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奈々の これが私の生きる道!

映画や読書のお話、日々のあれこれを気ままに綴っています

戦場まんがシリーズ「音速雷撃隊」松本零士

2011-09-18 13:34:25 | 読書
先日、ご紹介いただいた「音速雷撃隊」ようやく読みました。

この作品は、桜花と言って、日本軍が連合軍に勝利する切り札として作られた火薬量1・2トン、瞬間最大時速1040キロの、人間が操縦して敵に体当たりする人間ミサイルと運命を共にした野中少尉のお話です。


桜花は音速を越えた魚雷ですので、一度発射されたら、敵に狙い撃ちされにくく、桜花が攻撃目標に命中すると駆逐艦一隻なら軽く消し飛んでしまうほどの破壊力を持っています。

この桜花とともに、野中少尉は死ぬ訳です。
死を賭けた人間は、どんな心理になるのでしょう?

優しさや愛情を持っていたら、決心がにぶり、とても敵に体当たりして死ぬ事は出来ないかも知れないですね。

人間ミサイル桜花に搭乗する野中少尉には彼女がいて、ある日、彼女は琴で、悲しげなメロディを野中少尉のいる基地の近くで弾くのですが、彼は「あれは誰か?」と、ほかの兵士に聞かれても素知らぬふりをするばかりなのです。

彼女が大粒の涙をこぼしながら、弾く琴の音色は、愛する人が間もなく死ぬのを悲しんでいるかのようにも思えます。


野中少尉は、どういう思いで琴の音色を聴いていたのでしょう?
はたして心の片すみにもないほどに、彼女を忘れようとしていたのでしょうか?



いよいよ出撃が決まった野中少尉は、死が間近に迫ったその時、懐にしのばせていた彼女の写真を取り出し、彼女の姿を、じっと見つめ、目に焼き付けた後に、敵の戦艦に体当たりして、命果てるのです。


彼の将来の夢はロケット技師になる事でした。

きっと、その横には彼女が妻として幸せそうに微笑んでいたに違いありません…




この作品を読み終わった私は、彼女が大粒の涙をこぼしながら弾く琴の音色が、今にも聞こえてきそうな気がして、しばし涙がわいて仕方ありませんでした…






 

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