私の子供の頃、自分が生まれる前に作られた正義の味方が二人、テレビアニメになった事がありました。
その番組とは、「月光仮面」と「黄金バット」です。
その2つとも、昔、とても人気があったと宣伝していましたので、私は興味深く観ていました。
それで、「月光仮面」は以前、書きましたので、今回は「黄金バット」のお話をする訳ですが、私が「黄金バット」に惹かれた主な理由は、昭和5年に紙芝居から誕生した正義の味方だという点でした。
古いものが好きな私としては、これはとても魅力的でありました。
それと同時に、私は「黄金バット」について、およそ2つ疑問に思っている事がありました。
一つは、黄金バットはどこから来るのかという事です。
主題歌の歌詞はこんなふうになっています。
♪黄金バット
どこ どこ どこから来るのか
黄金バット
輝くどくろは正義の味方
ヒュッと風切る
シルバーバトン
宇宙の怪物やっつけろ
どこ どこ どこから来るのか
黄金バット
こうもりだけが知っている
そう、黄金バットがどこから来るのか、こうもりしか知らないのです。
そこで、私なりにいろいろ推理した結果、黄金バットは、こうもりと仲良しだから、洞窟の中に住んでいると断定したのです。
私は、子供の頃、修学旅行で、日本の三大鍾乳洞の一つである山口県の秋芳洞に行った事があるのですが、その神秘的な様子はまさに黄金バットがどこかに隠れているように思えました。
そこで、「黄金バット出てきて!」と叫んでみたのですが、お昼寝していたのか、はたまた悪を懲らしめに外出中だったのか、黄金バットは私の呼びかけに出てきてはくれませんでした。(苦笑)
もう一つの疑問は、黄金バットの容姿です。
多くの正義の味方は、一目見ただけで、かっこいい姿をしているのに、黄金バットは、骸骨なんです。
どうして、あんな気味の悪い姿をしているのでしょう?
もしかしたら、魔法使いに呪いをかけられたのでしょうか?
そういえば、子供の頃、呪いで、醜いヒキガエルにさせられた王子さまが、お姫さまのキスで、元のかっこいい姿に戻ったという童話を読んだ事があります。
その2つが、私が「黄金バット」に長年、疑問に思っていた事だったのです。
しかし、そんな答えを自分なりに導き出したとは言え、はっきりした証拠がある訳ではないですから、確かめないといけません。
そこで、「黄金バット」に関する作品をいろいろ探してみました。
すると、レンタル屋さんで、実写版の「黄金バット」のDVDを見つけたのです!

それは、1966年に製作された映画で、早くも私の長年の謎を解き明かすエピソードが描かれていたのです。
その映画によると、どうやら黄金バットは、大昔、大西洋に沈んだアトランティス大陸の王家の末裔で、ミイラになっていたのを、ひとしずくの水を胸にたらされたのを、きっかけによみがえったらしいのです。
アトランティス大陸の王子さまと言ったら、手塚治虫先生原作のテレビアニメ「海のトリトン」の主人公、トリトンと一緒じゃないですか!
という事は、黄金バットの呪いがとけたら、トリトンになるって事?
そして、エミリー隊員というお姫さまのキスで、黄金バットは素敵な王子さまトリトンに戻り、エミリー隊員と結婚して、めでたしめでたしで終わるのでは?
王子さまと結婚するのは、世の女性たちの憧れですから、これ以上に素敵なハッピーエンドはないですよね?
でも、残念ながら、その映画で、黄金バットとエミリー隊員は結ばれませんでした。(苦笑)
ちなみに、この映画にご出演された方で、私の印象に残ったのは、元東京都知事でタレントだった青島幸男さんと、千葉真一さんと高見エミリーさんです。
青島幸男さんはお巡りさんの役で冒頭から登場していて、当時、人気のあったほどがうかがい知れます。
千葉真一さんはヤマトネ博士の役で、出番が非常に多く、はっきり言って黄金バットよりかっこいいです。(笑)
千葉真一さんはこの当時、「七色仮面」や「忍者部隊月光」など、テレビの子供番組ですごく人気があったそうです。
あと、高見エミリーさんは、私は知らなかったのですが、すごく可愛いので調べてみたら、リカちゃん人形のモデルになった人で、少女雑誌のグラビアにもよく載っていたのだとか。
ストーリーは、地球を襲ってくる惑星イカロスを、超破壊光線砲で爆破すべく、悪の組織ナゾー一味と、国連秘密機関との戦いを描いたもので、お子様向けに作られていて、童心にかえって楽しめる趣向になっています♪
映画を観た私はさらに「黄金バット」を知るべく漫画版も読んでみる事にしました。
それは、永松健夫さんという漫画家が描いて、昭和22年に出版されたもので、この人こそ紙芝居の絵を描いた人だったのです。
この漫画は、悪の組織ナゾー一味がユートピアである地下の国を我がものにしようとするのを、黄金バットを味方にする人間達が戦う様を描いたもので、魅力的なキャラクターに加え、物語性豊かなストーリーで、すごく楽しめる内容でした。
ただ、悪人がまったくそれらしく描かれてなくて、おまけになぜかお婆さんもナゾーの一味に加わっているのに、びっくりしました。
そして、この漫画では黄金バットの姿が、今まで見ていたのと違って、かなり着飾っているのに、びっくりしちゃいました。
それについては巻末の解説を書いた都筑道夫さんが、黄金バットの姿は、おそらく映画の「オペラ座の怪人」をヒントにしたのではないかと書かれていました。
「オペラ座の怪人」とは、オペラ座の地下に潜む醜い怪人が、駆け出しの女優のクリスティーヌに恋して、彼女を成功に導くも、貴族のラウルと恋人になったのを嫉妬して大事件を起こすストーリーで、人間の心の闇をテーマにした作品として広く知られているそうです。
正義の味方、黄金バットとは全然、イメージが違いますよね!
もしかしたら、「黄金バット」の作者はただの正義の味方を描きたかったのではないかも知れない!?
清濁併せ持つのが、人間の本性であるとすれば、正義と悪は、私たち人間の心のうちに共に存在するもので、勧善懲悪というものは有り得ないのでは?
実は、私は正義の味方が、いつも暴力で悪をねじ伏せるというストーリーに少なからず疑問を持っているんです。
どんなに正しい人でも、たとえどんな理由でも、いつも暴力を振るってる人は、尊敬なんか出来ないのです。
私の知っている正義の味方が好きな人で、ちょっとした意見の違いで、人を憎んで戦いを挑む人がいます。
本当に正義が好きなら、あなたはどうして戦うばかりで、相手を理解しようという努力をしないの?
黄金バットは正義の味方として登場し、悪を懲らしめますが、その黄金バット自身、心の片隅に悪の心を持っていて、その罰として、あのような姿をしているのではないでしょうか?
話が難しくなったところで、先に進みますね。(笑)
漫画の神様、手塚治虫先生に「怪盗黄金バット」という漫画があることを知り、それも読んでみる事にしました。

この漫画は永松健夫さんの「黄金バット」と同じ昭和22年に出版され、手塚先生の黄金バットは宝石を盗む悪役として描かれています。
同じ黄金バットでありながら、かたや正義の味方、かたや悪の権化として描かれていて、まさに私の言う通りだと思いませんか?
「黄金バット」は正義の味方の元祖にして、頂点を極めた優れた作品だと、私は自信を持って、宣言します!
正義の味方が好きな人も、そうでない人も相手を理解する努力を大切にしたいものですね♪
その番組とは、「月光仮面」と「黄金バット」です。
その2つとも、昔、とても人気があったと宣伝していましたので、私は興味深く観ていました。
それで、「月光仮面」は以前、書きましたので、今回は「黄金バット」のお話をする訳ですが、私が「黄金バット」に惹かれた主な理由は、昭和5年に紙芝居から誕生した正義の味方だという点でした。
古いものが好きな私としては、これはとても魅力的でありました。
それと同時に、私は「黄金バット」について、およそ2つ疑問に思っている事がありました。
一つは、黄金バットはどこから来るのかという事です。
主題歌の歌詞はこんなふうになっています。
♪黄金バット
どこ どこ どこから来るのか
黄金バット
輝くどくろは正義の味方
ヒュッと風切る
シルバーバトン
宇宙の怪物やっつけろ
どこ どこ どこから来るのか
黄金バット
こうもりだけが知っている
そう、黄金バットがどこから来るのか、こうもりしか知らないのです。
そこで、私なりにいろいろ推理した結果、黄金バットは、こうもりと仲良しだから、洞窟の中に住んでいると断定したのです。
私は、子供の頃、修学旅行で、日本の三大鍾乳洞の一つである山口県の秋芳洞に行った事があるのですが、その神秘的な様子はまさに黄金バットがどこかに隠れているように思えました。
そこで、「黄金バット出てきて!」と叫んでみたのですが、お昼寝していたのか、はたまた悪を懲らしめに外出中だったのか、黄金バットは私の呼びかけに出てきてはくれませんでした。(苦笑)
もう一つの疑問は、黄金バットの容姿です。
多くの正義の味方は、一目見ただけで、かっこいい姿をしているのに、黄金バットは、骸骨なんです。
どうして、あんな気味の悪い姿をしているのでしょう?
もしかしたら、魔法使いに呪いをかけられたのでしょうか?
そういえば、子供の頃、呪いで、醜いヒキガエルにさせられた王子さまが、お姫さまのキスで、元のかっこいい姿に戻ったという童話を読んだ事があります。
その2つが、私が「黄金バット」に長年、疑問に思っていた事だったのです。
しかし、そんな答えを自分なりに導き出したとは言え、はっきりした証拠がある訳ではないですから、確かめないといけません。
そこで、「黄金バット」に関する作品をいろいろ探してみました。
すると、レンタル屋さんで、実写版の「黄金バット」のDVDを見つけたのです!

それは、1966年に製作された映画で、早くも私の長年の謎を解き明かすエピソードが描かれていたのです。
その映画によると、どうやら黄金バットは、大昔、大西洋に沈んだアトランティス大陸の王家の末裔で、ミイラになっていたのを、ひとしずくの水を胸にたらされたのを、きっかけによみがえったらしいのです。
アトランティス大陸の王子さまと言ったら、手塚治虫先生原作のテレビアニメ「海のトリトン」の主人公、トリトンと一緒じゃないですか!
という事は、黄金バットの呪いがとけたら、トリトンになるって事?
そして、エミリー隊員というお姫さまのキスで、黄金バットは素敵な王子さまトリトンに戻り、エミリー隊員と結婚して、めでたしめでたしで終わるのでは?
王子さまと結婚するのは、世の女性たちの憧れですから、これ以上に素敵なハッピーエンドはないですよね?
でも、残念ながら、その映画で、黄金バットとエミリー隊員は結ばれませんでした。(苦笑)
ちなみに、この映画にご出演された方で、私の印象に残ったのは、元東京都知事でタレントだった青島幸男さんと、千葉真一さんと高見エミリーさんです。
青島幸男さんはお巡りさんの役で冒頭から登場していて、当時、人気のあったほどがうかがい知れます。
千葉真一さんはヤマトネ博士の役で、出番が非常に多く、はっきり言って黄金バットよりかっこいいです。(笑)
千葉真一さんはこの当時、「七色仮面」や「忍者部隊月光」など、テレビの子供番組ですごく人気があったそうです。
あと、高見エミリーさんは、私は知らなかったのですが、すごく可愛いので調べてみたら、リカちゃん人形のモデルになった人で、少女雑誌のグラビアにもよく載っていたのだとか。
ストーリーは、地球を襲ってくる惑星イカロスを、超破壊光線砲で爆破すべく、悪の組織ナゾー一味と、国連秘密機関との戦いを描いたもので、お子様向けに作られていて、童心にかえって楽しめる趣向になっています♪
映画を観た私はさらに「黄金バット」を知るべく漫画版も読んでみる事にしました。
それは、永松健夫さんという漫画家が描いて、昭和22年に出版されたもので、この人こそ紙芝居の絵を描いた人だったのです。

この漫画は、悪の組織ナゾー一味がユートピアである地下の国を我がものにしようとするのを、黄金バットを味方にする人間達が戦う様を描いたもので、魅力的なキャラクターに加え、物語性豊かなストーリーで、すごく楽しめる内容でした。
ただ、悪人がまったくそれらしく描かれてなくて、おまけになぜかお婆さんもナゾーの一味に加わっているのに、びっくりしました。
そして、この漫画では黄金バットの姿が、今まで見ていたのと違って、かなり着飾っているのに、びっくりしちゃいました。
それについては巻末の解説を書いた都筑道夫さんが、黄金バットの姿は、おそらく映画の「オペラ座の怪人」をヒントにしたのではないかと書かれていました。
「オペラ座の怪人」とは、オペラ座の地下に潜む醜い怪人が、駆け出しの女優のクリスティーヌに恋して、彼女を成功に導くも、貴族のラウルと恋人になったのを嫉妬して大事件を起こすストーリーで、人間の心の闇をテーマにした作品として広く知られているそうです。
正義の味方、黄金バットとは全然、イメージが違いますよね!
もしかしたら、「黄金バット」の作者はただの正義の味方を描きたかったのではないかも知れない!?
清濁併せ持つのが、人間の本性であるとすれば、正義と悪は、私たち人間の心のうちに共に存在するもので、勧善懲悪というものは有り得ないのでは?
実は、私は正義の味方が、いつも暴力で悪をねじ伏せるというストーリーに少なからず疑問を持っているんです。
どんなに正しい人でも、たとえどんな理由でも、いつも暴力を振るってる人は、尊敬なんか出来ないのです。
私の知っている正義の味方が好きな人で、ちょっとした意見の違いで、人を憎んで戦いを挑む人がいます。
本当に正義が好きなら、あなたはどうして戦うばかりで、相手を理解しようという努力をしないの?
黄金バットは正義の味方として登場し、悪を懲らしめますが、その黄金バット自身、心の片隅に悪の心を持っていて、その罰として、あのような姿をしているのではないでしょうか?
話が難しくなったところで、先に進みますね。(笑)
漫画の神様、手塚治虫先生に「怪盗黄金バット」という漫画があることを知り、それも読んでみる事にしました。

この漫画は永松健夫さんの「黄金バット」と同じ昭和22年に出版され、手塚先生の黄金バットは宝石を盗む悪役として描かれています。
同じ黄金バットでありながら、かたや正義の味方、かたや悪の権化として描かれていて、まさに私の言う通りだと思いませんか?
「黄金バット」は正義の味方の元祖にして、頂点を極めた優れた作品だと、私は自信を持って、宣言します!
正義の味方が好きな人も、そうでない人も相手を理解する努力を大切にしたいものですね♪