー・日産だけの独壇場ではない。プジョー・シトロエンは今年後半に欧州で電気自動車を販売する予定であり、三菱自動車はすでに販売を始めているからゴーン氏が言うように市場独占ができるかどうか。

一方、ガソリンエンジン車からの移行時期の見極めや、ハイブリッド車との兼ね合いなどの理由から、少なくとも表向きには電気自動車には慎重姿勢をとる自動車会社がまだまだ多い。

こうした電気自動車という革命的な技術転換期を迎えて、これからの自動車業界の技術革新と業界再編で先手を取りたいルノー・日産の突出した電気自動車への傾斜振りである。