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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道90

2008-07-24 19:42:45 | E,霧の狐道
 山下先生が俺の方に向き直って言った。

「 テストの試作品を学校に持って行くのを忘れて、取りに帰って来たんだよ。
 昨日、パソコンで作ってみたヤツ。
 でも、もうちょっと神谷に付き合うか・・・。」
「 ハイ、そうして下さい。」
「 じゃ、腹減ったから、カップめんでも食うか?」
「 あ、それ、いいっすね!」
「 よし、お湯を沸かすぞ。
 トウモロコシは貰っておくぞ!」
「 ハイ。」

山下先生は、トウモロコシを持って、台所に湯を沸かしに行った。

“ バタン!”

トウモロコシを冷蔵庫に入れる音がする。
そして、続いてヤカンに水を入れる音がする。

 俺は、再び、パソコンの画面を見た。
パソコンの画面は変化していた。

“ あらっ、小さなキツネが出て来たぞ・・・・。
 漫画の本に出てきそうなキツネだな・・・。”

耳がピンと立って、面長の顔に、鼻から左右にピッピッピッと三本ずつ髭が出ている。

“ う~ん、何か、あいつに似ている気もするけど・・・・・・?
 まあ、キツネってどれも同じように見えるしなぁ・・・。”

小さなキツネはパソコンの画面の左から四足でトコトコ出て来て、中央まで来たら後ろ足で立った。

“ うん・・・?”

小さなキツネは、赤いポシェットを右肩から左下にタスキに掛けていた。

“ この赤いポシェット、何処かで見たことがあるような気が・・・。”

そして、キツネはこちらを向いて、右手でVサインをして、ニカッと笑った。

“ ゲッ、これは、あいつじゃ・・・・。”

Vサインが終わった小さなキツネは四足に戻り、再び、トコトコと画面の中央から右に歩いて、パソコンの右枠に入って行った。

“ 今日は見ないと思ったら、こんな所にいたのか・・・。
 また、何か悪さを考えているんだろうな・・・・。”



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