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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の出来事 3月18日 精霊の日

2018-03-18 09:00:00 | A,日々の出来事_







  日々の出来事 3月18日 精霊の日






 今日は、精霊の日と言う記念日です。(3月18日)
一応、“柿本人麻呂、和泉式部、小野小町の忌日がこの日である”と言うところから、大真面目で決められたようなのですが、“精霊”は“ショウリョウ”で魂を指し、“セイレイ”ではないようなのです。
 でも、この三名と精霊とのご関係は、どう言うご関係があるのか無いのか微妙な世界でして、セイレイと読んでしまうと、ランプの精みたいに、どこかを擦るとボヨヨ~ンと三人揃って出てきたりするイメージもしてしまったり、出て来たら出て来たで、“願いを叶えてやろう”って言われたら、取り敢えずお茶でも出して、お願いを誰にすれば良いのか様子を窺わなければならないのですが、柿本人麻呂はオッサンで話す気もしないし、和泉式部も悪くはないけどオバサン的だし、個人的には小野小町が絶世の美人で良さそうでそっちに行きたいのですが、それを露骨に顔に出すと、オッサンとオバサンに恨まれ妬まれ、毎晩柿本人麻呂と和泉式部が枕もとに立って、聞きたくも無い和歌を無理矢理一晩中聞かされても困るし、小野小町も若いころなら非常に嬉しいですが、ひょっとして婆さんの小野小町が現れる、もしくは、ガイコツで出現する可能性も無きにしも非ずで、そこには非常に難しい問題が横たわり、その上、お願いも、三つしてもよいのか、はたまた、一つで我慢するのか、まさか二つと言われたら、やはり、この三人から誰を二人選んでお願いしたらよいのやら、もう何が何だか分からなくなってしまうのです。





柿本人麻呂
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む

和泉式部
あらざらむ この世のほかの 思い出に 今ひとたびの 逢うこともがな

小野小町
花の色は 移りにけりな いたづらに 我が身世にふる ながめせし間に


















☆今日の壺々話












ランプ







 男が海辺を散歩していると、ランプが落ちていた。
ランプをこすると精霊が現れ、3 つの願いを叶えてやると言う。
ただし、望んだものの 2 倍がその妻に与えられるというのだ。
離婚調停中の男は、この条件にかなりがっくりきたが、何にするかを決め精霊に伝えた。

「 1 つ目の願いは、1 億ドルにするよ。」

「 はい、わかりました。」

そう精霊が言うと、約束どおり妻にも 2 億ドルが贈られた。

「 2 つ目の願いは、馬鹿でかい邸宅だ。」

この願いも叶えられ、妻はその 2 倍の広さの邸宅を受け取った。

「 3 番目の願いは何にしますか?」

男はしばらく考え込んで言った。

「 僕を半殺しにしてくれないか?」




















風の精霊





 小学生だった頃、自分は風を操れると信じていた。
風が強い日には、

「 風よ…風の精霊達よ…。
何をそんなに悲しんでいるのか、私に教えておくれ…。」

と両手を広げ宙に向かって呼び掛けたりしていた。
友達に、

「 なにしてんのーー?」

などと聞かれると、

「 ふふふ…ごめんね。
あなたは言えない事なの…、ふふふふふふ……。」

と気味の悪い笑い声を上げながら、両手を広げて颯爽と走り去った。(実際、デブだったので颯爽と走り去れる筈もなかった)

 そんな事を毎日の様にやっていたある日の事、当時好きだったA君に、

「 風操れるってホント?」

と言われた。
これは私の凄さをA君に見せるチャンスだ!とウハウハし出した私は、

「 まかせといてよ!!」

とA君を中庭に連行。
早速、ブツブツ呟き始める。

「 風よ…風の精霊達よ…。
私の声が聞こえる?
聞こえてたなら、お返事を頂戴…。」

風がほんのり吹き出すやいなや、さあこれからが本番よ!とばかりにA君の顔を見て、できもしないウインクを一つ。
そして甲高い声で掛け声を上げながら、クルクル高速回転。
でもそよ風一つ吹かない。

「 風吹かないじゃん!」

と言われれば

「 これから!これからよ!!!」

と慌てて、再び叫びながら回転し出す。
たまたまにでも吹いてくれれば良いものを、KYな風は空気を読もうともしない。
5回ぐらい繰り返した頃に、

「 ○○子ちゃんって嘘つきだね!」

と冷たく吐き捨てられた私は、とりあえず泣いた。
そのとき、自分は風を操る事ができない事を知った。

そして、私のあだ名は暫くの間“デブドリル”になった。ちきしょう!



















中二病








 中三の秋、巫女という設定だった私。
地区の人が集まる集会所が私の神社だった。
集会所には鍵がかかっている為、その裏にコケシを置いて、

「 おんころころせんだりまとうぎそわか!」

と繰り返し唱えてた。
少し風が強いと、

「 チッ、厄介なのが来るわね!」

と、無理矢理連れてきた飼い猫に話しかけ、

「 あれを用意してちょうだい!」

と、事前に用意していた札(筆ペンで電光石火と書かれた物)を、集会所のガラス全部に貼った。

「 返り討ちにしてあげるわ!」
「 山の神よ!地の精霊よ!清めたまえ!」

と、一人で格闘しているところを区長さんの息子(同級生)に見られ、後で区長さんに、

「 集会所を遊び場したら駄目だよ。
今は受験勉強しなさいね。」

とやんわりと言われ、行きづらくなり巫女ごっこは終わった。
無事第一志望受かったのは、区長さんのおかげです。





















幽霊の存在








問い

おまえらの学部・学科・専攻の立場から幽霊の存在を否定しなさい。 
各学部の活躍を期待してます。







それぞれの立場からの回答


幽霊は複素数の世界にいると思うんだ。

幽霊に対する需要が存在するのにもかかわらず、供給が少ないのならば価格は上昇する。

憲法の全趣旨を勘案しても人権享有主体性を認められず、民法上の行為能力もなく、刑法上の主体・客体としての構成要件該当性が認められない

心理学的に言うと、怖い。

工業科としては旋盤で削れれば問題ない。

幽霊は手が垂れてるのに前腕は上がってる、つまりトウ骨神経にマヒがあると考えられます。医学科

滑走路を漂っている幽霊がジェット機のエンジンに巻き込まれたという事故は発生していないので、少なくとも幽霊はジェットエンジンに影響を及ぼすことはない。航空工学科

とりあえず、デッサンしとこうか。

経営学的に考えると幽霊はいないが幽霊企業は存在する。

幽霊存在派に証明責任がある。おわり。

幽霊はいない、夜間農作業するとき怖いので。農学部

レンズを向けると映るということは、それはそこに存在するということだが、ラッシュで確認されると撮り直しになるので非常に困る。
どうせ現れるなら現場で現れてほしい、助監がどかすから。映像学科




















四国





 中2の夏だった。
そのとき俺は、ちょっとした徳島の田舎の学校に通ってた。
この時期って言ったら、中学校生活でも一番暇な時期だった。
 クラブは一応柔道をしてたんだけど、部員が全員中2で、数も5人しかいなかった。
その上顧問もかなりいいかげんで、夏休みなんて初めの五日ぐらい簡単な練習して、残り一ヶ月強は丸々暇になった。
そこで、俺と、特に仲のいいSとKの三人で、四国をママチャリで回ろうということになった。
 夏休み最後のクラブ練習を午前中に終えた俺らは、うちの親の車に積んであった四国の地図を持ち出して見ながら、近くの神社でアイスを食いつつ、だべりながら行き先を決めていた。
 どうせなら、夏休み明けにみんなに自慢できるところがいい。
いろいろな案が出たが、Sが提案した「吉野川を上って祖谷にたどり着く」に決まった。
祖谷っていうのは、徳島の西端にある地方の総称で、日本でも屈指の秘境だ。
他に室戸岬や高松へ行くといった案もあったが、『秘境』という言葉に惹かれた俺らは、
大体一週間の予定で出発の準備を進めた。

 出発当日、朝六時に中学校の正門で待ち合わせた俺らは、半日ほどかけて吉野川に出た。
早ければ2時間もかからなさそうな距離だが、なんせ弱小柔道部だったから。
さらに、休憩も20分おきぐらいにしたし、カキ氷屋や駄菓子屋を見つけては立ち止まってたから、無理もなかった。
 出た場所は吉野川中流域で、道もあんまり広くなく、その当時はあんまり走りやすくはなかった。
すぐにヒグラシの音があたりを包み始めた。
夜も近い。

「 そろそろ寝場所さがさなあかんな、もう疲れたわ。」

しばらく走ったが、眠れそうな場所もない。
俺らはテントも寝袋も持ってなかった上に、空の具合も悪かったため、なるべくベンチと屋根がそろった寝床を、探すことが必要だった。
 しかし、あたりには鄙びた田園と、薄暗く曇天を映し出した川面以外ない。
仕方なく俺たちは、夕闇迫る一本道をひたすら進んだ。

 いつしか吉野川は姿を消し、あたりは徐々に緑深くなっていった。
小心者のKが、

「 戻ってどっかの民家に泊めてもらったほうがいいって。」

といっていたが、
俺とSは、せっかく進んだ道を引き返すのは勿体無いと反対し、さらに道を進んだ。
 やがて道は、突き当たりへとに差し掛かった。
この道は途中から山道になったため、坂で体力を消耗して時間を食ってしまった。
そのせいであたりはすっかり暗くなってしまい、Kが持参していた懐中電灯の明かり以外何もなくなった。
さらに悪いことに、小雨まで振り出してきていた。
 髪をぬらしながら、俺たちは突き当りをどっちに進むか話し合った。
左は荒れてはいるものの、アスファルトの道が続いているが、その先に明かりは見えない。
右は急にオフロードに変わってはいるが、うっそうとした木々の間の、さらに向こうに明かりがとうと灯っている。
電灯の明かりか民家の明かりか、区別もつかない。
 だけど、とにかく行ってみようということで(当然Kは猛反対だったが)、荒れた幅1メートルと少しばかりの道を、自転車を押しながら無言でひたすすんだ。
大体8時過ぎのことだった。

 それから三十分以上がたつと、いよいよ道は獣道に差し掛かってきた。
変な虫はたくさん飛び回ってるし、ずっとクモの巣を掻き分けながら進んでた。
この道は右手すぐには急な山林が広がっていて、左手には崖があり、そのすぐ下にせせらぎが流れているようだった。
とにかく暗くて、最悪の経験だった。
 しかし、前までは遠くに見えていた光も、かなり近づいたように思える。
まさに、希望の光そのものであった。
 ようやく光の正体が明らかになった。
それはただの電灯で、Kはそのショックさの余り泣き出してしまった。
責任感の強いSは、その横で必死にあたりを散策していた。
俺はKに勇気付けていると、Sの声が遠くでした。

「 おーい!ボロ屋があるぞ!」

ひとつ峠を越えたので、あたりは山々に包まれ、闇の中にぽつんとした汚い道の脇に、電灯の光が放り出されている形だった。
雨はしつこく降り続いている。空気が生ぬるい。

「 何でこんなところに電灯なんて・・・。」

と思いつつ、俺とKはSの声のするほうへ、道を外れて草を分け入りつつ向かった。
 どうやら昔は草などはなく、道があったようだ。
明らかに周りと草の感じが違う。
すぐ奥にSと、不気味に暗く浮かび上がる、民家のようなものが現れた。
 木造だったので状態はかなり痛んではいたものの、割と造りは立派で、雨をしのぐ場所がきっとあると思い、
少し恐怖感はあったものの、ほっと俺たちが肩をなでおろした瞬間だった。
懐中電灯をもって、あたりを照らしていたKの手が止まった。
 ちょうどSが民家の前に立っていたのだが、そのSのいる奥のほうを照らしている。
俺はKに付き添っていたので、Kの照らしているところを見た。
そこは民家の離れのような場所だった。じっと離れを照らしたまま動かない。

「 どうしたんや?もっとまわり照らせや。」

俺がそういうと、Kは再び泣き出して、その場から逃げ出そうとした。
俺とSはKをなだめ、しばらくしたところで事情を聞いた。

「 あそこに・・・女の子がずっとおる・・・。」
「 はあ?」

はじめはそう思った。
 Kはその後もダダをこね、帰ると言い出すも、この天気じゃどうしようもないし、帰るんなら一夜ここですごさな仕方ないと説得し、何とか落ち着かせて、民家へ近づいた。
 裏手は高く崖がせり出していて、両脇はうっそうとした森だった。
屋根はかなり穴があいていたが、屋根もあるし、床も抜けていない部屋がひとつだけあった。
 柱はかなり痛んでおり、ふすまや玄関などは完全に消失していたので、外の様子は常に確認できる。
Kはずっと、離れのほうを気にしているようだった。

「 まだおる・・・ずっとこっちみてる・・・。」

 さすがに気味が悪くなった俺らだったが、疲れていることもあったので、眠いという気持ちが先行していた。
Sの時計は、すでに11時を回っていた。
俺たちは汚れた木床に横になり、数分もすると俺は意識を失っていた。
 多分、俺が寝て3時間以上はたってたと思う(時間は確認してない)。
ふと目が覚めた。
 SとKは熟睡していて、Kはいびきまであげていた。
あんなに怖がっていたのに、よほど疲れていたんだろう。
 尿意を催していた俺は、庭と思しき場所へ出た。
すでに雨は上がっていて、流れる雲の間から、月が見え隠れしていた。
少しその光景に見とれたあと、俺は離れらしい場所まで行って、その脇の森の木で用を足そうとして、森のほうを見た。
 俺は声を失った。
樹間を黄色い光(色ははっきり覚えていない)が三つばかり、フラフラと、まるで先ほど見た月のように、木々の間をちらほらと縫っていた。
 気づくと、俺は生まれて初めて動けなくなっていた。誰かが負ぶさってる・・・。
何かが俺の胸を触れた。
後ろから子供の手らしいものが、前に回りこんできたのだ。
そのなにかは耳元でこういった気がした。

「 でていって・・・。」

今でもはっきり覚えてる。
かすれた少女の声だった。
どうやら俺たちは、足を踏み入れてはいけない場所に来てしまったらしい。
俺が、

“ 分かりました、ごめんなさい。”

と念じると、重かった空気が解けた気がして、ようやく自由になった。
そして、すぐに雨が降り出してきたので、私は急いで部屋に戻った。
 今までよりもすごい勢いの雨である。
そんな中ここを出て行くのも気が引けるが、俺は部屋にいたSとKに事情を話し、逃げることを促した。

「 このままじゃ呪い殺されるぞ!」

さすがにみんな怖くなったようで、大雨の中カッパを着込んで外に逃げ出した。
 凄まじい雨で雷もなっていた。
そんな中、俺たちが自転車のある外の道へと戻ろうとしたその瞬間である。
低く凄まじい音が、俺たちの後ろから鳴り響いた。

“ なんだ!?”

と俺たちが後ろを振り返ると、50cmぐらいの岩が次々と裏手の崖から落ちてきたかと思うと、次には大量の土砂が家に覆い被さったではないか。
バキバキと音を立てて家は壊れ、やがて全体を飲み込もうとしていた。

「 逃げろ!」

みんな、全速力で逃げた。
凄まじいがけ崩れで、俺も小さな石が頭にあたって血が出たし、Sも足を何かで切っていた。

“ でもずっとあの部屋にいたら、今ごろこの程度じゃすまなかった。”

唖然としながら大雨の中、自転車のそばでへたり込んでいた。
雨は、ようやく訪れた夜明けと同時にやんで、東からは見事な朝日が昇ったのを覚えてる。

「 昨日の女の子、いいヤツだったんやなあ・・・。」

 朝になって、付近を走っていると地元の人に会ったんで、話を伺った。
どうやらこの地域は地盤がとてもゆるくて、がけ崩れなんてしょっちゅうらしい。
あと、女の子の話もしたんやけど、なんかこの地方には昔から良い精霊がいて、それじゃないかということだった。
 今思い出してもゾッとする。
あのとき、あの少女に会っていなければ、俺たちはアウトって思うとね。
 その後は、おかげで無事祖谷を観光して、帰路に着くことができました。
まあ、この途中にもニ、三不思議なことはあったんやけど、さすが四国って感じだった。



















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3月17日(土)のつぶやき

2018-03-18 03:08:25 | _HOMEページ_
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