俺に当たらなかったトウモロコシたちは、俺の前まで飛んで行って地面に落ち、坂道をバックして転がって戻って来る。
“ コロコロコロコロ・・・。”
俺は、それらをヒョイヒョイ避ける。
原爆頭が、後ろで叫んだ。
「 うわっ!!」
“ ガッシャ~ン、カラカラカラ!”
俺は後ろを振り向いた。
坂を転がって戻って来たトウモロコシに乗り上げて、原爆頭の運搬車は斜めになって引っくり返っている。
“ ゴロゴロゴロ・・・。”
原爆頭は投げ出され、斜め後ろ方向に転がって行く。
そこにカナトコ頭がヨロヨロと追い着いて来た。
「 にゃろぉぉぉぉぉ~!!
ひぃ、ひぃ、ひぃ、もう、ダメ・・・。」
原爆頭は、カナトコ頭のところまで転がって止まった。
そして、すばやく起き上がり、走って坂道を登りだす。
“ タッ、タッ、タッ、タッ!”
原爆頭は電動ハイブリッド自転車まで戻って、自転車の体勢を立て直した。
“ あいつ、根性あるなぁ・・・・・。”
そして、自転車に跨って、カナトコ頭を呼び寄せた。
「 兄貴、荷台を持って!」
「 ん、よっしゃ、分かった!」
やっと追い着いたカナトコ頭は、原爆頭の電動ハイブリッド自転車の荷台を掴んで、二人連なって再び俺を追い駆け始めた。
「 待ちやがれぇ~~!!」
「 絶対、ころ~すっ!」
「 婆ちゃんの恨みを晴らすのだぁ~!!」
「 ワシも、兄貴の婆ちゃんの恨みを晴らぁ~~すっ!
兄貴と俺は一心同体だぁ~~!」
「 待ちやがれぇ~~、クソガキ~!!
ゴラぁ~~!!」
俺は、家族の絆と友達の友情に感動しながらも、大急ぎで逃げる。
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