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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道79

2008-07-02 19:01:16 | E,霧の狐道
 俺に当たらなかったトウモロコシたちは、俺の前まで飛んで行って地面に落ち、坂道をバックして転がって戻って来る。

“ コロコロコロコロ・・・。”

俺は、それらをヒョイヒョイ避ける。
原爆頭が、後ろで叫んだ。

「 うわっ!!」

“ ガッシャ~ン、カラカラカラ!”

 俺は後ろを振り向いた。
坂を転がって戻って来たトウモロコシに乗り上げて、原爆頭の運搬車は斜めになって引っくり返っている。

“ ゴロゴロゴロ・・・。”

原爆頭は投げ出され、斜め後ろ方向に転がって行く。
そこにカナトコ頭がヨロヨロと追い着いて来た。

「 にゃろぉぉぉぉぉ~!!
 ひぃ、ひぃ、ひぃ、もう、ダメ・・・。」

原爆頭は、カナトコ頭のところまで転がって止まった。
そして、すばやく起き上がり、走って坂道を登りだす。

“ タッ、タッ、タッ、タッ!”

原爆頭は電動ハイブリッド自転車まで戻って、自転車の体勢を立て直した。

“ あいつ、根性あるなぁ・・・・・。”

そして、自転車に跨って、カナトコ頭を呼び寄せた。

「 兄貴、荷台を持って!」
「 ん、よっしゃ、分かった!」

 やっと追い着いたカナトコ頭は、原爆頭の電動ハイブリッド自転車の荷台を掴んで、二人連なって再び俺を追い駆け始めた。

「 待ちやがれぇ~~!!」
「 絶対、ころ~すっ!」
「 婆ちゃんの恨みを晴らすのだぁ~!!」
「 ワシも、兄貴の婆ちゃんの恨みを晴らぁ~~すっ!
 兄貴と俺は一心同体だぁ~~!」
「 待ちやがれぇ~~、クソガキ~!!
 ゴラぁ~~!!」

俺は、家族の絆と友達の友情に感動しながらも、大急ぎで逃げる。




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