一迅社さんより刊行されている「ガールズ&パンツァー コミックアンソロジー」の六冊目が、「SIDE知波単学園」としてこの5月6日に発売されました。アマゾンでの紹介記事はこちら。
知波単学園は、周知のように日本軍テイストの戦車道チームです。これを二次創作のステージにて描く場合においても、日本陸軍戦車部隊の歴史と戦史とが基本情報としてベースになるものと見込まれましたが、予想に反して、その傾向はあまり見られませんでした。むしろ劇場版ストーリーの中から元ネタを引き出して、それを大きく広げる感じでサイドストーリーを構築しているケースが殆どでした。
ということは、あまり史実の日本陸軍の様相を反映させない、というような暗黙のルールでもあったのでしょうか。それ以前に、参加されている執筆陣が、あまり戦史関連に詳しくないのではないか、という感触すら覚えます。収録作品の殆どに、考証などに基づく奥行き感が感じられないからです。
このシリーズも六冊目に達しましたが、内容的にはだんだんと平凡化、形式化に陥りつつあるという印象が拭えません。せっかく、公式に二次創作の場が与えられたのですから、もっと考えてアイデアを絞って、全身全霊で描いて欲しかった、と思うのは私だけでしょうか。
次刊は6月に継続高校SIDEとして出されるようですが、ミカ隊長の「意味があるのか」発言ばかりをネタにするようであれば、ガルパンの二次創作コンテンツも先行きがさらに暗くなるかもしれませんね・・・。