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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道84

2008-07-12 18:38:38 | E,霧の狐道
俺は玄関扉の上にある部屋番号を見る。

“ 502号室か・・・。”

 山下先生は、ポケットから鍵を出して扉を開け、部屋に入った。
俺も、先生に続いて自転車ごと急いで部屋に入る。
山下先生は、そのまま奥の部屋に入って行った。
そして、部屋に入った俺はマンションの入り口の鍵を閉める。

“ ガチャ!!”

入り口の扉が完全に閉まった。
部屋は、扉の隙間からの外の明かりが入らなくなると薄暗くなった。

“ これで、良し。
 しばらく、ここに隠れていよう。”

俺は、キョロキョロ部屋を見回した。

“ う~ん・・・・。
 それにしても汚い部屋だなぁ・・・。”

 山下先生の部屋は1Kの部屋のようだ。
入り口を入ったら台所、台所の奥には部屋がある。
台所の右手には小さなテーブルと流しがあって、流しには洗っていない茶碗が積んである。
流しの隣に見えている扉は風呂とトイレに続いているのだろう。
 薄暗い台所だが、奥の部屋の窓からの明かりが台所に漏れて来ているので、床に置いてあるダンボール箱に無造作に放り込んであるスーパーの袋やカップめん等の雑多なものが見える。
そのダンボール箱の前には、ゴキブリホイホイの紙の家が置いてある。

“ あらっ、ゴキブリが出て来たぞ・・・。”

 ゴキブリは、ゴキブリホイホイの紙の家から顔だけ出して、ヒゲをピクピクさせている。
俺が見ていると恥ずかしいのか、紙の家の中に引っ込んだ。

“ これって、役に立ってないような気がするけど・・・。”


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