透明な気圏の中から

日々の生活の中で感じたこと、好きな作家についての思いなどを書いてみたいと思います。

ストレスなさそうな猫と出会う

2017-02-28 20:03:18 | 日記

晴れ。最低気温-16.8℃、最高気温2.1℃(江別)。最低気温-20.9℃、最高気温4.6℃(生田原)。

今日は生田原の石川方面へドライブに出かけました。この町のちょっとした名所となっている屏風岩を見るためもあったのですが、とある民家の前の道路に猫君が座り込んでいて一時停車となりました。

手も足も顔も大きなオスの猫君。動作もゆったりとして鷹揚な態度でこちらを見るともなしに見たりして・・・・。

近年、まれにみる大きな身体の猫でした。その猫君が、呼んでみると、寄ってきたりもしたのです。ついには寝転んだり、毛づくろいをし始めたりとすっかりくつろぎ始めました。

車の通りも少なめなこの辺りは、猫君の天下のようです。ストレスがなさそうに見えたのですが、

縄張り争いなどもあるのでしょうし、いうに言えない事情を抱えていたのかもしれませんね。

人には人の、猫には猫の裏事情、などと深読みをしてしまいました。

 

 

 

 

 

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生田原の山野

2017-02-27 16:58:05 | 日記

晴れ。最低気温-20.3℃、最高気温-3.3℃(江別)、最低気温-23.7℃、最高気温-1.9℃(生田原)。

生田原川は昨年の台風で被害を受け、現在、重機等による工事が行われています。

川の両側に生えていた柳を中心とした木々が伐採されるなど、再び、被害に遭わぬように策が講じられているようです。

緑に囲まれた生田原川がきれいな水を湛えて流れているのを見るのが大好きだった私は、なんだかとても寂しく思うのですが、被害が回避されるのであれば、それは仕様がないことなのですね。

春になって緑が燃え出す頃の散歩コースは木々の緑と草地の緑が溶け合って、爽やかで感動的な場所だったのですが、これからはどうなるのでしょう。

本日は車に乗せてもらって、生田原の岩戸の山野を写真に収めてきました。

 

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能取岬から

2017-02-26 20:04:30 | 日記

晴れ時々雪。最低気温-10.6℃、最高気温-2.7℃(江別)。最低気温-10.8℃、最高気温-3.7℃(生田原)。

昨日は能取岬を経由して生田原へ戻りました。

冬期間に能取岬へ行く機会はこれからもないような気がして、記念に今日も能取岬の風景をアップすることにしました。

能取岬は冬の荒涼とした風景も心にしみるものですが、緑の季節も良いものです。清々しく、雄大な自然に触れて心身共にリフレッシュできるでしょう。

網走へお越しの際はひと頑張りして、こちらへも足をお運びくださればと、思わず観光案内になってしましました。

 

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オホーツクの流氷(網走から)

2017-02-25 19:54:43 | 日記

曇り時々晴れ。最低気温-12.6℃、最高気温1.5℃(江別)、最低気温-17.4℃、最高気温0.8℃(生田原)。

思い立って流氷を見に家人と網走方面へ出かけてきました。

流氷が見られそうな二つ岩を目指すと、狙い通り、岸近くをさまよっている数片の流氷があり、オホーツクブルーの海に存在感を発揮していました。

そこで写真を撮っていると、散歩していた地元の方が「昨日までは(流氷が)びっしり沖を埋め尽くして雪原のようだったけれど、昨日強い風が吹いて、沖の方に行ってしまってね。」と話してくれました。確かに、水平線のところに白線のような流氷帯が見えました。

流氷を追って、能取岬へ行ってみようということになり、車を走らせました。

             🍁   🍁   🍁

冬の能取岬は初めてです。茫洋とした雪景色の向こうにはオホーツク海、斜里岳や知床連山が見通せます。

冷たい風がビュービュー吹きすさみ、寂寥感を漂わせていました。人里離れ、荒涼としたこの地で、数分風に吹かれるだけで、煩悩が浄められそうな気もしたのでした。

斜里岳と帽子岩を望む

海別岳を望む

斜里岳、帽子岩、を望む

知床連山を望む

二ツ岩を望む

能取岬から

能取岬から

能取岬から 

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『この世界の片隅に』その2

2017-02-24 14:53:13 | 

曇りのち雪。最低気温-3.1℃、最高気温-1.2℃(江別)。最高気温-2.6℃、最高気温0.8℃(生田原)。 

 生田原ではゴミの分別が江別よりきめ細かくなっています。プラゴミは資源ごみとなっているので、例えば納豆の外側の発泡スチロールの容器はもちろん、蓋の内側の薄いペラペラしたビニール風のものも洗ってプラゴミに出すことになります。 

 1週間で(圧縮しない状態で)20リットル入りの袋にいっぱいになりました。

 私が子どもの頃には出なかったゴミの一種(ひとくさ)です。こんな風に不要となるパッケージを編み出した私たちっていったい賢いのか、何なのか分からなくなってしまいます。

 燃えるゴミの中の生ごみを減らす方法はただ一つ。食べ尽くす事に尽きます。『この世界の片隅に』を映画や本で見た後でもあり、どこまで食べきることができるのかとの問いが、この頭の片隅にあるようです。

 今日はいったん切り離した人参のへたを捨てようとしてとどまり、直径4cmのものを、約2cmを残して料理に使いました、というより使っちゃいました。 

 そんなことをまじめに試しながら、一方で余計な買い物をしてしまう私なのですが・・・・。 

 

『この世界の片隅に 下巻』の最終章には数ページにまたがって深い意味を感じる言葉が綴られていました。

貴方の背を撫づる太陽のてのひら

貴方を抱く海苔の宵闇

留まっては飛び去る正義

どこにでも宿る愛

そして

いつでも用意さるゝ貴方の居場所

 

すゞめのおしゃべりを聞きそびれ

たんぽぽの綿毛を浴びそびれ

雲間のつくる日だまりに入りそびれ

隣に眠る人の夢の中すら知りそびれ

家の前の道すらすべては踏みそびれ乍ら

ものすごい速さで

次々に記憶となってゆくきらめく日々を

貴方はどうする事も出来ない

 

少しづゝ少しづゝ小さくなり 

だんだんに動かなくなり

歯は欠け 目はうすく 耳は遠く

なのに其れをしあわせだと微笑まれ乍ら

皆が云ふのだから さうなのかも知れない

 

或いは單にヒト事だからかも知れないな

貴方などこの世界のほんの切れっ端にすぎないのだから

しかもその貴方すら

懐かしい切れ切れの誰かや何かの寄せ集めにすぎないのだから

『この世界の片隅に 下巻』より 

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流氷(昨年のブログから)

2017-02-23 19:00:14 | 日記

曇り。最低気温-5.4℃、最高気温2.7℃(江別)。最低気温-12.5℃、最高気温2.0℃(生田原)。

今日は生田原町の温泉施設・ノースキングに出かけてきました。温泉には様々な薬効があるので、いくばくかの期待もあってのことでしたが、何よりリラックスできたのが良かったかと思います。

             🍁      🍁      🍁

さて、今年はまだ流氷を目にしていないのですが、昨年の今日のブログで網走の流氷の様子を紹介していたので、それをアップすることにしました。もし、ご覧くださった皆様の幾人かが、オホーツクの海に少しでもロマンを感じて下さったならばこんなに嬉しいことはありません。

以下は2016年2月23日のブログです。

網走へ家人と流氷を見に出かけました。

青空の下、オホーツク海には点描画のように漂う流氷の一群が押し寄せていました。目の前に広がる青と白のコントラストは息を飲むほど美しく、その雄大さに心が躍りました。しぶきを挙げて寄せては返す波に、飲み込まれてははき出されているような流氷。ふるさとのの海もまた昔と変わらず、心を和ませてくれるものでした。

部屋に戻り、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』の最終章を読み返しました。

「私たちの住んでいる地球は自分たち人間だけのものではないーこの考えから出発する新しい、夢豊かな、創造的な努力には、《自分たちの扱っている相手は、生命あるものなのだ》という認識が終始光り輝いている。生きている集団、押したり押しもどされたりする力関係、波のうねりのような高まりと引きーこのような世界を私たちは相手にしている。」

とあり、今日見たふるさとの海の景色を思い浮かべました。

                                                 《2016年2月23日12:51撮影》

                                                  《2016年2月23日12:51撮影》

                                                  《2016年2月23日12:54撮影》

                                          《北浜駅の展望台から 2016年2月23日13:08撮影》

                                     《北浜駅 駅舎内停車場というレストランにてランチ  2016年2月23日13:03撮影》

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隣町の湧別町へ

2017-02-22 19:58:43 | 日記

晴れのち曇り。最低気温-11.3℃、最高気温-0.5℃(江別)。最低気温-21.5℃、最高気温0.3℃(生田原)。

午後から流氷を見に隣町の湧別町前浜へ出かけました。

流氷が見られたらと思ったのですが、地元の方曰く、「先日はこの辺りにもあったんだけど、強い風が吹いてどこかへ行ってしまったようだ。」とのこと。

流氷は見られなかったのですが、船が陸に並んでいるのをみたり、浜独特の風景を楽しんできました。

帰りは少し遠回りをして湧別原野を走りました。広々とした雪原がずっと向こうの山のふもとまで広がり、三月のような、どこか春を思わせる景色となっていました。

湧別町前浜

湧別町前浜

湧別原野

湧別原野

湧別原野

 

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「書棚から歌を」のコーナー

2017-02-21 15:11:47 | 日記

晴れのち曇り。最低気温-12.2℃、最高気温-4.8℃(江別)。最低気温-11.5℃、最高気温-5.6℃(生田原)。

北海道新聞・日曜文芸欄の「書棚から歌を」のコーナーをよく見ています。

執筆担当者は北海学園大学教授の田中綾氏。

今回は釈迢空こと国文学者・民俗学者の折口信夫の歌を取り上げていました。

「きさらぎのはつかの空の月ふかしまだ生きて子はたたかふらむか」釈迢空

2月20日の夜、月をしみじみ見上げながら、わが子はまだ「生きて」、必死に戦っているのだろうかと祈るような思いを言語化していると田中綾氏は説いています。

わが子とは最愛の養子・春洋(はるみ)。学問上の弟子で、国学院大教授でもあったそうです。

春洋(はるみ)は太平洋末期の1945年、硫黄島の激戦で亡くなりました。享年38歳。

多数の死傷者・犠牲者を出してまで、なぜ日本は「戦争」を選んだのか。

田中氏はその答えを日本近現代史を専門とする加藤陽子著の「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」に求めています。

日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、満州事変、日中戦争、太平洋戦争と、近代日本はまさに「戦争」という選択肢を軸に歴史を生きて来ました。

でも、たとえば日ロ戦争ではロシア側が積極的で、日本はむしろ戦争から回避しようとしていたことが明かされていて、大変興味深いと田中氏は注目していました。

 

今、日本は、釈迢空が詠んだこの歌の世相に一歩一歩近づいているような気がしてなりません。

 

加藤陽子著「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」

*加藤が中高生に行った5日間の集中講義の記録で、2009年に単行本で上梓され、2016年に文庫本で刊行された。第9回小林秀雄賞を受賞している。 

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宮沢賢治学会より「イーハトーブセンターだより第125号」が届く。

2017-02-20 16:42:35 | 日記

晴れのち曇り。最低気温-14.1℃、最高気温-2.7℃(江別)。最低気温-19.8℃、最高気温-0.9℃(生田原)。

7:40 今朝はぼんやりした光が春めいて見えました。向かいの家の屋根越しに見た朝日です。

無事にこの地に配達された会報です。

いつもながら、事務局の方々にはお忙しい中、ありがとうございました。 

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わたあめのような雲

2017-02-19 20:33:27 | 日記

晴れ。最低気温-9.7℃、最高気温-3.3℃(江別)。最低気温-15.3℃、最高気温-3.0℃(生田原)。

16:40

16:41

【夕暮(ゆふぐ)れは雲のはたてにものぞ思(おも)ふ天(あま)つ空(そら)なる人を恋()ふとて】よみ人しらず〈古今集・一一・恋一・四八四〉

〔訳〕夕暮れになると、雲の果てをはるかに眺めてはもの思いをすることだ。雲の向こうにいるような自分の手には届かないあの人を恋いしたうというので。

                                                『古典文学/名歌名句事典』

ふわふわの薄桃色の雲は、真冬日だったことも、だからそれなりに冷えていたことも忘れて、暖かな部屋の中から眺めていたためかもしれないけれど、わたあめのようでもあり、優し気に見えたのでした。

ふと思い出したこの歌はいつの頃からか、私のお気に入りでした。

最近、言葉に以前より興味が増してきたようで、今日も新聞の日曜文芸欄に一通り目を通したところです。

オホーツク管内出身の私は「オホーツク」という言葉に過敏なようで、「オホーツクの海より生まれる日輪に孫子のためにと不戦を誓う」という歌に目がとまりました。

ぎくりとしたのは「近所での茶飲み話が特高の監視対象それが間近か」という歌で、肌感覚で今の風潮を詠んでいると感じました。

また、詩のコーナーでは、「便利」という詩について書かれた若宮明彦氏の選評に惹かれました。

 19世紀の米国詩人でナチュラリストのソローは「僕が森に行ったのは、ゆっくりと慎重に生きたいと思ったからだ」と書いた。

 シンプルにもっとゆっくり暮らしたい。雑事を減らして、心豊かに人生を楽しみたい。慌ただしい日々の中で、多くの人がそう思っていることだろう。科学の進歩や社会の発展は、むしろ人から自由を奪っているのではないか。一度立ち止まって考えたい。この作者のように「便利」の意味を再考してみたい。

 こちらも同感で、全文を引用させていただきました。 

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雨水の空

2017-02-18 20:27:23 | 日記

曇りのち晴れ。最低気温-8.8℃、最高気温-4.9℃(江別)。最低気温-9.9℃、最高気温-5.6℃(生田原)。

今日は雨水(うすい)。雨水とは「二十四(節)気の一。陽暦二月十九日ごろ。雨水の肌に与える冷たさが和らぎ、草木が芽ぐみ始める時分の意。」と新明解国語辞典にありました。

草木が芽生える頃で、昔から、農耕の準備を始める目安とされてきたそうです(「日本の行事・暦」のサイト参照)

当地では、雨水を前倒ししたように昨日雨が降りました。さすがにすぐ雪に変わりましたが・・。

今朝は10㎝ほどの積雪となり、家人が除雪に出動しました。

北海道ではこれからも雨というより雪の降る日が続くと思われますが、暦の上では、また一歩、春へ近づいたようですね。


朝方、雲間から差してきた日の光を雨水の記念にと思い、カメラに収めました。

 7:38 光の中に美しい色が見えた気がしたのですが・・・。

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『この世界の片隅に』その1

2017-02-17 21:21:03 | 

曇りのち雨。最低気温-2.5℃、最高気温7.0℃(江別)。最低気温-6.7℃、最高気温5.8℃(生田原)。

昨晩、『この世界の片隅に上・中・下』を一気に読み終えました。感想を書きたいところですが、手に余るので、覚書として気づいたことなどを書いてみたいと思います。

 主人公の浦野すずは絵が得意で少しぼーっとしているところのある、際立った美人というよりはきれいなイメージの人として描かれています。

 終戦の前の年の2月、すずは生まれ育った広島から呉の北條家の長男・周作の妻となり、主婦として一家の台所を預かることになります。

 戦時下で食糧事情が極端に悪くなる中、食べられる雑草を摘んできて調理法を工夫するなどして、健気に食卓を整えるすず。

 持てる力を尽くして日々の暮らしを全うしているすずの姿からは戦争につきまとう悲壮感がなく、むしろ、楽しんでいる風にもみえました。

 

 でも、すずが時限爆弾で右手を失い、託されて一緒にその場にいた義姉の娘が亡くなってしまったあとに自問する場面ではすずの心の叫びが描かれ、それは戦争という理不尽さに対する憤りを口にしたものと思えました。

 皆が右手をなくしても命が助かったすずに「良かった」という言葉をかけてくれるのですが、どこがどう良かったのかさっぱりわからないというのがすずの本音だったのです。

 表面をとりつくろう世の風潮がどこか嘘っぽく思われ、「歪(いが)んどる」と怒りをあらわにするすずは、物事の本質を見抜く確かな目の持ち主だと想起できました。

 

206月、時限爆弾により晴美さん(義姉の娘)が亡くなり、すずさんは右手を失いつつも意識がもどり、回復へ向かう場面での言葉を本から引用。

「良かった 熱が下がって」、

「ともかく不発弾で良かった」、

「しかし、治りが案外早うて」

「あんたが生きとって 」

「良かった、よかった、と言われるが、どこがどう良かったんかうちにはさっぱり判らん」

歪(いが)んどる

こうの史代氏はあとがきに執筆にいたる思いを率直に記しています。

「死が最悪の不幸」かどうか「死んだことがないので」分からないということにもハッとさせられましたし、「戦災もの」を死の数で悲劇の重さを量らねばならないものという捉え方も新鮮でした。

 こうの氏はそれを理解できていないと感じたところから、戦時の生活が「だらだら続く様子」を描き、そこに確かにあったと思われる「誰か」の「生」の悲しみやきらめきを見つけてとことん表現しようと試みられたようです。

 自分につながる人々が呉で何を願い、失い、敗戦を迎えたのかの、これは一つの解釈であるとも書かれていました。

あとがき

 わたしは死んだ事がないので、死が最悪の不幸であるのかどうかわかりません。他者になったこともないから、すべての命の尊さだの素晴らしさだのも、厳密にはわからないままかも知れません。

 そのせいか、時に「誰もかれも」の「死」の数で悲劇の重さを量らねばならぬ「戦災もの」を、どうもうまく理解出来ていない気がします。

 そこで、この作品では、戦時の生活がだらだら続く様子を描くことにしました。そしてまず、そこにだっていくつも転がっていた筈の「誰か」の「生」の悲しみやきらめきを知ろうとしました。

 呉市は今も昔も、勇ましさとたおやかさを併せ持つ不思議な都市です。わたしにとっては母の故郷です。わたしにつながる人々が呉で何を願い、失い、敗戦を迎え、その二三年後にわたしと出会ったのかは、その幾人かが亡くなってしまった今となっては確かめようもありません。だから、この作品は解釈の一つにすぎません。ただ出会えたかれらの朗らかで穏やかな「生」の「記憶」を拠り所に、描き続けました。

 正直、描き終えられるとは思いませんでした。

 いくつもの導いてくれる魂に出会えた事。平成一八年から二二年の「漫画アクション」に、昭和一八年から二二年のちいさな物語の居場所があった事。のうのうと利き手で漫画を描ける平和。そして今、ここまで見届けてくれる貴方が居るという事。

 すべては奇蹟であると思います。

 有難うございました。

二〇〇九年二月 花粉の朝に

 

こうの史代氏について『この世界の片隅に 下』より引用  

1968年9月、広島市生まれ。

1995年、『街角花だより』でデビュー。

主な著作は『夕凪の街 桜の国』、『長い道』、『ぴっぴら帳(全2巻)』、『こっこさん』。

好きな言葉は、「私はいつも真の栄誉をかくし持つ人間を書きたいと思っている」(ジッド)。

 

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いつものところにネコヤナギ

2017-02-16 17:07:39 | 日記

晴れ。最低気温-10.0℃、最高気温3.6℃(江別)。最低気温-16.5℃、最高気温4.3℃(生田原)。

生田原では午後3時に最高気温が4.3℃をマークしました。

ちょうど暖かくなった午後に借家からほんの数百メートルほどでしたが、散歩してきました。雪道を歩くのは緊張するもので、お部屋に戻ったときにはホットしました。右足首だけではなく、その部分をカバーするために身体中が緊張するようです。

 

それはそうと、今年もいつものところに、いつものように銀色のネコヤナギが黙って膨らんでいました。春を待つ気持ちが詰まっていそうにも見えますね。

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遠軽からの帰り道に春を感じて

2017-02-15 21:02:33 | 日記

晴れ。最低気温-7.3℃、最高気温1.1℃(江別)。最低気温-14.8℃、最高気温2.6℃(生田原)。

朝方、青空にふわふわの白い雲が見えました。

「空が青いから白をえらんだのです」という「くも」という詩を思い出しました。

この後、生田原の気温は2.6℃まで上昇しました。

15:56

午後から遠軽まで家人とお買い物へ。実家から頼まれた物もあり、ツルハ、ホーマック、生協で必要なものを買い求めて生田原へ戻りました。

16時頃になってもまだ日差しに勢いがあり、伸びた影を映す車窓からの風景に春の訪れを感じました。

立春から数えて10日ほどが経ったのですね。このまま、まっすぐ春へと向かってほしいのですが、そうはいかない自然の事情があるわけで・・・。

ぐずぐずと寄り道が好きな春ですが必ず来ると信じて、じっと待つことにしましょう。

 15:59生田原

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『この世界の片隅に』を借りる

2017-02-14 20:51:32 | 

曇り時々晴れ。最低気温-3.4℃、最高気温-0.1℃(江別)。最低気温12.5℃、最高気温-1.9℃(生田原)。

生田原図書館へ本を借りに行ってきました。図書館は駅舎とともに1階に併設され、2階はオホーツク文学館として機能している、お洒落な複合施設の一角にあります。

家人と午後1時半頃から30分ほど滞在したのですが、他に訪れる人もなく、静かな中をじっくり見て回ることができました。

『この世界の片隅に 上・中・下』(こうの史代著)3冊と池井戸潤さんや角田光代さんの本など7冊を借りてきました。全10冊、2週間で読めるかどうか・・・・・・。

『この世界の片隅に』は先週、映画を見たこともあり、原作を読むのが楽しみです。

オホーツク文学館(生田原町)

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