俺は自転車から降りて、台所へ自転車を押して行き、そこでスタンドを立てた。
そして、奥の部屋に戻った。
渡したトウモロコシは、パソコンの机に置いてある。
山下先生が、破れた座布団を俺に勧めた。
「 汚い所だけど、まあ、座れ。」
「 ホント、汚いすっね。
座布団破れてるし・・・。」
山下先生は座布団を引っくり返した。
さらに大きな破れがある。
「 あはははは。」
山下先生は、笑いながら座布団をもう一回引っくり返してもとに戻した。
俺は破れた座布団に座りながら言った。
「 ホント、汚いすっね。
ゴミは散乱してるし、台所には汚れた茶碗は転がっているし・・・。」
「 うるさいなぁ。」
「 彼女とか、いないんですか?」
「 さあな、それは秘密だ・・。」
「 あはっ、イナイ、イナイ。
見栄を張って、もう、このォ~。
写真とか机に飾ってないし。」
「 おまえ、妙に、観察力が鋭いな。」
「 てへへ・・・。」
部屋にはベッドとパソコンが乗った机がある。
壁には、等身大の女性アイドル歌手のポスターが貼ってある。
その女性アイドル歌手は、こっちを向いて微笑んでいる。
猫耳のメイド姿だ。
“ 結構、ロリコンだなぁ・・・・。”
俺がボンヤリ考えていると、山下先生の声が聞こえた。
「 で、どうして、自転車ごと俺の部屋に乱入したんだ?」
「 あ、極道婆さんとヤンキーに追い駆けられてるんです。」
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