晴れ。最低気温-3.9℃、最高気温9.1℃。
雪解けが進み、大沢口前は大きな水溜りができていた。その水溜りを見ていると、水とは何て変化自在なものかと思った。例えば、風のない穏やかな日、水が集った湖沼はあたりを映し出す鏡になる。また、ある時は、水蒸気になって光りを屈折させ、蜃気楼を出現させたり、虹をつくって、つかの間、幸せな気分にさせてもくれる。かと思えば霧になり、あたりをかすませ、奥ゆきのある神秘的な世界をつくりだしたりもする。他にも、強靭な刃物となって、ダイヤモンドを刻んだり、巨大なエネルギーを伴って、地上のものを破壊したりもする。一方で、地面を潤し、命を育むのだから畏れ多い。私達にとって、なくてはならない命の源でもある水。六角形の雪の結晶となって花びらのように舞うのも、よく考えるととても不思議だ。
この頃の天気予報は当たる。明日も雪の結晶が見られそうだ。名残雪の途絶えることなきこの四月、季節がアイデンティティをしばし失う繊細な月だ。