残照日記

 趣味の囲碁、探鳥、カメラ、木工を中心に日々のできごとを綴る

ネット上での出会い

2009-12-24 22:42:58 | 日記・エッセイ・コラム

 12月24日(水)、愛知万博があったのは2005年のことだから、もう4年が過ぎた。この年は万博の外に、私にとって今も心に残る一つの出来事があった。ネット上で私の拙い随筆を読んだという東京の人がわざわざ私の住む春日井へ訪ねて来たのだ。メールによる事前の連絡によると、歴史研究家と云う触れ込みであった。新撰組の幹部隊士の一人である斎藤一のことを調べていて、その実父の主筋に当たる直参旗本「鈴木萬次郎」をキーワードに検索していたら、私のアップロードした記事が引っ掛かってきたのだそうだ。鈴木萬次郎氏は三河に知行地があり、その陣屋に私の曽祖父が家来として仕えていたと書いたのが目に止まったようだ。その人は鈴木氏に関する資料があったら見せて欲しいという。かくて、私は見知らぬ人と会見する運びとなった。
 歴史研究家というから、私は勝手に白髪か髪の薄い老人を想像していた。ところが、キャリーバッグをころころと曳いて現れたのは、長身、茶髪の30歳前後と見受ける青年であった。私は駅に隣接するホテルの喫茶に誘って雑談した。そして実家で借り受けた古文書のコピーを渡してやった。話していて、彼の研究態度には感心した。俗説やフィクションを排し、労を厭わず真相を求めて、古文書を漁っているというのだ。ここへ来る前、既に私の郷里、足助町の郷土資料館へ行って来たという。あなたの大お爺さんの名前の載った古文書も有りましたよと教えてくれた。帰り際に、自分の著書だといって、新撰組に関する研究結果を纏めた一冊の本をくれた。私は彼を駅まで見送った。彼は、これから、万博見物ですと云って改札の向うに消えていった。
 今日、私は彼から貰った本を改めて読み返してみた。懐かしさがこみ上げてきた。今、どんなことを研究しているのだろうと興味が湧き、本の終わりに載っているアドレスをインターネットで探してみた。だが、どうしたことか接がらなかった。