アレグロ

2020-03-14 21:35:41 | 
娘は今、フィオッコのアレグロを弾いている。
譜読みが済んで曲作りに入ったが、レッスンでの先生の要求がとても
高度で見ていてハラハラする。
娘にとって「できる」と「無理」のちょうど境目をつくような指導。
それが一番伸びるとわかる反面、娘にとって結構しんどいのは確か。
娘はよく頑張って、レッスンの間にどんどん進化しているのを感じる。
文字通り、歯を食いしばって、というような感じ。

私はこのアレグロがとても好きで、ふとした時によく弾く。
自分がレッスンを受けたのはもう20年以上前だが、こんな高度な
レッスンではなかったなあ、としみじみ思う。
音程をできるだけ整え、可能な限り速く弾き、なんとなく強弱を、
くらいのものだ。
一つ一つの音にニュアンスをつけるような指導には全く至らなかった。

でも、楽しかった。
バイオリンが好きで、バイオリンを弾けるだけで楽しかったのだ。
多分、娘はバイオリンを弾いていても楽しくないだろうと思う。
私に言われるから練習して、先生に言われるからレッスンでも頑張る。
こんなに上手なのにバイオリンが好きじゃない様子。
弾いているのを見ていても聞いていても、音楽の喜びみたいなものを
全く感じない。
上手になればなるほど、そう感じる。
どれだけ練習しても私が得られなかったものを手にしているのに。

そんなこんなあり、娘は将来音楽の道に進まない選択をした。
バイオリンの代わりに勉強をする、とのこと。
バイオリンは趣味として続け、塾に入って中学受験に備えることに
なった。

親として娘の意志を尊重する。
音楽が人生の全てではないから。当然。
「もうやめる!」と楽器をぶん投げられなくて良かった。
これからは少し緩くバイオリンと向き合って、音楽の素晴らしさを
感じられたらいいんじゃないかな!

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