世界の動きを英語で追う

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鳩山首相の英語力 Mr. Hatoyama’s understanding was wrong

2009-12-24 | 世界から見た日本
2009年12月24日(木)

クリントン国務長官が、今週月曜日駐ワシントンの藤崎日本大使を、国務省に呼んだ。これを大使自身は、「招待された」(invited)と表現しているが、新聞報道の大方は、召喚した(summoned)と報じている。各国の外務大臣が、突然一国の大使を外務省に来ることを求めるのは、通常「抗議の表明」であることは外交の常識である。

クリントン国務長官は、その会談で、「普天間基地の辺野古への移転を決めた2006年の合意の早期実施を強く迫った」と報じられているが、国務省報道官は、「多岐にわたる二国間の問題(bilateral issues)を話し合った」とだけ話し、詳細は明らかにしなかった。しかし、「issues」という尋常ならざる言葉を使ったのである。

鳩山首相は、先週COP15会議で隣席に座っていた同長官と話したあと、「日本の立場に理解を得た」との趣旨の発言を行い、「決断は来年5月。移転先については未定」との立場を明らかにし、それに基づく閣僚発言も米国政府を痛く刺激してきた。

Japan Timesの論説は、「鳩山首相がクリントン長官の理解を得たというのは誤りであった」と断定している。’It is clear that Prime Minister Yukio Hatoyama's understanding following his conversation with Ms. Clinton last week in Copenhagen — that he believed she basically understood the circumstances he explained to her — was wrong.’

「オバマ大統領にTrust meといったら、I trust youといってくれました」という趣旨の鳩山発言が、オバマ大統領の鳩山首相への不信を生み出したことと合わせ、「日本語感覚で英語を使う」ことの危険を警告する出来事が続いている。