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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 10月12日 電話

2013-10-12 18:19:54 | B,日々の恐怖



    日々の恐怖 10月12日 電話



 以前住んでたアパートでの体験です。
30歳の上限で社宅を出て行くことになり、東大阪に2DKの部屋を借りた。
 住み始めて1ヶ月後、飲み会で終電に間に合わなかった先輩を泊めることになった。
寝入ってしばらくして、「うわっ。」と顔色を変えている先輩に、「どうしたんです?」って聞くと、 「もう、いいよ、俺、タクシーで帰る。」って、何にも具体的なこと言わずにさっさと帰ってしまった。
 翌日、無理に聞いてみると、足つかまれて、体に沿って上ってきそうだったって言った。
俺には霊感ないので、危害が無ければまあいいかとほっといてた。
 後日、風呂の掃除をしていると、排水口から女性用のネックレスが出てきた。
ただの忘れモノとは思ったが、気になったので、毎日水を供えて供養代わりにしてみた。
その持ち主が、先輩を掴んだ人と関係があったのかどうかは今も分からない。
 ただ、そのあと少し気になることがあった。
しばらくして、間違い電話が掛かってきた。

『 Sさんですか?』
「 ごめんなさい、違います。」

午後11:00ぐらいで、相手は初老の女性だったように思う。
それが1~2週間の間隔で、ほぼ同じ時間に掛かってくる。
 ある日相手が、

『 お宅、番号06****ね?』

と言った。

「 そうですが、Sさんではありません。」
『 そうでしたか、いつもごめんなさいね。』

番号まで言われてさすがにぞっとしたが、Sさんが番号変えたのが伝わってないんだろと、勝手に切り捨ててた。
 入居1年後、転勤で引っ越すことになった。
持ち主不明のネックレスも、寺に託して供養をお願いして、転居の準備も整ってほっとしていたら、例の電話が掛かってきた。

『 Sさんですか?』
「 残念ですが、違います。」

俺はここで、ずっと気になっていたことを相手に聞いてみた。

「 私もう引っ越すんですが、もしかして、お昼の時間はSさんとお話出来ていたんですか?」
『 ええ、でもお気になさらないで下さい。
ずっとごめんなさいね。』

結局、もう一人の人は、ずっとここにいたんだなあと思った。












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