

私、びっくりしちゃったんです!
それと言うのも、風こぞうさんが、昭和三十五年頃、放送された特撮のテレビ番組「ナショナルキッド」がアメリカを始めとした世界各国で、再放送に次ぐ再放送で、大人気だってブログに書いていたんですから。
しかも、アメリカでは、「ウルトラマン」より人気があり、ブラジルではワールドカップの日本代表監督まで務めたジーコがJリーグの選手として、初来日する際、「ナショナルキッドの国に行く」と言って、ブラジルをあとにしたらしいのです。
アメリカでは、「ウルトラマン」よりも人気があるの!?
昭和のウルトラ・シリーズで育った私にとって、ウルトラマンは育てのパパも同然なんです!
なのに、外国ではナショナルキッドに人気で負けてるなんて。
しかも、ジーコが日本に来た理由が、日本のサッカーを強くするためじゃなくて、ナショナルキッドに憧れてたからって???
でも、これはウィキペディアにも書いてあるので、どうやら本当らしいのです。
う~ん、知られざる真実とは、この事だわ…
あなたも、五十年以上前に作られた日本の特撮番組がアメリカで、今も人気があるというのは、すごいと思いません?
だって、アメリカは特撮の元祖「スーパーマン」や「バットマン」や「スパイダーマン」を生んだ特撮ヒーローにうるさい国のはずでしょう?
それが、五十年以上前の日本の特撮番組が、再放送に次ぐ再放送で、今も人気だって言うんですもの。
だったら、どうして今の日本で有名でないのでしょう?
とっても不思議?
風こぞうさん、空飛ぶアカエイさん、残念なことを言うようですけど、あなた達より若い世代で、「ナショナルキッド」を知っている人って、そうはいませんよ。(笑)
だけど、面白いんだったら観てみたいですよね?
でも、どうやったら観れるんでしょう?
これは諦めるしかないかも?
でも、な、な、な、なんと奇跡が起きちゃったんです!
神様は、私を見捨ててはいなかったんです!
私が利用しているレンタルビデオ屋さんで、「ナショナルキッド」のビデオを見つけちゃったんです~!
以前に書いた実写版の「鉄人28号」「七色仮面」「月光仮面」「ジャイアントロボ」が置いてあった、あのレンタルビデオ屋さんで発見しちゃったんです!
私って、なんて運が強いのかしら♪
やっぱり、私って、あの人達にとって、運命の女神なんだわ…
ああ、こんなことを書いたら、「無理矢理こじつけるな」って誰かに言われそう。(笑)
なにはともあれ、そういう訳で「ナショナルキッド」を観てみることにしました♪
「ナショナルキッド」の主題歌は高らかなラッパの音とともに、こんなナレーションで始まりました!
四次元の世界を克服し
不可能を可能たらしめ
あらゆる科学兵器より強く
正義と平和の為に斗う
ナショナルキッド
こんなナレーションのあとにシルエット姿の何者かが映し出されました!
片手を振ってるけど、もしかしたらこれがナショナルキッド?
そうして現れた姿は胸に「N」のマークをつけてるから、やっぱりナショナルキッドに間違いありません!
だけど…だけど、ううん…これって、かっこいいの?
私の子供の頃の特撮ヒーローからすると、かなり野暮ったい気がしないでも?
だけど、その次に意外なものが映し出されたのです!
それはナショナルの広告塔!!
ナショナル、つまり現パナソニック電機です。
なんでも、この番組のスポンサーがナショナルだから、番組のタイトルが「ナショナルキッド」になったみたいで、おまけに番組の中では、自社製品がばんばん出ています。
番組にかこつけて、自社の宣伝をするなんて、さすが経営の神様、松下幸之助さんだわ。
松下幸之助さん、ちゃっかりしてる~♪
そして、そのあとに子供達が歌う主題歌が。
♪雲か嵐か稲妻か
平和を愛する人のため
もろ手を高くさしのべて
宇宙に羽ばたく 快男児
おー!その名はキッド
えい!ナショナルキッド
ぼくらのキッド(キッド)
ナショナルキッド
この主題歌、今みたいにパンチが効いてて、大人の歌手が歌ってるんじゃなくて、「月光仮面」のような曲調で、なんだかほのぼのしてて、いい感じだなと思いました♪
この主題歌が流れる中、驚いたことに、ナショナルキッドは空を飛んでるんですが、モノクロで画質があまり良くないからか、すごく上手に撮れてるような気がします。
風こぞうさん、空飛ぶアカエイさん、ごめんなさい!(苦笑)
でも、この番組はナショナル電機が破格の制作費を投入していて、特撮では他の番組よりも、はるかに群を抜いていたらしいです。
そして、いよいよお話の始まりです。
どこからともなく地球に現れた空飛ぶ円盤が日本各地で怪事件を起こしていて、政府は空飛ぶ円盤対策委員会を設置し、対応策を検討します。
そして、先年他界した世界的科学者旗まさちか博士の孫の旗竜作青年が委員会に招聘されます。
この人がどうやらナショナルキッドみたいなんです。
旗竜作青年は、宇宙研究所の所長をしています。
私は、今まで観た昭和三十年代の特撮ヒーローがほとんど探偵だったので、これだけですごくオリジナリティを感じてしまいました。(笑)
その旗竜作所長の助手をしているのが、太地喜和子さんなんですが、これがすごく可愛いんです。
この人、プライベートでは結婚していた俳優の三国連太郎さんに恋して、押しかけていくほど情熱的だったらしいのですが、この番組ではそんな素振りはまったく感じられませんでした。(笑)
ストーリーに戻ります♪
空飛ぶ円盤対策委員会は、旗竜作青年の協力を得て、宇宙文字を解読し、インカ金星人が、地球人に原水爆の実験で、宇宙を侵略するのはやめろと警告してきたのを知ります。
その対応策として、山田博士は空飛ぶ円盤を破壊する強力な科学兵器を作ろうとするのです。
しかし、それがインカ金星人の知るところとなり、山田博士は拉致されたのち、頭脳を改造され、彼らの言いなりになり、ナショナルキッドと戦おうとするのです。
さあ、どうする?
ナショナルキッド?
山田博士は?
そして地球の運命は?
こんなふうにして、ストーリーは進むのですが、空飛ぶ円盤と言い、人が透明になっていく場面と言い、特撮がとてもよく出来ているなと思いました。
それに空飛ぶ円盤が発するピコーンピコーンという音や、幽霊でも出てきそうなおどろおどろしい雰囲気の音など効果音も秀逸だと思いました。
そして、なによりストーリー運びが、今まで観た昭和三十年代のどの特撮作品よりも、とてもスムーズに感じました。
あと、全体を通して感じたことは、今のテレビ番組と違って、刺激が少なく、子供達を正しい方向に導いてあげようという温かい姿勢をすごく感じました。
例えば、敵のインカ金星人の女性の首領は、地球人にこんなに丁寧に話しているんですよ。
「水野博士、あなたは我々の警告に背きました。
だから、我々は約束を果たして、あなた方をここへお連れしたのです。
あなた方はもう帰ることは出来ません。
インカ金星人となって、我々のために働いてもらうのです。」
ね?
こんなに優しく話す敵は、今の特撮番組にはないでしょう?
しかも、ナショナルキッドはインカ金星人を殺さずに逃がしてあげてるんです。
私はこれに、とても考えさせられました。
おそらく、テレビ番組は時が経つに連れて視聴率優先になってしまい、だんだん凶悪な敵を作り上げて、刺激の強い方向に向かっていったのでしょうね?
五十年以上前に作られた特撮番組「ナショナルキッド」を観終わって、私はもう一度、子供番組の原点に帰って、こんな番組が出来たらいいなと思いました。
風こぞうさん、空飛ぶアカエイさん、「ナショナルキッド」、すごくよかったです♪