堂ヶ島温泉の次は沢田公園に行きました。原作コミック第9巻35ページにて志摩リンが単独で訪れたジオスポットのひとつです。
この沢田公園は、ちょっと分かりにくい場所にあります。志摩リンは原付ビーノで堂ヶ島から国道136号線を南下し、乗浜海岸の交差点で右折して海岸堤防沿いに進み、民宿などが建ち並ぶ街区のほぼ中央の「乗浜荘」の辻から細い路地を進んで二つ目の辻で右折して、そのまま沢田公園への道にストレートに進んでいます。
ですが、これは原付バイクだから通れたルートで、細い路地へは車で行けません。知らずに行くと乗浜海岸の堤防道で立ち往生してしまい、国道136号線の信号交差点までバックで戻らざるを得なくなります。
そのことを、あらかじめ堂ヶ島温泉「清流」のフロントの方に教えて貰っていたので、教えられた通りに国道136号線を仁科漁港の辻まで進み、右手に「沖あがり食堂」の看板が見えたところで右折しました。すると仁科漁港の道に出て、そこでまた右折し、あとは海岸道路を漁港の奥まで北上して突き当りを左に進みました。そこからは志摩リンの走った道と同じで、道なりに沢田公園の駐車場に入りました。
上図は、原作コミック第9巻35ページ5コマ目とほぼ同じアングルです。
原作コミック第9巻36ページ2コマ目の景色です。志摩リンが「えーと灯台は・・・」と既に撤去されて無くなった仁科灯台を探していた場面です。
真っ白な火山灰の堆積地層が自然の堤防となって海岸の絶壁を形成しています。
原作コミック第9巻36ページ3コマ目の景色です。志摩リンが「こっちか」と右奥に見える高所を目指してゆきました。
素晴らしい眺めですが、風も強くなっていて、帽子を飛ばされないように時々おさえつつ登りました。
反対側の北側を見やると、ひえ三升島や飛龍島などが見えました。
沢田公園のほぼ全体を視界におさめられる地点まで登ってきました。奥の崖脇に建つ小屋が、志摩リンが朝温泉を楽しんだ沢田公園露天風呂です。
ここまで高い所まで来ると、次第に身が震えてまいりました。私は実は軽度の高所恐怖症なのです。ある程度の高さまでは平気で行けますが、それを超えると一気に恐怖感が身を包んでしまって動けなくなってしまいます。
さらに間の悪いことに、ふと見下ろした場所が沢田海岸一番の断崖絶壁の続きでした。木柵から真下に絶壁が広がって海面があおあおと誘ってくるかのようで、立ちすくんでしまいました。思わず木柵にしがみつき、絶叫したくなりましたが、かろうじて抑えました。
あそこから落ちたら絶対助からないな・・・。もしかして、自殺の名所で有名だったりする・・・?などと余計なことを考え、恐怖感を自ら高めてしまいました。
もと来た方角を振り返り、眼下の駐車場に停めてある私のヴイッツに早く戻ろう、いや戻らなければ、と必死で考えましたが、足が震えて動けないのでした。金縛りにあう、とはこういう状態かな、と思いました。
仕方が無いので、その場に座り込んで気を静めつつ、恐怖感が薄れるまで景色を眺めていることにしました。
なので、散策路をさらに進んで上図の左の高所まで登って行く気はとうに失せていました。
あのてっぺんまで志摩リンは登っていきました。かつて存在した仁科灯台の基壇への階段を確認しています。志摩リンは「バカには見えない灯台・・・」と思っていましたが、私もバカなので灯台は見えませんでした。 (アホかお前は)
よせばいいのに、再びおそるおそる真下を見て、クラクラしてしまいました。何をやっとるんだ、自分・・・。
なるべく遠くを見て気を落ちつけました。この場合、北側の景色をみるのが良さそうでしたので、しばらくは上図の景色を眺めていました。
なんとか恐怖心も消えて落ち着いたので、記念の自撮り。もう絶対ここには再び来ないと思います。とにかく、怖かったです。あれだけ足がガクガク震えたのは、たぶん初めてでした。 (続く)