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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 7月10日 田中さん(7)

2015-07-10 18:39:02 | B,日々の恐怖



    日々の恐怖 7月10日 田中さん(7)



“ まぁ、3年間も売れ残ってしまっては、担当者としては上司からも責められて大変だろうなぁ・・・・。”

と同情しつつ、

「 内観写真を撮りたいのでシャッター開けますね。」

と申し出ると、

「 じゃあ、掃除も終わったところなので、私は失礼しますね。」

と言い、1階へ降りていきました。

 その後、私は各部屋のシャッターと窓を開けて換気しつつ写真を撮って回りました。
件の自殺のあった納戸を含めどの部屋も1階同様に清掃されており、さして変わった様子もなく、デジカメに表示される写真にも何か変わったものが写るというわけでもなく、拍子抜けするほど何も起こらないまま内見を終えて1階へ降りていきました。
 1階玄関では相変わらずの怯えた様子の佐藤君がいたのですが、降りていくなり、

「 大丈夫でした!?てか、清水さん2階で誰と話してたんです?」

と聞かれました。

「 ん?佐藤君どっか行ってたの?」
「 いや、ずっとここにいましたよ、清水さん誰かと話してるなぁと思って・・。」
「 へ?田中さん降りてきたでしょ?」
「 え?誰も降りてきてないですよ!」
「 またまたぁ!そうやってビビらせようとしてるんでしょ?」
「 いや!マジですって!
直階段だし、降りてきたら気付きますって!
てか、清水さん気付いてます?
俺達玄関入った時、靴とか無かったじゃないですか!
なのに清水さん誰と話してるんだろうって・・・・・。」

そう言うや否や、佐藤君が視線を上に向けて、

「 てか、清水さん!いるいるいる!上にいるから!」

と叫んで家から飛び出していきました。
 ゾクッとしたところで追い討ちをかけるように、

“ キン!”

と鳴り、

“ うわぁ・・・・!”

となって私も外に飛び出しました。









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