フェリー埠頭から大洗町役場までは、歩いて10分もかかりません。文化センターの前庭を横切って「和久」に行き、顔見知りの従業員に挨拶しておきました。前夜に店主海野さんと電話でやり取りし、この日の夜はどこかへ飲みに行こう、と決めてあったからです。それで、この日泊まる宿の名前を告げて伝言を頼んでおきました。
それから榎澤輪業商会に行き、いつものようにレンタサイクルを利用しました。新店舗の建物は完成していて、来月にはそちらで営業しているだろう、との店主榎澤さんの話でした。
次に曲松商店街の「みとや」に行きました。オリジナルのガルパン帽子を作ってもらう予定でしたが、帽子は前回と違ってミリタリータイプを選びました。このお店は、定休日が日曜日ということになっていますが、平日でも時々閉めていることが多く、実態としては不定休に近いです。
なので、開いている時にパッと入って買い物しておかないと、後悔することになります。帽子は翌日に出来上がるということでしたので、出来上がり次第、宿の方に届けてくれるようにお願いしておきました。翌日の宿は、斜め向かいの「さかなや隠居」に予約していたからです。
店先の西絹代です。最初はアウトレットにて見かけたパネルがこれでしょうか。
西絹代のパンツァージャケットを再現したレプリカです。スポーツ洋品店の入り口にあるので、知らない方は商品の一つかと思ってしまいそうですね。日本軍将校の軍服がモデルになっていることがよく分かる、デザインとカラーです。右襟の星形バッジは、チームの隊長であることを示しているのでしょうか。
ファンの方の寄贈品の一つ、西絹代のフィギュアです。パネルが元ネタのようです。
向かいにある、スルガヤ薬局の仮店舗です。交差点辻の店舗は、建て替え工事の最中でした。
続いて、久しぶりに「田口理容所」に立ち寄りました。店主の北見さんと色々話しました。カッティングステッカー類は、種類も大幅に増えているようでした。
興味深かったのは、劇場版の新キャラクターのパネルの配布に関して抽選方式が採用されたことについての事情および反省にかかわるお話でした。
2013年の最初のパネル配布はほとんど商工会からの一方通行状態、アンツィオ戦OVA公開後の新パネル配置は実質的に内輪での決定、今回が初めて抽選方式だった、ということでした。パネルの配布方式すら一定していないところに、大洗での行き当たりばったり式の進め方がうかがえます。
次に、模型サークル仲間に頼まれた土産「山郷のしずく」を買いに新屋酒店に立ち寄りました。ともにガルパン戦車プラモデルを作っている仲間のTさんが、前回の大洗行きの際に買ってくるのを忘れたのだそうです。四本欲しいから宅配便で送ってくれ、と依頼されていたので、その通りの手続きをしました。
ところが、奥さんが申し訳なさそうに「特典のバッジが切れちゃってるの。海楽フェスタで全部無くなっちゃってねえ」と言いました。そこでTさんに電話したところ、「バッジは結構ですよ、梅酒だけでええんや」ということでした。
そこで「山郷のしずく」四本を箱詰めにして発送手続きをしました。じゃあこれを入れておきますね、と奥さんが同封して下さったのが、大洗限定販売の午後の紅茶用のポストカードでした。聖グロリアーナ女学院チームのメンバー四人のデザインをカップ型のカードに印刷したもので、私も初めてみました。午後の紅茶を二本購入すると、いずれかのカードが貰えるのだそうです。
そこで、午後の紅茶を二本購入し、ローズヒップのカードを貰いました。二泊三日の滞在なので、飲み物は全て午後の紅茶に統一し、あとの三枚もゲットしてみるか、と決めました。 (続く)
宿泊部門は今まで通りですので、当方としては問題ありません。平成魚松のメニューの大半は、宿泊の食事でもいただけるそうです。
現在の大洗の商店にとってはキャラPOPの有無が経営にも大きく影響するだけあってどこのお店も真剣です。それだけに今回の大洗のキャラPOP抽選会の不手際さはホシノ様の御指摘どおり行き当たりばったり感を否めないものの様に思います。でも今回の救いは第4期POP(劇場版キャラPOP)当選のお店が早い段階で活動に取り組んでいる所が多い事ではないでしょうか。
その一方第1期POP(TV版キャラPOP)を持っているにも関わらず、誘致活動に寄与していない。また“惰性”でキャラPOPを所有している所もある様ですが、今後はより意欲的なお店に“配置転換”する等の“荒治療”も必要な時期に差し掛かっている様に思います。
パネルの件に関しては、この前行ってきた鳥取県倉吉市の「ひなビタ」の10人のパネルの取り扱いが比較対象として面白いなと思いました。
そこで、倉吉市観光交流課へ行って色々教えてもらってきました。
キャラクターそのものはコナミの音楽配信コンテンツのイメージキャラなのですが、倉吉市が正式に倉野川市と姉妹都市提携を行ない、キャラクターを倉吉市の観光大使として招聘するという、なかなか良いセンスでの立ち位置を用意しています。
それでパネルは市の観光セクションが管理し、倉吉打吹地区の街並みの各所に配置し、これを巡るスタンプラリーやフォトラリーが展開中です。
大洗の事例と比較しますと、次のような特徴があります。
1 パネルを含めたイベントは倉吉市が主催し、観光交流課が広報および実行委員会を担当する。
2 パネルは、コナミと提携した倉吉市の所有物である。
3 パネルの設置場所は、駅などの交通機関、および街並み観光エリアに広く配置し、時々入れ替えることで、街並み散策の定着化をうながす。
4 パネルの設置数は、イベントやまつり行事の時は増やす。
このように、大洗のケースとは完全に異なって、行政側が積極的に関与し維持管理にもあたっているそうです。なかなか良い状況だなと感心しました。
面白かったのは、ガルパンの大洗へ有志が視察に行ったという話で、「盛り上がっていて楽しそうに見えたが、パネル等の取り扱いのルールがはたから見て分かりにくい。基準がけっこう適当に思えた」とか「店ごとにグッズやイラストの展示があるが、中には度を超していて何の店か分からないのがある、地域振興の点からすると逆効果ではないか」とか「一般の観光客が行って楽しめるのか。ガルパンファンだけを対象にしすぎているようだ」等、考えさせられる意見が多かったです。
重要なのは、倉吉市はアニメへの取り組みが大洗よりも数年早いうえ、最初から行政側が観光施策の一環として取り組んでいるため、計画もちゃんと作るし、取り扱いや実施の基本ルールも一通り考えてきている、という点です。
大洗は有志や商工会が、他の事例に学ぶこともあまりせずに自分たちだけで試行錯誤してきた流れがありますから、初期段階で克服すべき諸課題をクリアしてゆく、という発想がもとから無かったのかもしれませんね。
まあ、大洗のムーブメントがピークを過ぎているようなので、全盛期には顧みられなかった問題点や不備不足がこれから少しずつ顕在化するのかな、という見方も出来ると思います。
どうしても官制主導と云うと予算分捕りから始まり、ポストも役人やその恩恵を受ける者で独占して結局何の目的か存在意義が疑問視されるものが多いものですが、様々な所を見て廻って来たホシノ様が推すくらいですから余程興味を惹く素晴らしいものだったのでしょう。
アニメ作品で知名度を上げて成功例の一つとして紹介される大洗には現在でも行政自治体の視察団が来ます。大洗の努力や苦労の成果を見て学ぶ為です。これは誠に結構な事なのですが、また大洗も別なアニメ作品モデルの街を見て研究する心構えがあっても良いのでないでしょうか?
アニメ作品は1クール放送で作品寿命は3ヶ月、人気寿命は一般的に1~3年が限度ですから。ファンは移り気が早いし、今までのやり方が通用しなくなる事だってあるのですから…。ファンが新しいものや変化を求める、また改善を要求する様にまた大洗の商工会や行政側も別な視点で“アニメの街の視察と巡礼”を実施して今後に活かす取り組みがあってもいい様に思います。
その倉吉が「ひなビタ」聖地化へと進むプロセスは、当然ながらだいたい把握しています。時系列的には、ガルパンと同じ2012年11月から始まっていますので、ガルパンに注目しつつも、一方では、日向美ビタースイーツって何やねん、倉野川市ってなんか倉吉がモデルみたいやな、とそちらにも注意していたのです。
ですが、音楽配信コンテンツですから、アニメのような派手さはありませんでした。でもネットやラジオで時々流れてくるので、「ひなビタ」こと日向美ビタースイーツのライブ、というのは日常生活のなかにけっこう浸透していたと思います。音楽に疎い私でさえ、、「ひなビタ」の曲は20ぐらい知っていますので。
ゲームの音楽でもあり、ネットの音楽なので、ファンは当然ながら若い世代が圧倒的です。ひなビタの地元の倉野川市に心を飛ばして「市民」になって楽しんでいます。
倉吉市がこれに着目して今年4月に姉妹都市提携を実現するに至った最初の契機は、トオル様の言う「市職員の方々が行く先々で見学や視察研究されたか第三者有識者を招聘して指導を仰いだ」ではなく、ファンからの情報でした。ひなビタの倉野川市って、倉吉がモデルみたいですよ、と。
それに驚いた倉吉市がコナミに問い合わせ、コナミの原作者の方がすぐに出向いて事情を説明したところ、倉吉市サイドは大いに乗り気となり、新たな観光コンテンツとして倉吉市をひなビタの聖地として売り込む、という流れに出たのでした。
ちゃんと市議会で議題にかけ、賛成多数で可決し、市の正式な観光政策として決まったものです。ですが、官制主導も予算分捕りもなく、最初から全面的サポートに徹し、ファンに楽しんでもらうべく、交通案内、宿泊施設紹介、観光ガイダンス資料整備を積極的に展開していたのでした。
とにかく、各地のアニメ聖地とは全く違った、新たな切り口でとりあえずは最初のイベント「くらよし桜まつりひなビタバージョン」を大成功させてくれましたので、これは面白いじゃないか、と注目している次第です。
まあ、こうしたひなビタの情報については、私の大好きな倉吉市のニュー・コンテンツですので、今後、拙ブログで色々と紹介したいと思います。