カールベンクスさんが暮らしていて、
そして彼が手掛けて再生した古民家が点在する集落、
十日町市竹所を訪ねました。
このようなマップが準備されていますが、
竹所は決して再生古民家のテーマパークではありません。
普通の人が普通に暮らしている山村です。
見学する私たちはそこをしっかりと弁えて、
村で暮らす人々の迷惑になる行為は厳に慎まなければなりません。
竹所は松代から車で15分くらいです。
ここが国道403号からの入り口。
小さな看板が立っています。
集落の入り口に最初に見えてくるのは・・・
目にも鮮やかな中条さんの牛小屋です。
番組でも紹介されていましたが、
カールさんが音頭を取って村人が共同作業してリフオームしました。
分かれ道を左に坂を上がって行くと、
左手にしもがみハウスが立っています。
番組の中でちょうど建てられていた竹所では一番新しい家です。
さらに急坂を上がった左手に建つ宮の入。
カールさんの自宅双鶴庵(そうかくあん)はこの坂の一番上に在りました。
雪から茅を守るため屋根はシートで覆われています。
分かれ道まで戻り右折。
すぐ目に入るのが緑が鮮やかな竹所シェアハウス。
なぜかほとんど雪に埋もれています。
現在2名くらいの方が住われているはずだけど、
どうしてかちゃんと雪掘りしていないね。
とちょうど隣の車庫を雪掻きしていた女性が教えてくれました。
お天気が良くて良かったですね。
今日村で出会った唯一の人です。
現在は松代に住んでいて時々様子を見に来るのだとか。
日本を代表する豪雪地帯でもあるので、
道路や家周りの除雪は重機で行います。
今日も集落センターの裏手でエンジン音が鳴り響いていました。
その先で犬に吠えられました。
そうそうこのワンちゃんも番組に出ていたぞ。
子犬の時、カールさんがバスタブで犬小屋を作ったんだっけ。
道は二手に分かれて上って行きます。
左手上方に見えているのが、
梨の木ハウス。
その隣のイエローハウスは村でカールさんが双鶴庵の次に手掛けた再生古民家。
雪が消えた春からはカフエになるそうですが、
今は住人が長期不在で除雪されていませんでした。
さらに坂のうえにあるさくらハウス。
そして最上部にあるレンガの家。
ここで雪道は行き止まりです。
そうそう集落の入り口近くにあるはずの私のお気に入り
べんがらハウスが見当たりません。
戻ってみましょう。
在りました!
雪壁の向こうに頭がちょこっと見えました。
間近で見たいところですが、
私有地に入り込むのは控えましょう。
雪がとけたら改めてまた訪れたいと思います。
カールさんの古民家再生の原則は骨組みをいじらないこと。
構造をそのまま生かして間取りを決める。
古材はなるべく切らない。
間取りはなるべくシンプルにする。
一、二階を吹き抜けにするのは家の木組みを見せたいから。
無垢の梁と桁と柱。
槍鉋や手斧の削り跡。
そこには自然の持つ圧倒的な力と美しさがあります。
古民家を再生して暮らすといことは昔の生活に戻ることではありません。
人が生活する住宅を作る。
だからそれは住む人に心地がいいもの、
くつろぎと安らぎを与えられるものでなければなりません。
寒冷対策には床暖房を入れる。
薪ストーブを備え付ける。
壁に入れる断熱材は通常の倍の厚さ10cm。
窓には断熱防音効果に優れたペアガラス。
屋根は自然素材。
そんな自然に寄り添うカールさんの家づくりには、
魅力と興味が尽きません。