まじめすぎてつまらない

2014-10-15 16:17:37 | 音楽
「あなたのバイオリン、まじめすぎてつまらない」
と言われたことがある。
前についていた先生のお姉さんから。
その方もバイオリンの先生だ。
すごく物事をはっきり言う方で、もちろん褒めてもらうこともあった。
単純にそう思ったんだろう。

「まじめすぎてつまらない」

別に傷ついたりしなかった。
まあ、そうだろうな、と思う。

私の先生が体調を崩して、ひと月ほどお姉さんにみていただいた
時のことだ。
その前から発表会等で聞くたびに思っていたらしい。


同じお教室に40代後半の男性がいた。
30代で全くの初心者からバイオリンを始めた方。

その方が発表会で「タイスの瞑想曲」を弾いた時、すごく上手という
わけではないのに、とても「聞かせる」演奏をした。

なんていうか、セクシーだったのだ。
それも、いやらしくなく上品で、やんわりと抱きしめられているような、
とても素敵なタイスの瞑想曲だった。

これが表現するってことなんだと思った。
テクニックが十分じゃなくても伝わるものがあるんだなと。

私は万事において、そういうのが苦手。
楽譜通りに、はいフォルテ、はいピアノ、さあ段々クレッシェンド~って
いちいち掛け声をかけながら弾いている感じ。
構えすぎなんだろうか。

自分で「どう表現するか」・「どう表現したいか」がよくわからないし、
できないのだ。
言われた通りに弾こうと努力することはできるのだが。
そりゃあ、聞いていてつまらないかもしれない。

後に、先生のお姉さんからそう言われたと告げると、私の先生は、
そんなことないわよと言ってくださったが、先生からはレッスン中に、

「もっと心を開いて!」

と大きな声で言われたことがある。

すごく衝撃的で、レッスンでのどんな言葉よりも心に残っている。
私の表現の欠点は、その一言に集約されていると思う。
結局改善できないまま、ここまで来てしまった。

どうにかしたいと思っている。
思ってはいるが、30歳を過ぎて今さらどうやって心を開いたら
いいのか、わからないのも事実だ。


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