明けましておめでとうございます

　妻と二人だけの新年が静かに明けた。妻は認知症と老衰でここ二年余り床に就いたままである。
　「気分はどうか」「痛いところは無いか」「栄養ドリンクを飲むか」など簡単な会話が精一杯でである。
　寝たきりの無聊を慮り、歩けるようになって、二人で手をつないで、散歩に出かけられるようになろうと、
励ましているが、本人はそれを、はなから諦めている。60余年にわたり連れ添った仲である。私も90歳を超えたが、体力の
続く限り、在宅で介護しようと思っている。
　さて、今年は私自身何をして過ごそうか。たいしたことはできないが、まず、日曜大工を続けよう。ホームセンターで材料を
仕入れ、簡単な図面を引いて、電動工具を使って加工する。夢中の時間が持てる。次に、迷いもあるが、囲碁に親しむ
ことだろう。歳を取るにつれ、棋力の衰えが見え、悲哀を味わう先輩たちを多数見てきたが、勝ち負けに拘らず、一手一手の
過程を楽しむ碁を打つことにしよう。もう一つ、散歩の励行だ。健康維持のため、毎日30分、家の周辺を歩くことを欠かさないようにする。