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読んだ本の感想と旅行の日記を書いていきます。
後、その他なんかあれば・・・

中小企業診断士への道のり⑬:再現答案比較!事例Ⅲ

2024-04-12 21:38:25 | 中小企業診断士
次に事例Ⅲの比較を行う。
事例Ⅲの問題冊子はこちらから。

事例ⅢはOさんが66点、自分が60点であった。


第1問(配点 10 点)
C 社の生産面の強みを2つ40字以内で述べよ。 
Oさん
①多品種少量生産の設備と品揃え支援体制
②社長や工場管理者のホテルの料理人経験
自分
強みは①ホテルや旅館での料理人経験がある工場管理者②販売先料理長との連携力である。
⇒最近では珍しい10点問題。どのように点が入っているかは分からないが、ここではあまり差はつかないんじゃないかと思う。


■第2問(配点 20 点)
C 社の製造部では、コロナ禍で受注量が減少した2020年以降の工場稼働の低下による出勤日数調整の影響で、高齢のパート従業員も退職し、最近の増加する受注量の対応に苦慮している。生産面でどのような対応策が必要なのか、100字以内で述べよ。 
Oさん
対応策は、①総菜製造班を課長が横断で指示監督し作業員の多能工化で人員効率化し、②販売先からの仕様を明文化し整理し、顧客や社内共有し指示精度を高め変更指示を減らし稼働率を高め増加する受注量へ対応する。
自分
対応策は①前処理や計量・カットなどの工程の外部活用の検討②工場管理者が必要によって作成しているメモ程度のレシピの一元化とマニュアル化を行い従業員に共有し生産指示や加工方法の指導の消力化を行うことである。
⇒Oさんは頻出キーワード「多能工化」を使っている。自分はC社のコアコンピタンスの調理以前の工程を外部活用するとしたが、これは多能工化の方が得点が入っているんじゃないかと思う。また自分は正しくは省力化を消力化と書いており、シャオリーしてしまった。


■第3問(配点 20 点)
C社では、最近の材料価格高騰の影響が大きく、付加価値が高い製品を販売しているものの、収益性の低下が生じている。どのような対応策が必要なのか、120字以内で述べよ。 
Oさん
対応策は、①原材料や調味料の入出庫記録を付け在庫管理徹底し、②生産計画を経験値でなく必要量を標準化し精度を高め消費期限考慮の上発注する。これにより、計画に合わせ一括発注と、在庫減少し廃棄ロスを防ぎコスト低減で収益低下と材料高騰へ対応する。
自分
対応策は精度の高い生産計画・生産統制による徹底したコスト削減である。具体的には①生産計画、受注計画、納品計画を一貫して作成し頻度を納品計画に合わせ週次にする②食材や調味料の必要量の標準化③入出庫業務の徹底した管理による在庫削減の実施である。
⇒どちらも似たような内容になったと思うが、あまり点数に差はつかなかったんじゃないかと思う。


■第4問(配点 20 点)
C社社長は受注量が低迷した数年前から、既存の販売先との関係を一層密接にするとともに、他のホテルや旅館への販路拡大を図るため、自社企画製品の製造販売を実現したいと思っていた。また、食品スーパーX社との新規事業でも総菜の商品企画が必要となっている。創業から受託品の製造に特化してきたC社は、どのように製品の企画開発を進めるべきなのか、120字以内で述べよ。 
Oさん
新規採用した外部人材を中心に前職の開発と管理経験を元に企画開発を行う。X社や既存の販売先ニーズを収集し橋渡し役として社内外関係者と連携し、工場管理者のホテル料理人経験を活用し試作をを行い自社独自製品を開発し差別化する。製品開発部も人員拡充する。
自分
①製品販売先のホテルや旅館の販売先料理長が来社するタイミングやX社商品企画担当者との打合せ時にニーズを収集し②収集した情報を元に工場管理者と製造開発の実務や管理経験がある外部人材とで連携し新商品の企画開発を行い既存と差別化した開発を行うべき。
⇒こちらも両者似たような解答になった。あまり点数に差もつかなかったんじゃないかと思う。


■第5問(配点 30 点)
食品スーパーX社と共同で行っている総菜製品の新規事業について、C 社社長は現在の生産能力では対応が難しいと考えており、工場敷地内に工場を増築し、専用生産設備を導入し、新規採用者を中心とした生産体制の構築を目指そうとしている。このC社社長の構想について、その妥当性とその理由、またその際の留意点をどのように助言するか、140字以内で述べよ。 
Oさん
妥当性はある。既存事業を効率化しコスト削減を行い余力を作り、工場管理者による標準化や仕様やOJTで新規採用者を育成し生産体制の構築が可能で、社長のマネジメント力で新規事業を統括管理し生産能力を確保できる為。留意点は、総菜商品の配送と納品のタイミングを合わせ効率化の必要性がある。
自分
妥当性は十分にあると考える。理由は生産計画を精緻化する余地はあるが、受注量が回復してきたため既存と異なる工場を新設し専門化する必要性がある。留意点は新規採用者を中心とした体制に既存の従業員を入れシナジーの発揮②新工場のレイアウトを商品開発に特化したものにし開発効率を高める必要がある。
⇒どちらも方向性は同じ。Oさんの方が理由に「標準化」「OJT」「社長のマネジメント力」などキーワードが入っているので、加点されるならここかと思う。


(総評) 
Oさんも自分もどちらも解答の内容としては結構同じような所が多かったかなと思う。ここまで似てるのも面白いなあと思った。点数の差がついたのは問5だろう。Oさんの方が理由に要素が色々入っていて分かりやすかったと思う。

そんな感じで事例Ⅲの比較は以上☆
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中小企業診断士への道のり⑫:再現答案比較!事例Ⅱ

2024-04-11 23:31:37 | 中小企業診断士
次に事例Ⅱの比較を行う。
事例Ⅱの問題冊子はこちらから。

事例ⅡはOさんが65点、自分が53点であった。


第1問(配点 30 点)
B社の現状について、3C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)分析の観点から150字以内で述べよ。

Oさん
顧客は、少年野球チームと保護者。金銭的負担の理由や女子チームにてメンバーの確保が課題。競合は、近隣の低価格の大型スポーツ用量販店。自社は、野球用品を専門的に取り扱い、ブランド用品の取り揃え、加工技術の高さ、オリジナル用品の対応力、野球用品の提案力、仕入ルートが強み。HPの活用不足が弱みである。
自分
①顧客は少年野球チームの監督と野球チームメンバーの保護者で、野球用品の買い替えに伴う金銭的負担が悩みである②競合は大型スポーツ用量販店で低価格志向③自社はa)用品の品揃えb)ユニフォームの加工技術と納品力c)オリジナル商品への対応力d)提案力があり野球用品に専門化しているのが強み。弱みは低価格化できないこと。
⇒Oさんの解答の方がとてもコンパクトにまとまっている。顧客に女子チーム、自社でHPの活用不足に言及できたのが大きいと思う。どちらの解答もセオリー通りしっかり自社の弱みに言及しているのがポイント。


■第2問(配点 20 点)
低学年から野球を始めた子どもは、成長やより良い用品への願望によって、ユニフォーム、バット、グラブ、スパイクといった野球用品を何度か買い替えることになるため、金銭的負担を減らしたいという保護者のニーズが存在する。  B社は、こうしたニーズにどのような販売方法で対応すべきか、プライシングの新しい流れを考慮して、100字以内で助言せよ(ただし、割賦販売による取得は除く)。

Oさん
方法は、月額の定額利用サービスとする。毎月少額でユニフォームや野球用品の利用ができ、B社高品質用品の利用ニーズにも応え、顧客金銭負担や一時的な出費を防ぎ買い替えに対応し長期的に利用を促し競合に対抗する。
自分
販売方法はサブスクリプションによる定期定額サービスの実施である。これにより①野球用品一式の提供や買替えを柔軟にできるようにし②汎用品やより良い用品の利用もオプションで選べるようにし顧客の囲い込みを図る。
⇒Oさんの回答がコンパクトでうまくまとまっている。「月額の定額利用サービス」がうまい。自分は、「サブスクリプション」、「これにより」で字数が多くなってしまっている。あとOさんの少額と、高品質の記載もかなり効果的だと思う。


■第3問(配点 20 点)
 女子の軟式野球チームはメンバーの獲得に苦しんでいる。B 社はメンバーの増員のために協力することになった。そのために B 社が取るべきプロモーションやイベントについて、100字以内で助言せよ。

Oさん
①販促はSNSへユニフォームヘ自社加工した画像を投稿し訴求する。②河川敷で地域と協力し女子野球のリーグ戦を立ち上げ、B社の用品試用や体格等に応じた用品提案会を行い直接訴求し、女子部員増加と開拓を行う。
自分
プロモーションはSNSにて女子の軟式野球が盛んな地域の動画を配信し楽しさを訴求し保護者からの相談窓口を開設する。イベントは商品説明会を開き刺しゅうによるおしゃれなユニフォームを女子に訴求し希望者を増やす。
⇒Oさんの河川敷でのイベントはかなり良い回答だと思う。これはヒント出てたので使っておかないと点数が伸びなかったと思う。


■第4問(配点 30 点)
 B 社社長は、長期的な売上げを高めるために、ホームページ、SNS、スマートフォンアプリの開発などによるオンライン・コミュニケーションを活用し、関係性の強化を図ろうと考えている。誰にどのような対応をとるべきか、150字以内で助言せよ。

Oさん
地元の本格志向の少年野球の監督やメンバーを標的とする。チームデータ管理、要望の情報把握、アドバイス管理の機能を持つHPやSNSを長男のITノウハウを活用し開発する。B社のアドバイス提案等を双方向で意思疎通し、顧客ニーズを直接収集し用品開発に活かし、長期的関係性を作り愛顧で固定客化し他社へ対抗する。
自分
①野球チームの監督に向けて各チームのデータ管理、保護者の要望が把握できるようアプリの活用を提案しまた試合結果の配信や試合のマッチングを行う②保護者向けに相談窓口を開設し要望の受付とアドバイス、子供の体格や技術に応じた野球用品の提案を行い関係性強化を図りLTVを向上させる。
⇒ホームページ、SNS、スマートフォンでそれぞれ解答を作るべきだったかなと思った。またOさんの解答に比べて自分の解答はターゲットも施策もよく分からないなと思った。


(総評) 
問2まではOさんも自分もそこまで点数の差はついていなかったんじゃないかと思うが、問3の河川敷を使ったイベント例、また問4のターゲットの選定と具体的な施策の記述辺りで点数の差がついてしまったんじゃないかと思う。
与件の解答に使える要素をどの設問に対して使うかというのと、しっかりとターゲットを選定できたかというのが今回の事例Ⅱの大きなポイントだったんじゃないかと思う。

そんな感じで事例Ⅱの比較は以上☆
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中小企業診断士への道のり⑪:再現答案比較!事例Ⅰ

2024-04-10 23:41:07 | 中小企業診断士
一旦攻略のコツは書き終えたので、次に自分の再現答案のご紹介と、勉強の師匠でもある先輩Oさんの再現答案をもらっているので、その点数比較と考察を全4回に渡って行っていこうと思う。
(ちなみにOさんからの再現答案の掲載許可はいただいている。)

自分とOさんはなんと総得点が一緒の248点であった。
各事例の点数は以下の通り。

Oさん 事例Ⅰ:51点 事例Ⅱ:65点 事例Ⅲ:66点 事例Ⅳ:66点 合計:248点
自分  事例Ⅰ:69点 事例Ⅱ:53点 事例Ⅲ:60点 事例Ⅳ:66点 合計:248点
これぞ正に数奇な運命(笑)、この2つの再現答案を比較することで入れたキーワードや書き方で点数が入るのか、考察していきたいと思う。


ではまずは事例Ⅰから。
ちなみに問題冊子はこちらのリンクからダウンロードいただければと思います。


■第1問(配点 20 点)
統合前のA社における①強みと②弱みについて、それぞれ30字以内で述べよ。
Oさん
強み:①互いに助け合い自律的問題解決する風土②従業員定着と地域密着
弱み:①原材料の仕入が不安定②メニュー開発力不足③新規顧客獲得不足
自分
強み:①売上高が堅調②相互扶助と自主解決の風土による組織の一体感。
弱み:①原材料の高騰と仕入が不安定②新たな顧客層の取込が必要な点。

⇒両者似ている解答になった。基本的にここに書いた強み、弱みが以降の解答で使われることになる。


■第2問(配点 20 点)
A社の現経営者は、先代経営者と比べてどのような戦略上の差別化を行ってきたか、かつその狙いは何か。100字以内で述べよ。
Oさん
地元の家族層へ標的を絞り、商品とサービスの質を高めメニュー開発し競合と差別化し、高価格で蕎麦に資源を集中する差別化集中戦略。狙いは、近隣の競合との競争を回避し顧客需要低下を防ぎ経営を継続する為。
自分
差別化は①客層の地元のファミリー層への絞込②原材料の厳選による高価格化③オリジナルメニューの開発である。狙いは複数で来店する顧客を増加し商品とサービスの質向上による固定客化での安定した売上向上である。

⇒自分は売上高が堅調という強みをここで使った。安定した売上向上が実現されているよというニュアンスで解答の一貫性を作っている。


■第3問(配点 20 点)
A社経営者は、経営統合に先立って、X社のどのような点に留意するべきか。100字以内で助言せよ。
Oさん
留意点は、①A社と異なるドメインや経営資源に対し、統合後のシナジーや効果を見極め②X社の非正規社員が多く社長中心で自律的でなく横の連携が少ない社風に対し、統合後のイメージを共有し従業員の不安解消
自分
留意点は①客単価を抑えて回転率を高めており接客サービスの品質がA社と異なる点②従業員の意思疎通がないことによるモラールが低い点③仕入先が不安定によるA社の弱みをシナジーにて解決できる可能性がある点。

⇒Oさんの「A社と異なるドメインや経営資源」という書き方はうまいなと思った。自分は③の仕入れ先不安定をシナジーにて弱みを解決できると書いたが、これはなかなか良かったんじゃないかと思う。


■第4問(配点 40 点)
A社とX社の経営統合過程のマネジメントについて、以下の設問に答えよ。
 (設問1)
 どのように組織の統合を進めていくべきか。80字以内で助言せよ。
Oさん
①X社経営資源を査定し情報の非対称性を防ぎ②統合後の方向性や目的意識を明確にし共有し③組織形態をA社をベースへ融合し④サービス等の暗黙知を承継し円滑に風土を統合。
自分
①A社から接客リーダをX社に送り込み全体統括の役割にて権限委譲し社員のモラール向上を促す②接客厨房管理の部署を統合しA社の社風を浸透させ組織活性化を図るべき。

⇒A社の接客リーダをX社に送り込みはなかなかいい解答だったんじゃないかと自画自賛(笑)。頻出キーワードの「権限委譲」もここで使った。

 (設問2)
 今後、どのような事業を展開していくべきか。競争戦略や成長戦略の観点から100字以内で助言せよ。
Oさん
事業は、①X社の仕入業社や店舗立地の強みとB社のサービス品質を組合せ食べ歩き目的客需要獲得する差別化集中戦略と、②自律的に助け合う土壌や権限委譲によりモラールを高め従業員定着化を図る内部成長を行う。
自分 
①競争戦略として差別化戦略を行いA社の成功例を活かし商品のサービスと質を高め高価格路線を採用する②成長戦略としてX社の立地を活かし食べ歩き目的の外国人・若者向けに差別化商品を提供し新市場開拓を行うべき。

⇒Oさんは「権限委譲」をここで使っている。自分は競争戦略と成長戦略を骨子として別々に書くことで解答もまとめやすくなった。A社の成功例も盛り込み、また問1で書いた「新たな顧客層の取込が必要な点」の弱みをここで回収している。


(総評)
自分はかなり会心の出来だったと思う。強み、弱みをしっかり後ろの設問で回収し、解答の一貫性ができたと思う。また作問者の「ここを使え」というヒントもしっかり使うことができたかなと考えている。
使うキーワードは両者似ていたかと思うが、自分はより作問者の意図に沿えたんじゃないかという所で点数がとれたんじゃないかと思う。

そんなんで第1回目の事例Ⅰは以上☆
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中小企業診断士への道のり⑩:攻略のコツ7,その他

2024-04-09 22:25:04 | 中小企業診断士
攻略のコツもこれで最後となる。
最後にいくつかその他お伝えしたい内容を書く。


■タイムマネジメント
 事例Ⅳのタイムマネジメントは前回ちらっと書いたので、今回は事例Ⅰ~事例Ⅲのタイムマネジメントについて書く。

 ・前半と後半に分ける
  基本的には前半と後半の2つに分け、前半を30分、後半を50分としていた。前半は設問と与件を読み込む時間で、後半は解答を書く時間である。前半30分を過ぎたら書く内容がまとまっていない場合でも解答を書き始めることにしていた。
  
  前半の設問と与件の読み込みには、それぞれ2回ずつ行い、①設問→②与件→③設問×与件と見ていった。
  ①ではどのような問題が出題されているかの分類と解答骨子の作成、
  ②ではSWOTの洗い出しと時系列や組織図のまとめ、わざわざ表現や社長思いなどの重要な要素に赤ペンで印をつけていった。
  ③では設問1問ごとに設問のキーワードに色を付け、与件文のどの段落が回答に使えそうかリンクを張り同じ色のマーカーを引いていった。
  自分は第1問:赤、第2問:黄、第3問:青、第4問:オレンジ、第5問:緑と決めていた。
  

 ・開始~5分くらい
  名前を書いて、メモ用紙にメモを書く準備をした後(後述)、まずは与件文の段落(文字の開始が一文字ずれて始まっている箇所を1段落としている) に番号を振っていく。ここで与件のボリュームを見る。その後、第一段落と最後の段落を見てどういう会社でどうしていきたいのかという雰囲気をつかんだ後、1回目の設問文を見る。
  
  設問文は配点を確認し、各設問について、戦略問題か、それ以外の問題かを大きく分ける。そして、以下の例の通り設問の内容を見て各問題の骨子を作る。

  例)
   -A社の現経営者は、先代経営者と比べてどのような戦略上の差別化を行ってきたか、かつその狙いは何か。100 字以内で述べよ。(R5事例Ⅰ)
   →「差別化は~である。狙いは~である。」
   -B社の現状について、3C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)分析の観点から150 字以内で述べよ。(R5事例Ⅱ)
   →「顧客:~、競合:~、自社:~」
   -その妥当性とその理由、またその際の留意点をどのように助言するか、140 字以内で述べよ。(R5事例Ⅲ)
   →「妥当性は~、理由は~である。留意点は~である。」

 ・~15分くらい
  1回目の与件文を見ていく。赤ペンでSWOTの内容は○の中にS、W、O、Tと書いてアンダーラインを引き、わざわざ表現はその文言をぐりぐりと○で囲み目印をつけていった。
  与件文を読みながら、時系列と組織図をメモ欄に書いていった。その他気づいた点やSWOTの内容をメモ欄に転記していった。

 ・~30分くらい
  設問文と与件文のリンクを張る。各設問のキーワードにマーカーし、それと紐づく与件文の内容に同じマーカーを引いた。与件文には複数のマーカーが引かれることがあるが、最終的な解答にはしっかり被らないように割り付けを行う。

  ここは第1問目から順々にやるのではなく、簡単そうな問題から紐づけを行っていった。
  メモ欄の解答骨子にそれぞれ書く内容の要素をメモして、解答を作り上げる際の材料をメモ欄からピックアップできるようメモ欄にまとめていった。

 ・~80分
  1問の解答の記載の目安を10分として解答を書いていった。ここまでで全体の解答の流れも考慮し、書けそうな問題から書いていった。第1問目に良くあるSWOTは比較的最後の方に残しておいて、それまでに書いた内容とリンクするかどうかを確認しながらSWOTの内容を書いていった。

  事例Ⅱは全4問の構成が多かったが、これも1問12分くらいの時間で割り付け、30分経過したら解答の記載を始めていた。
  事例Ⅲは120字、150字書けという内容も良くあったが、特に字数で時間を延ばすことはせず、1問10分で計算していた。そのため150字は10分で間に合わないこともあったはあった。。
そこはSWOTなど、解答に時間がかからない問題から時間を回したりして微調整をしていた。

80分のタイムマネジメントとしてはそんな感じでしょうか?


■メモ用紙の使い方
 これは問題を解いていく上で編み出した自分独自のやり方であるが、基本的に解答に書く内容はメモ用紙にまとめてから解答欄に書いていくことにしていた。これは解答を書くときに与件をバラバラ見て探さず、まとめた内容を見ることで「書くこと」に集中するためにやっていた。

 A4の紙(試験時は問題冊子から切り離した表紙の裏)に線を引いて、4つのエリアに分け、それぞれのエリアに①SWOTの内容、②解答骨子と解答に盛り込む内容、③与件を読んで気づいた点、④時系列、組織図や、その他与件の整理を書き込んでいった。
以下のような感じである。

 試験開始後線を引いた状態


 ここに、エリアごとにまとめる内容を決め、自分が理解した内容を記載していった。

 赤字は問題を解く過程で書いていった内容の例


 こうすることで、何の情報がどこにまとまっているかが分かるので、解答を書く際の材料の取捨選択がスムーズになり、また③の与件を読んで気づいた内容の欄は、解消しなければならない弱みの情報も書いているので、この内容が解答の中で解消されているか等も検証することができ、解答の一貫性も確認することができる。

 ちなみに②にまとめた内容を見て、書きだした要素を文章にしながら解答用紙に解答を書き込んでいった。
④は組織図が大事だと以前書いたこともあるが、組織図を忘れずに書くようにする欄と、与件の時系列もしっかり理解しておく必要があるためそれを書くようにしていた欄である。

 基本的に自分は、このA4の紙に「転記」をして解答の内容をまとめていったのであるが、この転記の時間が惜しい人はあまり参考にならないかもしれない。。
 また、必要な情報の転記がそもそも漏れているとその必要なキーワードを使った解答ができなくなってしまうのでそこはリスクではあると思う。

 でも、このように、自分の理解をまとめる書き方のフレームワークがあると、いざ解答するときに自分の知識や理解の整理がしやすく、抜けている観点がないかを確認する際にも使えるので、こういう書き方は編み出しておいて有用なものなのではないかと思う。


■初見対応力を鍛える
 あと意識していたのが、初見対応力を鍛えるということだった。
過去問を何回もやっていると、こういう問題が出て、こういう方向性で答えていけばいいということがあらかじめ分かってしまっているので、自ずと問題文を読むのも解答を書いていくのも時間がかからなくなっていくものである。

 最初は80分で間に合わなかった問題でも繰り返していくと80分で解け、60分で解けるようになったりするので、実際に初めて問題を目にした時の緊張感や解くスピードと違いが生じ、問題を解く上での十分な予行練習にならなくなってしまう。

 そのために模試などで、初めて見る問題に対して解く練習が必要になったりしてくるのだが、どうも予備校で出る新作問題や模試(以下、予備校オリジナル問題とする)と過去問は問題の完成度が大きく違うなあと感じるようになった。

 予備校のオリジナル問題は解答の方向性がすごく意図的に用意されている気がするのだ。その点実際の過去問はヒントの散らばせ方がとてもバランスよく、方向性も微妙に分からず、問題としてかなりよくできているのだ。本当に過去問と予備校のオリジナル問題の両方をこなしてきた方なら分かると思うが、この2次試験の過去問はとても完成度が高い。本当に1年間かけて練りに練られた珠玉の問題なのだ。ここまでの完成度が予備校のオリジナル問題にはないため、実際初めて問題に向き合った時のシミュレーションが予備校オリジナル問題ではできないと考えた。

 そのため、自分は未実施の年度を2年分残し、試験の直前に残していた1年分の年度を全て解いて、本番の予行練習としたのであった。もう1年分は落ちた時の次回の予備であった。。。

 そんなんで、この初見対応力を鍛えるというのも、結構大きな合格のための要因になると思う。
 実際に試験の午後に頭が疲れてきて事例Ⅲとか事例Ⅳで脳の負荷がかなりきつくなってきた人もいると思う。そんな中でこの初見の問題を見て実際にどのような時間配分やメンタルで解けるか前もってシミュレーションしておくのは結構大きな経験になると考えている。


■綿密な予行練習とか、運とか
 そんなんで再掲ですが、やっぱり運もある。
 自分は今回の試験は、システム化問題が出なかった。解答の割り付けがしっかりできた。というのが結構大きかったかなと思う。本当に問題によっては頭が真っ白になることもあったと思うし、比較的R5は自分の想定の範囲内で解けた問題だったなと思う。

 あとは試験前日にはしっかり寝て体力をつけ、実際に自分の一日の行動(何時に駅について、お昼ご飯は何を食べて)についてもしっかりシミュレーションしていたので、メンタル面でも大きく乱されずに試験に臨むことができた。

 そんなんで、問題にも恵まれたし、終始自分を見失わず自分を貫けたので、本当に運が良かったなというのも思ったりもします。


そんなんで、自分が伝えたかったことは今までの記事でしっかり出し尽くせたかなと思う。しっかり伝えられたかどうかは分からないが、、
ということで今回の内容は以上☆

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中小企業診断士への道のり⑨:攻略のコツ6,事例Ⅳ

2024-04-04 00:04:55 | 中小企業診断士
今回は他の事例と毛色が全然異なる事例Ⅳである。

前々から書いている通り、事例Ⅳを制する者は2次試験を制す、一番重要な科目なのではないかと思う。

「事例Ⅳは努力を裏切らない」とA社ではスローガンになっている通り、まさに勉強時間に比例して点数が伸びていくという、他の事例にはない唯一無二、一番得点が信頼できる科目なのであった。

事例Ⅳはあきらめないことが肝心。最初は全くさっぱり分からない内容でも、クリンチをして食らいつけば、だんだんとその全体像や出題範囲、攻略法が見えてきて得点の糸口が見つかめてくるのだ。
そんな事例Ⅳで自分が理解していた内容についてまとめる。


■全体像
 事例Ⅳは大問が4問。1問目が財務分析、2問目がCVP、3問目がNPV、4問目が記述問題と大まかに問題の内容が分類できる。
 毎年この問題が出ている訳ではないが、ほぼほぼ鉄板。それ以外の問題が出ていることもあるが、CVP、NPV以外の問題が出た場合でもそんなに難易度は高くない認識である。そのため、基本的にこの4つの分類の問題に対応していけばいいことになる。


■取り組んでいった経緯
 自分はA社で配布していた問題集があり、それを基本的に何回も繰り返し説くことでCVP、NPVの問題に慣れていった。
 また先輩Oさんに教えてもらった「事例Ⅳ攻略マスターガイド」という教材を使って、財務分析、CVP、NPVの問題をさらに解いていって反復練習、型化に取り組んでいったのであった。
 ていうか大きな攻略方法はこのマスターガイドに書かれているので、これだけ見てもらっても全然高得点化できると思う。

 特に良かったのは、第1問目の財務分析の解き方の機械化だった。どんな問題が出ても、まず収益性、安全性、効率性の9つの指標だけを機械的に計算し、そこから3つを選ぶというやり方だった。財務分析に機械的に取り組むことで、第1問目を10分から15分の間に解くことができ、他の問題に時間を配分し余裕を生むことができたのだった。

 また、最後の4問目の記述問題は何が出るかは分からないが、基本的には与件の内容をもとに記述をしていけば良く、内容はそこまで難しくないものなので、これは過去問を10年くらい遡って確認し、傾向を把握し、そこで分からない知識(オプション取引)などは改めてインプットしていった。

なので、第1問目は機械化、第2問目と第3問目は問題集の反復練習、第4問目は過去問を一通り見て傾向を把握し不明点は知識を拡充といった形でそれぞれ対応していったのであった。


■タイムマネジメント
 タイムマネジメントは2次試験でかなり大きなウェイトを占める大事な要素である。事例Ⅰ~Ⅲは同じようなタイムマネジメントができるので別に述べるが、ここでは自分がやっていた、事例Ⅳのタイムマネジメントについて書く。

 ・開始~20分
  第1問目を終わらせる。設問と与件を見てどのような問題かをざっと見て(5分以内)、先ほど書いた機械化の解き方を使って10分~15分で描き切ることで最低20分以内には第1問目を解き切っていた。

 ・~30分
  第4問目を書き切る。与件の内容から基本書けるので、特に2問目、3問目は見ずにこの4問目を10分間で解き切っていた。4問目は記述問題なので10分での回答は全然可能である。

 ・~80分
  第1問目と第4問目を解いた時点で30分かかっていて、残り50分で第2問目と第3問目を解くことになるが、残り2問で50分は比較的余裕がある方だと思う。
  この2問は難易度に応じて時間を割り振っていた。多くは20分、30分だろうか?設定した時間で解けない場合は進捗にもよるが、次の問題に取り掛かるようにしていた。

 そんな感じのタイムマネジメントだった。重要なのは第1問目をいかに素早く説くかであろうか?これによって後半の第2問、第3問に費やせる時間が大きく変わってくるのでこの第1問目の機械化の解き方は本当学んでおいて良かったと思った。


■空白を残して出さない
 事例Ⅳはここが一番大事かもしれない。「あきらめない」というのはこのことに集約されているかもしれない。
 「空白を残さない」。これだけである。これが大事なの?と思う人もいるかと思うが、事例Ⅳは事例Ⅰ~Ⅲと採点内容も大きく異なるものと考えられる。

 よく事例Ⅳはだめだと思っていたが思ったより得点が良かったということがよくあったりする(らしい)。これは、得点調整をしているためだと考えられる。
 前にも書いたが、2次試験は上位ほぼ2割が選ばれる「相対評価」である。
事例Ⅳは難しい問題はみんな解けないし、そこまでぴったしの数値を書いて正解の人もほぼいないと考えられる。そのため、事例Ⅳが一番得点調整が行われる科目だと思う。

 その得点調整のためには某K先生がよく言っている「下駄を履かせる」という行為が行われる可能性がかなり高い。下駄を履かせるというのは、採点者が書いてある内容によって部分点をいくらか与えるという行為になるのだが、この下駄を履かせる対象として、明らかに「何も書いていない回答」よりは「何か書いてある回答」に対してやるのが当たり前の考え方だろう。てか何も書いてなければ下駄の履かせようもないのだ。

 なので、「計算過程を書け」という問題でも、計算過程ではなく「自分はこういう風に考えました」的な回答を書いたり、ぶっちゃけ計算のキーワードだけでも何かしら書いておけば、「下駄を履かせる」という上では部分点をくれたりするのが採点者の心情ではないだろうか?

 なので分からなくても、時間がなくても、空欄には何か数値や、なんか文章を書いて出すのが重要なのである。その部分点をもらうことが、1点に笑い1点に泣くこの2次試験では本当に重要な要素なのである。

 というのを自分はA社の講義やK先生のお話を聞いて納得したので、空白を残さないようにして出したら66点も取れましたという結果になったのだった。
 なので、「あきらめないで!
 最後の最後で真矢みきさんを思い出して何とか問題、答案にしがみつくのである。最後の1秒まで書いて出す。この部分が本当に最後の一歩、診断士になる上での重要な1ピースになるのではないかと思う。


ということで、特にキーワードとかの説明はせず、事例Ⅳの向き合い方についてメインに書かせていただいたが、今回はこんな感じでしょうか?
攻略のコツは最後まだもうちょっと続くが、事例Ⅰ~Ⅳまで、自分の頭の中にあった内容はほぼほぼ書けたかなと思う。
今までの記事から何か得られるものがあったら嬉しいです。

そんなんで今回は以上☆
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