奈々の これが私の生きる道!

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漫画「サイボーグ009 その世界」石ノ森章太郎

2012-05-20 07:24:02 | 読書
SF漫画の名作と言えば、私には三つ思い浮かぶ作品があります。

一つは言わずと知れた手塚治虫先生の「鉄腕アトム」で、二つめは横山光輝さんの「鉄人28号」、そして 三つめが石ノ森章太郎さんの「サイボーグ009」なのです。
この三つのタイトル、読んだ事がないという方でも、タイトルだけは聞いた事があると思います。
そう言う私自身、全部読んだ事があるのは「鉄腕アトム」だけなのです。

なぜなら、理由は簡単♪

「鉄腕アトム」以外は、私の大好きな手塚治虫先生の作品ではないからです。(笑)

それに、今回、私が書こうとしている「サイボーグ009」には、ある思い出があって、そのために今まで読むのをためらっていたのです。

それは、私がとっても小さかった小学生の頃にさかのぼります。

ある日、テレビで、映画の「007」を放送していて、それを観ていた私は、主人公のジェームズ・ボンドに一目惚れしちゃったのです!


「ジェームズ・ボンドのおじちゃま、かっこいい!

私、おじちゃま大好き♪

どれくらい好きかと言うと、抱っこされたいくらい♪

あ~ん、おじちゃまに抱っこされた~い!

おじちゃま、私を抱っこして!」


ジェームズ・ボンド
「お嬢ちゃん、そんなに僕が好きかい?
それなら、抱っこしてもいいけど、お嬢ちゃんの短いスカートだったら、抱っこした時、パンツが見えちゃうかも知れないよ?」



「いいの。
だって、おじちゃまは、私の特別な人だから、パンツを見られたって平気♪」


なんで、パンツ?

どうしてか、わかりませんけど、私はよくこんな空想に耽っていたのです。(真っ赤)


すると、ある日、偶然、本屋さんで、「007」の漫画を見つけちゃったのです!


いいえ、その漫画は「サイボーグ009」だったのですが、私は9と7を見間違えて、てっきりジェームズ・ボンドのおじちゃまが大活躍する漫画とばかり勘違いして、母におねだりして買っちゃったのです。

そして、ページを開いて、全然関係ないとわかって、がっかりしちゃったという訳。(苦笑)

だけど、作者の石ノ森章太郎さんは、どうしてこんなまぎらわしいタイトルにしたのでしょう?

もしかしたら、映画の「007」と勘違いさせて、買わせようという魂胆があったのでは?

あなたも、そう思わないですか?(笑)

だけど、この漫画、決して面白くなかった訳ではないのです。

ちなみに、私が一番印象的だったのは、島村ジョーでもアルヌールでもなく、赤ん坊のサイボーグ戦士001だったのです。
理由は可愛かったからではなく、赤ん坊なのに、大人顔負けの優秀な頭脳を持っていて、すごいなと思ったからです♪


でも、そうは言っても、007とまぎらわしいタイトルに勘違いして買ってしまった私はだまされたという思いが強く、1巻を買っだけで、続巻を買おうという気にはとてもなりませんでした。(笑)
その後、作者の石ノ森章太郎さんはすごい漫画家さんなのだと知り、考えをあらためた次第です。
少し大きくなってからは、マンガ少年という雑誌で、連載が再スタートしたのですが、これは何だか難しくて、あまり読む事はありませんでした。

そうするうちに、私も大人になり、少年漫画を読まなくなってしまい、この漫画の事を、すっかり忘れていました。

ところが、最近、ブログで親しくさせて頂いている風こぞうさんと空飛ぶアカエイさんのお二人が、この漫画の記事を再三書かれた事から読んでみたくなったのです。

とくに大きかったのは、風こぞうさんがプロフィールの画像にしている009こと島村ジョーに、003ことフランソワーズ・アルヌールが戦闘服のままで涙を流しながら、くちづけをしている場面です。

私は風こぞうさんが描いたこの場面にすごくドラマを感じて、何度見ても泣きそうになるのです。

私には、フランソワーズ・アルヌールの涙は、嬉し涙にとても思えないのです。
それになぜお洒落なドレスでなく、戦闘服を着たままで、口づけしているのでしょう?

私は、そのイラストを見るたびに、何度も何度も考えました。

そうしたら、ある時ふっと石ノ森章太郎さんのお姉さんが頭によぎったのです。
もしかしたら、フランソワーズ・アルヌールは石ノ森章太郎がお姉さんの身代わりに作ったキャラクターなのではないのか?
石ノ森章太郎さんには優しくて綺麗なお姉さんがいらして、まだ若かった石ノ森さんが漫画家になるため上京した時も心配して、あとをついて来てくれたそうです。
だけど、お姉さんは結婚もしないまま、女性としての幸せも知らないうちに、若くして亡くなられたのだとか…


お姉さんが好きだった石ノ森さんはせめて漫画の中だけでも、お姉さんが果たせなかった幸せを実現させてあげたかったのではないでしょうか?


フランソワーズ・アルヌールの涙を見ていると、私にはそう思えてならないのです。

その真相を確かめたくて、最近、古本屋さんで、朝日ソノラマから出版された「サイボーグ009その世界」を手に入れたのです。

これは平成10年に出版され、530ページほどあり総集編と言える内容で、重要なエピソードはほとんど収められているらしいです。
巻末には石ノ森章太郎さんの、この漫画にかける熱い思いを綴った文章も載っています。

実は、私はまだこのご本を読んでいないのですが、空飛ぶアカエイさんがどんなご本なのか気にされていらっしゃいましたので、読む前に書いてみました。(笑)


ところで、私にこの「サイボーグ009」を読みたくなるきっかけを下さった風こぞうさんは、今は別のフランソワーズ・アルヌールをメイン画像をプロフィールに貼付けられていて、そちらも私は大好きです。


なぜなら、私が小さかった時分、この漫画を007ことジェームズ・ボンドのおじちゃまと勘違いして空想に耽っていた頃を思い出させてくれるからです。(笑)


風こぞうさん、空飛ぶアカエイさん、私に「サイボーグ009」に興味を持たせて下さってありがとうございました♪


いずれ、感想も書いてみたいと思います。